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健康経営

ストレスチェックと定期健康診断を同時期に実施する際のポイント|スケジュール調整・結果管理の注意点

2026年6月22日 約4分で読めます

この記事のポイント

  • ストレスチェックと定期健康診断は「同じタイミングで、別制度として実施」するのが実務の基本
  • 結果は制度ごとに完全分離。健診担当者にストレスチェック結果を渡してはならない
  • スケジュール統合で従業員の受検負担を減らせるが、同意書・実施者・管理システムは別々に用意する

ストレスチェックと定期健康診断は「同時期実施」が可能か?

多くの企業から「定期健康診断の時期に合わせてストレスチェックを実施したい」という声があります。結論から言えば、同じ時期に実施することは可能です。ただし「同時実施」とは「同じタイミングで、別制度として運用する」ことを意味します。

ストレスチェックは労働安全衛生法第66条の10、定期健康診断は同法第66条にそれぞれ根拠を持つ別々の制度です。法律上の目的・実施義務・結果の取り扱いがすべて異なるため、「一緒に1つのフォームで済ませる」ことはできません。

項目ストレスチェック定期健康診断
根拠法労安衛法第66条の10労安衛法第66条
義務対象常時50人以上(2028年度より全事業場方針)すべての事業場・規模問わず
結果の会社への開示本人の同意がない限り不可事業者に報告義務あり
実施者医師・保健師・歯科医師・看護師・精神保健福祉士・公認心理師医師(一部検査は省略可)
行政報告50人以上は労基署へ報告(e-Gov電子申請・2025年1月義務化)定期健康診断結果報告書(e-Gov電子申請・2025年1月義務化)

同じ時期に実施する3つのメリット

1. 従業員の受検負担を集約できる

健康診断の会場に来た機会に、同日または同じ時期にストレスチェックの案内を出すことで、従業員は「健康管理の時期」として一括して認識しやすくなります。受検率の向上にもつながります。

2. 人事・総務の管理工数が減る

スケジュール調整・案内メール・督促フローを1つのサイクルでまとめることで、担当者の管理コストを削減できます。

3. 集団分析と健診データの活用

ストレスチェックの集団分析結果と、定期健康診断の有所見率を同じ時期に集めることで、衛生委員会での産業保健施策の立案に活用しやすくなります(ただし、個人の結果を紐付けることは同意なく行ってはなりません)。

同時期実施の3つの注意点

注意点1: 結果の管理は必ず分離する

最も重要な注意点です。ストレスチェックの結果は、本人の同意がなければ事業者(人事・上司)は閲覧できません。一方、健康診断の結果は事業者が把握して職場環境改善に使うことが前提です。

健診を委託した機関やクリニックの担当者がストレスチェックの実施者を兼ねる場合でも、それぞれの結果の管理システム・保管場所・アクセス権限は完全に分ける必要があります。

実務では「健診結果とストレスチェック結果を同じExcelで管理している」というケースが時々見られますが、これは情報漏えい・不利益取扱いのリスクにつながります。必ず別システム・別フォルダで管理しましょう。

注意点2: 実施者と同意書は別途必要

定期健康診断は医師が実施者として主体となりますが、ストレスチェックの実施者は医師に限らず、保健師・歯科医師・看護師・精神保健福祉士・公認心理師も担えます。

また、ストレスチェックでは「結果を事業者に提供することへの同意書」が別途必要です。健診の受診申込書や問診票とは別に、ストレスチェック専用の同意書(または同意確認フロー)を設けてください。

注意点3: 健診のタイミングが分散している場合は要注意

定期健康診断を誕生月ごとに個別実施している事業場では、全員が同じ月に受診しません。ストレスチェックは「全従業員について同時期に実施することが望ましい」(厚生労働省指針)とされているため、健診のタイミングに合わせてストレスチェックも分散実施する場合は、集団分析の対象期間設定に注意が必要です。

推奨スケジュールの組み方

以下は年1回、6月実施の例です。

時期タスク担当
4月衛生委員会で年間計画を策定。健診・ストレスチェックの実施時期・委託先を確認人事・衛生委員会
5月上旬健診委託先・ストレスチェック実施機関(または実施者)へ正式発注。同意書・案内文書の準備人事
5月中旬従業員へ健診・ストレスチェック両方の案内通知を送付人事
6月健診実施(会場または外部機関)。ストレスチェックはWebシステムで並行受検従業員・実施者
7月ストレスチェック結果確定・本人通知。高ストレス者への面接指導案内実施者・人事
8〜9月ストレスチェック集団分析結果・健診有所見率を衛生委員会で共有・改善計画策定産業医・衛生委員会
12月まで労基署への結果報告(e-Gov電子申請。50人以上対象)人事

外部委託先を選ぶ際のポイント

健診とストレスチェックを同一機関に委託すると管理がシンプルになりますが、以下の点を確認してください。

  • 結果の分離保管: 同一機関でも、健診結果とストレスチェック結果を分離して管理するシステムがあるか
  • 実施者資格: ストレスチェックの実施者要件(医師・保健師・歯科医師・看護師・精神保健福祉士・公認心理師のいずれか)を満たしているか
  • 個人情報保護: 要配慮個人情報の取り扱い方針(プライバシーマーク・ISO27001等)を確認する
  • 集団分析の提供: 10人以上の部署・グループへの集団分析レポートが含まれるか

まとめ

ストレスチェックと定期健康診断の同時期実施は、従業員負担の軽減・管理効率化の観点から合理的な選択です。ただし「同時実施=一体化」ではなく、「同じタイミングで、別制度として並行実施」であることが大前提です。

結果管理の分離・実施者・同意書の3点を正しく設計することで、法令に準拠しながら効率的な産業保健活動が実現できます。外部委託先の選定や体制構築についてお困りの場合は、FUNBREWにご相談ください。

よくある質問
ストレスチェックと定期健康診断を同じ日に実施することはできますか?
同じ日に実施することは可能ですが、それぞれ別の制度として別々に運用する必要があります。受検フォーム・実施者・結果管理システムはすべて分離してください。健診の担当医やスタッフがストレスチェックの実施者を兼ねる場合でも、結果の管理は別々に行います。
ストレスチェックの結果を健康診断の担当医に渡してもいいですか?
本人の同意がない限り、ストレスチェックの結果を事業者や第三者に渡すことはできません。健診担当医が実施者でない場合、その医師にストレスチェック結果を共有することも原則禁止です。実施者のみが結果にアクセスできる体制を構築してください。
誕生月ごとに健診を実施している場合、ストレスチェックも誕生月ごとに行ってもいいですか?
法律上の禁止事項ではありませんが、厚生労働省の指針では「全従業員について同時期に実施することが望ましい」とされています。分散実施の場合は集団分析の対象期間をどう設定するかを事前に決め、衛生委員会で確認しておくことが重要です。
健診とストレスチェックを同一の外部機関に委託できますか?
同一機関への委託は可能です。ただし「結果の分離管理ができるか」「ストレスチェックの実施者資格を持つスタッフがいるか」「個人情報の取り扱い方針が明確か」の3点を事前に確認してください。契約書に機能ごとの責任範囲を明記することをお勧めします。
e-Gov電子申請は健診とストレスチェックで別々に行う必要がありますか?
はい、別々に申請します。定期健康診断結果報告書とストレスチェック結果報告書(様式6号の2)はそれぞれ独立した届出で、どちらも2025年1月1日以降e-Gov電子申請が原則義務化されています(常時50人以上の事業場)。
ストレスチェックの実施者は健診担当の医師と同じでも問題ありませんか?
問題ありません。産業医や健診担当医がストレスチェックの実施者を兼ねることは可能です。ただし、産業医が「実施者」と「事業者の相談役」を兼ねる場合、利益相反が生じないよう結果の取り扱いルールを明確にしておく必要があります。

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