この記事のポイント
- ストレスチェック同意書の取得タイミングは「個人結果通知後」が原則
- 同意は任意。拒否した従業員への不利益扱いは法律で禁止
- 同意書の保管義務は5年間(労働安全衛生規則第52条の18)
- Web・電子での同意取得は有効だが、結果確認後に別ページで取得する設計が推奨
ストレスチェック同意書とは何か
ストレスチェックで高ストレス者と判定された従業員が医師の面接指導を受けるためには、まずその個人結果を会社(事業者)に提供することへの本人同意が必要です。この同意を記録するのが「結果提供同意書」です。
ストレスチェックの個人結果は「本人」と「実施者(医師・保健師等)」にしか開示されません。会社側に提供するには、従業員本人の明示的な同意が法律(労働安全衛生法第66条の10)で義務づけられています。同意を得ずに個人結果を閲覧した場合は個人情報保護法・安衛法違反となる可能性があります。
この同意書の手続きを適切に行うことで、会社は高ストレス者に対して面接指導の機会を提供し、メンタルヘルス不調による休職・離職を予防できます。また、安全配慮義務を果たした証拠にもなります。
同意書を取得するタイミング
同意取得のタイミングには明確なルールがあります。
- 正しいタイミング:ストレスチェックの個人結果が本人に通知された「後」
- 禁止されているタイミング:ストレスチェックの実施前・実施中・回答提出時
実施前や回答と同時に同意を取得すると、事実上の強制となり安衛法違反になる可能性があります。「結果を見た上で、提供するかどうかを自分で判断する」という手順が重要です。
クラウド型ストレスチェックシステムでは、「結果表示ページ」と「同意取得ページ」を別々に設計することで、法的な手順を守ることができます。
同意書に記載すべき項目
厚生労働省のガイドラインを踏まえて、同意書には以下の項目を含めることが推奨されます。
| 記載項目 | 内容 |
|---|---|
| 同意の対象 | 「自分のストレスチェック結果を事業者に提供することに同意する」旨 |
| 提供先 | 会社名(事業者名) |
| 利用目的 | 面接指導・職場環境改善のため |
| 任意性の明示 | 同意は任意であり、拒否しても不利益を受けない旨 |
| 本人署名・日付 | 自筆署名または電子署名 |
同意書の文例テンプレート
以下は厚生労働省のマニュアルを参考にした同意書の記載例です。自社の規程に合わせてカスタマイズしてご利用ください。
【ストレスチェック結果提供に関する同意書(例)】
私は、令和○年○月○日に実施されたストレスチェックの結果について、下記のとおり事業者への提供に同意します(または同意しません)。
□ 同意する □ 同意しない
提供先:(会社名)
利用目的:面接指導の実施および職場環境改善のため
※この同意は任意であり、同意しなくても不利益な取り扱いはされません。氏名:_______________ 日付:令和○年○月○日
紙で運用する場合は、各従業員へ個別に配布し回収します。Web・システムで運用する場合は電子的な同意が可能です。
Web・クラウドシステムで同意を取得する方法
クラウド型ストレスチェックシステムを利用している場合、Web画面上で同意ボタンを押す形での電子同意が可能です。ただし以下の点に注意が必要です。
- 結果通知ページで「確認しました」と同時に同意させる設計は望ましくない(結果を確認する前に同意になってしまう恐れ)
- 同意画面は結果確認後の別ページとして設けること
- 同意・非同意の記録(ログ)を5年間保存すること
- 同意撤回の手順も設けておくことが望ましい
従業員が同意を拒否した場合の対応
同意は任意のため、拒否されることがあります。拒否された場合の正しい対応は以下の通りです。
1. 拒否した従業員に不利益扱いをしない
「同意しないと評価に影響する」「同意しない人は面談必須」などは法律違反になる可能性があります。拒否を理由とした不利益扱いは厳禁です。また、同意を事実上強制したり、拒否した者に圧力をかけたりする行為は、パワーハラスメントと認定されるリスクもあります。
2. 面接指導の機会を案内する
高ストレス判定を受けた従業員本人が「自ら面接指導を申し出る」ことは可能です。会社に結果を提供しない場合でも、本人が直接医師に面接を申し込める窓口(産業医・外部相談窓口など)を案内しましょう。
3. 集団分析には活用する
個人結果を会社に提供しなくても、集団分析(職場全体の傾向把握)は実施者が行えます。部署単位の傾向把握には引き続き活用できます。
同意書の保管期間
ストレスチェック関連の書類(同意書・面接指導の記録など)は、5年間の保存が義務です(労働安全衛生規則第52条の18)。電子保存する場合は改ざんできないシステムでの管理が求められます。
なお、保管方法としては紙・電子いずれも認められていますが、必要な時に速やかに取り出せる状態を維持することが重要です。担当者変更時にも引き継ぎができるよう、保管場所・フォルダ構成を社内で統一しておきましょう。
まとめ
ストレスチェックの同意書は、従業員のプライバシーを守りながら適切に高ストレス者支援を進めるための重要な書類です。
- 取得タイミングは「結果通知後」が原則
- 同意は任意。拒否しても不利益扱いは禁止
- Web同意の場合は「確認後に別ページで取得」する設計が推奨
- 保管期間は5年間(労働安全衛生規則第52条の18)
令和7年(2025年)5月に改正労働安全衛生法が公布され、50人未満の事業場へのストレスチェック義務化が決定しました(施行日は公布後3年以内に政令で定める日)。初めてストレスチェックを実施する企業でも同意書の取り扱いを正しく理解しておくことが重要です。FUNBREWではストレスチェックシステムの構築から運用サポートまで対応しています。
この記事をシェア