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ストレスチェック

ストレスチェック集団分析と行政報告の完全ガイド|報告書の書き方・提出期限・外部公表のルール

2026年6月20日 約4分で読めます

この記事のポイント

  • 集団分析は「努力義務」、行政報告は50人以上で「義務」——2つの違いを正確に把握する
  • 2025年1月から50人以上の事業場はe-Gov電子申請が原則義務化された
  • 集団分析結果の外部公表は任意だが、10人未満グループは個人特定リスクへの配慮が必要

集団分析と行政報告は「別の義務」

ストレスチェック担当者が混同しやすい点として、集団分析(努力義務)行政報告(50人以上は義務)は根拠が異なる2つの制度です。

  • 集団分析:労働安全衛生法第66条の10に基づく努力義務。実施することが望ましいが、しなくても直ちに罰則はない
  • 行政報告:常時50人以上の労働者を使用する事業場は、年1回以内ごとに「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」を所轄労働基準監督署長に提出する義務がある

この2点を正確に理解した上で、自社の対応を整理しましょう。

集団分析とは何か

集団分析とは、個人のストレスチェック結果を部署・職種・年齢層などの属性でグループ化し、職場単位のストレス傾向を把握する分析です。

集団分析のポイント

  • 10人以上の集団が原則。10人を下回る場合は個人が特定される恐れがあるため、全員の同意を得た場合にのみ実施できる
  • 分析結果は事業者に提供可能(個人結果とは異なり、本人同意が不要)
  • 衛生委員会への報告・職場環境改善への活用が推奨されているが、いずれも義務ではない
集団分析を実施しても「何もしない」ではもったいないです。衛生委員会で共有し、職場環境改善計画に紐付けることで初めて意味を持ちます。義務ではありませんが、義務化拡大を見据えた2028年以降の体制構築の一環として早めに始めることをお勧めします。

行政報告の義務(50人以上の事業場)

報告が必要な事業場

常時50人以上の労働者を使用する事業場が対象です。ストレスチェックを実施したかどうかにかかわらず、毎年報告が必要です(実施しなかった場合もその旨を報告します)。

報告書の正式名称と様式

報告書の正式名称は「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書(様式第6号の2)」です。厚生労働省のWebサイトからダウンロードできます。

2025年1月から原則電子申請に

2025年1月1日より、50人以上事業場のストレスチェック結果報告書はe-Gov(電子政府総合窓口)による電子申請が原則義務化されました。ただし、電子申請が困難な場合は当面の間、書面による提出も認められています。

申請方法2025年1月以前2025年1月以降
e-Gov電子申請任意原則義務
書面(窓口・郵送)電子申請困難な場合のみ

提出期限

ストレスチェック実施期間が終了した後、1年以内ごとに1回提出します。定期健康診断結果報告書と同様に、実施完了後から次の実施完了まで1年以内に提出するのが原則です。

報告しなかった場合の罰則

提出しなかった場合、労働基準監督署から指導を受ける可能性があります。指導後も対応しない場合は、50万円以下の罰金が科される可能性があります(労働安全衛生法第120条)。

様式第6号の2の主な記載項目

  • 事業場の名称・所在地・業種・労働者数
  • ストレスチェック実施年月
  • 実施者氏名・実施機関名
  • 実施者の職種(医師・保健師・歯科医師・看護師・精神保健福祉士・公認心理師の別)
  • 受検者数・高ストレス者数
  • 面接指導実施人数
  • 集団分析の実施有無

集団分析結果の外部公表に関するルール

外部公表は「任意」

集団分析の結果を自社ウェブサイトや統合報告書等で外部に公表することは企業の任意です。近年は「健康経営」「人的資本経営」の加速を受けて公表する企業が増えています。

外部公表時の注意点

  • 個人が特定できる形での公表は禁止:特に少人数部署のデータは個人特定リスクがある
  • 集団分析の結果は事業者への提供が可能だが、個人の結果は本人の同意なしに外部に開示できない
  • 公表の粒度は「全社平均」「大部門別」程度に留め、10人未満グループは非開示とすることが推奨される

人的資本情報開示との連携

2023年3月から上場企業は有価証券報告書での人的資本情報開示が義務化されました。集団分析の結果は「従業員の健康・安全」に関する開示情報として活用できます。開示する場合は、複数年の推移データを示すとより説得力が高まります。

50人未満の事業場(現在の努力義務対象)

現時点(2026年)では、50人未満の事業場に行政報告義務はありません。ただし、2028年4月1日施行の方針(改正労働安全衛生法、令和7年法律第33号、令和7年5月14日公布)により、段階的に義務化対象が拡大する見込みです。義務化後は報告義務が発生する可能性があるため、今から集団分析・報告書作成の体制を整えておくことが推奨されます。

まとめ:担当者が押さえるべき3つのポイント

  1. 集団分析は努力義務・行政報告は50人以上で義務の違いを正確に把握する
  2. 2025年1月からe-Gov電子申請が原則。e-Govアカウントの準備を早めに行う
  3. 集団分析結果の外部公表は任意だが、個人特定リスクへの配慮が必要
よくある質問
集団分析は義務ですか?しなければ罰則はありますか?
集団分析は「努力義務」であり、しなくても直ちに罰則はありません。ただし、労働安全衛生法第66条の10に基づき、実施することが望ましいとされています。2028年の義務化拡大以降は報告書の項目として問われる可能性もあるため、今から体制を整えておくことをお勧めします。
行政報告は誰に提出しますか?提出先はどこですか?
事業場の所轄労働基準監督署長に提出します。2025年1月1日からはe-Gov(電子政府総合窓口)による電子申請が原則義務化されています。e-Gov電子申請が困難な場合は、当面の間は書面(窓口または郵送)による提出も認められています。
ストレスチェックの行政報告の提出期限はいつですか?
ストレスチェック実施完了から1年以内ごとに1回が提出期限です。例えば毎年12月末にストレスチェックを実施した場合、翌年12月末までに報告書を提出する必要があります。定期健康診断の結果報告書と合わせて提出する事業場も多いです。
集団分析で10人未満の部署はどう扱えばよいですか?
10人未満の集団では個人が特定される恐れがあるため、原則として集団分析の対象外とします。ただし、対象グループ全員の同意が得られた場合に限り、10人未満でも分析・報告が可能です。外部公表する場合も同様に、10人未満グループのデータは非公表とすることが推奨されます。
集団分析の結果を衛生委員会で報告する義務はありますか?
義務ではありませんが、厚生労働省のガイドラインでは集団分析の結果を衛生委員会等で共有し、職場環境改善計画に活用することが推奨されています。衛生委員会への報告を通じて、職場全体でのメンタルヘルス対策を進めることが集団分析の最大の目的です。
50人未満の事業場は行政報告しなくてよいですか?
現時点(2026年)では、50人未満の事業場に行政報告義務はありません。ただし、2028年4月1日施行の方針(改正労働安全衛生法、令和7年法律第33号)により義務化対象が拡大する見込みです。義務化後は報告義務が発生する可能性があるため、今から報告書作成の手順を確認しておくことを推奨します。
集団分析の結果を自社ウェブサイトで公表してもよいですか?
任意で公表することは可能ですが、個人が特定できる形での開示は禁止されています。公表する場合は「全社平均」や「大部門別」の粒度に留め、10人未満のグループは非公表とすることが個人情報保護の観点から推奨されます。健康経営や人的資本情報開示の一環として活用する場合は、複数年の推移データを示すと説得力が高まります。

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