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ストレスチェック

パートタイム・有期雇用社員へのストレスチェック対象範囲ガイド|対象判定基準と実務上の注意点

2026年6月23日 約4分で読めます
この記事のポイント
  • パートタイム・有期雇用の対象判定は「週の所定労働時間が通常労働者の4分の3以上」かつ「1年以上継続使用」の2要件で行う
  • 雇用形態の名称(パート/アルバイト/契約社員)ではなく、実際の所定労働時間と継続使用期間で判断する
  • 有期雇用は更新後に通算1年以上になった時点から対象になる場合もある
  • 対象者漏れは法令違反リスクになるため、実施前に対象者リストを正確に確定させることが重要

ストレスチェック対象者の基本:雇用形態ではなく2つの要件で判断

ストレスチェックの実施義務対象となる労働者は、必ずしも正社員に限りません。パートタイム・アルバイト・有期雇用(契約社員)であっても、以下の2つの要件を両方満たす場合は実施義務の対象になります(労働安全衛生規則第52条の9)。

要件1:週の所定労働時間(4分の3以上)

その事業場で同種の業務に従事する通常の労働者(正社員等)の週の所定労働時間の4分の3以上であること。

  • 正社員の週の所定労働時間が40時間 → 週30時間以上が対象
  • 正社員の週の所定労働時間が35時間 → 週26時間15分以上が対象
  • 正社員の週の所定労働時間が32時間 → 週24時間以上が対象

要件2:契約期間の継続性

以下のいずれかに該当すること:

  • 期間の定めのない労働契約(無期契約)で雇用されている
  • 最初から1年以上の有期労働契約を締結している
  • 契約更新により1年以上使用されることが予定されている
  • すでに1年以上継続して使用されている

この2要件は厚生労働省のストレスチェック制度関係Q&Aで明確に定められています(Q&A 問1-4)。

「うちのパートは対象じゃないはず」と思い込んでいる担当者は要注意です。週30時間以上働くベテランパートが対象から漏れているケースは珍しくありません。毎年実施前に対象者リストを見直してください。

パターン別:対象・対象外の判定フロー

雇用形態週の所定労働時間継続期間判定
正社員(週40h)40時間無期対象
パートタイム30時間(正社員の75%)3年継続対象
パートタイム25時間(正社員の62.5%)5年継続対象外(時間要件不足)
有期雇用(契約社員)40時間(正社員と同等)6ヶ月(初回)対象(時間要件は満たすが継続性確認要)
有期雇用(契約社員)40時間1年以上継続対象
アルバイト15時間2年継続対象外(時間要件不足)
アルバイト32時間3ヶ月対象外(期間要件不足)

実務上の注意点:対象者漏れを防ぐ3つのチェック

1. 所定労働時間は「契約上」で判断する

実際の出勤時間(残業込みの実働時間)ではなく、所定労働時間(契約書・就業規則上の時間)で判断します。「いつも残業して35時間になっているが所定は25時間」という場合は時間要件を満たさず対象外です。一方、所定は30時間あるが欠勤が多い場合でも、所定時間が基準なので対象になります。

2. 「同種の業務に従事する通常の労働者」の特定

正社員でも職種によって所定労働時間が異なる事業場では、比較対象となる「同種業務の通常の労働者」を正確に特定する必要があります。例えば営業職は40時間、製造現場勤務は36時間という場合、パートタイムが従事する職種に合わせた比較をします。職種が混在する場合は、衛生委員会で判断基準を事前に審議・記録しておくことを推奨します。

3. 有期雇用の「更新予定」は証拠を残す

「更新予定が1年以上あった」という判断は事後的な証明が難しいケースがあります。雇用継続の見込みを労務管理システムや雇用通知書で記録し、実施前の対象者確定時の判断根拠を保存しておくことを推奨します。「更新上限なし」や「反復更新実績あり」の場合は対象になる可能性が高いです。

対象外になるパターン

以下に該当する場合は、原則としてストレスチェックの実施義務対象外です(ただし事業者が任意で実施することは可能であり、推奨されます):

  • 週の所定労働時間が通常の労働者の4分の3未満(短時間パート・週数時間のみ)
  • 契約期間が1年未満で、更新予定も1年未満の短期アルバイト・季節的雇用
  • 業務委託・請負契約(労働者ではないため対象外)
  • 派遣労働者(派遣先企業では対象外。派遣元が実施義務を負う)

対象者管理の実務フロー

毎年ストレスチェックを実施する前に、以下の手順で対象者を確定させてください:

  1. 人事・労務システムから全労働者の「雇用形態」「週の所定労働時間」「雇用開始日・契約更新日・雇用終了予定日」を抽出する
  2. 正社員の週の所定労働時間を職種ごとに確認し、その4分の3の基準時間を計算する
  3. 週の所定労働時間が基準時間以上かつ1年以上継続使用(またはその予定)の労働者を抽出する
  4. 派遣社員(派遣元が実施するため除外)・業務委託を対象から除外する
  5. 確定した対象者リストを衛生委員会に諮り、実施計画書に記載する
  6. 外部委託する場合は対象者リストを実施機関に提供する

対象外労働者への任意実施について

労働安全衛生法はストレスチェックの対象者を絞っていますが、事業者が任意で対象外の労働者(短時間パート等)に実施することは認められています。特に小売・飲食・介護などパートタイム比率の高い業種では、対象外労働者を含めた全員実施が職場全体の健康把握につながるとして推奨されることもあります。任意実施の場合も、個人情報の取り扱いや実施者の選定は義務実施と同様のルールに従ってください。

よくある質問
パートタイム社員はストレスチェックの対象になりますか?
パートタイム社員も一定の条件を満たせばストレスチェックの対象になります。対象となる条件は(1)週の所定労働時間が通常の労働者(正社員等)の週の所定労働時間の4分の3以上であること、かつ(2)期間の定めのない契約または1年以上の使用実績もしくは予定があること、の2点をいずれも満たす場合です(厚生労働省ストレスチェック制度関係Q&A)。
「通常の労働者の週の所定労働時間の4分の3」とは何時間ですか?
一般的に正社員の週の所定労働時間が40時間の事業場では、その4分の3は30時間です。例えば週30時間以上働くパートタイマーは、契約期間の要件も満たせば対象になります。なお事業場によって正社員の所定労働時間が異なる場合(例:週35時間)は、その4分の3(26.25時間以上)で判断してください。
有期雇用(契約社員)の場合、何年目から対象になりますか?
有期雇用社員が対象になる「契約期間」の条件は以下のいずれかです。(1)最初から1年以上の契約を締結している、(2)更新を繰り返して1年以上使用されることが予定されている、(3)すでに1年以上継続して使用されている。つまり初回契約が6ヶ月で始まった場合でも、更新を重ねて通算1年以上になれば対象になります。労働時間要件(4分の3以上)もあわせて確認してください。
アルバイトはストレスチェックの対象外ですか?
必ずしも対象外ではありません。週の所定労働時間が正社員の4分の3以上かつ1年以上継続使用の2要件を満たすアルバイトは対象になります。一方、週に数時間のみ働く短時間アルバイトや、数ヶ月の短期アルバイトは通常対象外です。雇用形態の名称ではなく、実際の労働時間と継続使用期間で判断してください。
対象者かどうかを実務でどう確認すればよいですか?
実務では(1)勤怠・労務システムから「週の所定労働時間」と「通算勤続期間」を抽出し、(2)正社員の所定労働時間の4分の3以上かつ1年以上の2点で自動または手動でフィルタリングします。判定基準をExcelや人事システムに組み込んでおくと漏れを防げます。対象者リストは実施前に確定させ、実施機関(外部委託の場合)に提供してください。

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