記事一覧に戻る
ストレスチェック

ストレスチェック同意書の書き方ガイド|結果提供同意・拒否対応・テンプレート付き

2026年5月12日 約5分で読めます

この記事のポイント

  • ストレスチェック同意書の取得タイミングは「個人結果通知後」が原則
  • 同意は任意。拒否した従業員への不利益扱いは法律で禁止
  • 同意書の保管義務は5年間(労働安全衛生規則第52条の18)
  • Web・電子での同意取得は有効だが、結果確認後に別ページで取得する設計が推奨

ストレスチェック同意書とは何か

ストレスチェックで高ストレス者と判定された従業員が医師の面接指導を受けるためには、まずその個人結果を会社(事業者)に提供することへの本人同意が必要です。この同意を記録するのが「結果提供同意書」です。

ストレスチェックの個人結果は「本人」と「実施者(医師・保健師等)」にしか開示されません。会社側に提供するには、従業員本人の明示的な同意が法律(労働安全衛生法第66条の10)で義務づけられています。同意を得ずに個人結果を閲覧した場合は個人情報保護法・安衛法違反となる可能性があります。

この同意書の手続きを適切に行うことで、会社は高ストレス者に対して面接指導の機会を提供し、メンタルヘルス不調による休職・離職を予防できます。また、安全配慮義務を果たした証拠にもなります。

同意書は「提出を強制する」ものではありません。提出しなかった従業員に対して人事評価を下げるなど不利益な扱いをすることは法律で禁止されています。同意取得の目的は「支援につなげること」であり、強制ではありません。

同意書を取得するタイミング

同意取得のタイミングには明確なルールがあります。

  • 正しいタイミング:ストレスチェックの個人結果が本人に通知された「後」
  • 禁止されているタイミング:ストレスチェックの実施前・実施中・回答提出時

実施前や回答と同時に同意を取得すると、事実上の強制となり安衛法違反になる可能性があります。「結果を見た上で、提供するかどうかを自分で判断する」という手順が重要です。

クラウド型ストレスチェックシステムでは、「結果表示ページ」と「同意取得ページ」を別々に設計することで、法的な手順を守ることができます。

同意書に記載すべき項目

厚生労働省のガイドラインを踏まえて、同意書には以下の項目を含めることが推奨されます。

記載項目内容
同意の対象「自分のストレスチェック結果を事業者に提供することに同意する」旨
提供先会社名(事業者名)
利用目的面接指導・職場環境改善のため
任意性の明示同意は任意であり、拒否しても不利益を受けない旨
本人署名・日付自筆署名または電子署名

同意書の文例テンプレート

以下は厚生労働省のマニュアルを参考にした同意書の記載例です。自社の規程に合わせてカスタマイズしてご利用ください。

【ストレスチェック結果提供に関する同意書(例)】

私は、令和○年○月○日に実施されたストレスチェックの結果について、下記のとおり事業者への提供に同意します(または同意しません)。

□ 同意する □ 同意しない

提供先:(会社名)
利用目的:面接指導の実施および職場環境改善のため
※この同意は任意であり、同意しなくても不利益な取り扱いはされません。

氏名:_______________ 日付:令和○年○月○日

紙で運用する場合は、各従業員へ個別に配布し回収します。Web・システムで運用する場合は電子的な同意が可能です。

Web・クラウドシステムで同意を取得する方法

クラウド型ストレスチェックシステムを利用している場合、Web画面上で同意ボタンを押す形での電子同意が可能です。ただし以下の点に注意が必要です。

  • 結果通知ページで「確認しました」と同時に同意させる設計は望ましくない(結果を確認する前に同意になってしまう恐れ)
  • 同意画面は結果確認後の別ページとして設けること
  • 同意・非同意の記録(ログ)を5年間保存すること
  • 同意撤回の手順も設けておくことが望ましい

従業員が同意を拒否した場合の対応

同意は任意のため、拒否されることがあります。拒否された場合の正しい対応は以下の通りです。

1. 拒否した従業員に不利益扱いをしない

「同意しないと評価に影響する」「同意しない人は面談必須」などは法律違反になる可能性があります。拒否を理由とした不利益扱いは厳禁です。また、同意を事実上強制したり、拒否した者に圧力をかけたりする行為は、パワーハラスメントと認定されるリスクもあります。

2. 面接指導の機会を案内する

高ストレス判定を受けた従業員本人が「自ら面接指導を申し出る」ことは可能です。会社に結果を提供しない場合でも、本人が直接医師に面接を申し込める窓口(産業医・外部相談窓口など)を案内しましょう。

3. 集団分析には活用する

個人結果を会社に提供しなくても、集団分析(職場全体の傾向把握)は実施者が行えます。部署単位の傾向把握には引き続き活用できます。

同意書の保管期間

ストレスチェック関連の書類(同意書・面接指導の記録など)は、5年間の保存が義務です(労働安全衛生規則第52条の18)。電子保存する場合は改ざんできないシステムでの管理が求められます。

なお、保管方法としては紙・電子いずれも認められていますが、必要な時に速やかに取り出せる状態を維持することが重要です。担当者変更時にも引き継ぎができるよう、保管場所・フォルダ構成を社内で統一しておきましょう。

まとめ

ストレスチェックの同意書は、従業員のプライバシーを守りながら適切に高ストレス者支援を進めるための重要な書類です。

  • 取得タイミングは「結果通知後」が原則
  • 同意は任意。拒否しても不利益扱いは禁止
  • Web同意の場合は「確認後に別ページで取得」する設計が推奨
  • 保管期間は5年間(労働安全衛生規則第52条の18)

令和7年(2025年)5月に改正労働安全衛生法が公布され、50人未満の事業場へのストレスチェック義務化が決定しました(施行日は公布後3年以内に政令で定める日)。初めてストレスチェックを実施する企業でも同意書の取り扱いを正しく理解しておくことが重要です。FUNBREWではストレスチェックシステムの構築から運用サポートまで対応しています。

よくある質問
ストレスチェックの同意書はいつ取得するのが正しいですか?
個人結果が本人に通知された「後」に取得することが正しいタイミングです。実施前・実施中・回答と同時の同意取得は、事実上の強制となり安衛法違反になる可能性があります。
従業員がストレスチェック結果の提供に同意しない場合、会社はどうすべきですか?
拒否した従業員に対して不利益な扱いをすることは法律で禁止されています。拒否を理由に評価を下げたり、特別な面談を強制したりすることは禁止です。一方で、本人が自ら面接指導を申し出る窓口の案内は続けることが重要です。
同意書はメール・Web画面での電子取得でも有効ですか?
有効です。ただし、結果を確認した後で「別のページ」で取得する設計が重要です。結果表示ページと同時に同意ボタンを押させる設計は、結果を確認する前に同意になってしまう恐れがあり推奨されません。
ストレスチェック同意書の保管期間は何年ですか?
5年間の保存が義務です(労働安全衛生規則第52条の18)。紙・電子どちらでも保存可能ですが、電子保存の場合は改ざんができないシステムでの管理が求められます。
同意書に必ず記載しなければならない項目はありますか?
厚生労働省のガイドラインでは、①同意の対象(結果を事業者に提供すること)、②提供先(会社名)、③利用目的、④任意性の明示(拒否しても不利益を受けないこと)、⑤本人署名・日付を含めることが推奨されています。
同意書を取得しないと何か問題がありますか?
会社が個人のストレスチェック結果を閲覧することは、本人の同意なしには法律で禁止されています。同意なしに結果を確認した場合、個人情報保護法・労働安全衛生法違反となる可能性があります。高ストレス者支援のためにも、適切な手順で同意取得を行うことが重要です。

この記事をシェア

ストレスチェック運用でお困りですか?

同意書管理・集計・報告書作成まで一括対応するシステム構築を支援します。まずはお気軽にご相談ください。

最新情報をお届けします

IT活用のヒントやお役立ち情報を定期的にお届けします。

あわせて読みたい

「ストレスチェック・労務管理システム」に関連する記事です。

まとめ記事

【2026年義務化】ストレスチェック50人未満の企業が今すぐやるべき準備と対応ガイド

ストレスチェックで行政指導を受けたときの対応方法|是正勧告・改善報告書の書き方と再発防止

2026年5月11日

ストレスチェックの実施者・実施事務従事者の違いと選び方|資格要件・兼任の可否・外部委託の判断基準

2026年5月10日

ストレスチェック委託先の選び方|SaaS型・産業医・代行業者を費用と運用で徹底比較

2026年4月25日

ストレスチェック助成金まとめ【2026年最新】中小企業が使える4制度と申請手順

2026年4月25日

ストレスチェック57項目の質問とは?職業性ストレス簡易調査票の選び方ガイド

2026年4月25日
まとめ記事

【2026年義務化】ストレスチェック50人未満の企業が今すぐやるべき準備と対応ガイド

2026年3月28日

ストレスチェックと安全配慮義務|訴訟リスクを防ぐための企業対応

2026年3月22日

ストレスチェック未実施のリスクと罰則|労基署指導の実態と対応策

2026年3月22日

ストレスチェックのリアルタイムパルスサーベイ|年1回から継続的モニタリングへ

2026年3月22日

ストレスチェックシステムのAPI連携ガイド|人事・勤怠・健康管理との統合

2026年3月22日

AIを活用したストレスチェック分析|予測モデルと早期リスク検知の最前線

2026年3月22日

ストレスチェック年間スケジュールの立て方|実施から改善までのPDCAサイクル

2026年3月22日

ストレスチェックの多言語対応ガイド|外国人労働者への実施方法と注意点

2026年3月22日

管理職向けストレスマネジメント研修ガイド|ラインケアの実践方法

2026年3月22日

ストレスチェック結果を活用した職場環境改善計画の作り方

2026年3月22日

ストレスチェックの回答率を上げる方法|従業員の不安解消と効果的な周知戦略

2026年3月22日

金融・保険業界のストレスチェック対策|コンプライアンスと高負荷業務への対応

2026年3月22日

教育機関のストレスチェック対策|教職員の特有ストレスと改善アプローチ

2026年3月22日

介護・福祉業界のストレスチェック対策|人手不足環境での効果的な運用

2026年3月22日

小売・飲食業のストレスチェック対策|シフト制・パート従業員の実施方法

2026年3月22日

建設業のストレスチェック対策|現場作業員・多拠点管理の実務ガイド

2026年3月22日

ストレスチェック外注 vs 自社システム開発|費用・自由度・セキュリティで徹底比較

2026年3月22日

ストレスチェックにおける産業医との連携ガイド|役割分担と情報共有の実務

2026年3月21日

ストレスチェック労基署報告書の書き方|様式第6号の2 記入ガイド

2026年3月21日

ストレスチェック集団分析の読み方と数値の見方|健康リスク・部署別スコア・職場改善テンプレート

2026年3月21日

高ストレス者への面談対応マニュアル|判定基準から面談後フォローまで

2026年3月21日

ストレスチェックの個人情報保護ガイド|法的要件とデータ管理の実務

2026年3月21日

50人未満企業のストレスチェック努力義務化対応ガイド|低コスト導入と助成金活用

2026年3月21日

IT企業・リモートワーク環境のストレスチェック|在宅勤務者の回答率向上とオンライン面談の実践

2026年3月21日

医療機関のストレスチェック対策|職種別分析とバーンアウト予防の実践

2026年3月21日

製造業のストレスチェック対策|現場特有の課題と実践的な改善事例

2026年3月21日

【2026年版】ストレスチェック運用方式比較|外注・内製・ハイブリッドの完全ガイド

2026年3月21日

ストレスチェックの業務効率化|システム化で98%時間削減した実例と導入手順

2026年3月21日

失敗しないストレスチェック システムの選び方|7つの比較ポイントと導入手順【2026年版】

2026年3月21日

ストレスチェック システム開発の費用相場|規模別・機能別に徹底解説【2026年版】

2026年3月21日

EAP業界の競争激化で差別化が必要!独自システムの価値とは

2026年3月18日

他社サービス依存からの脱却〜EAP事業者のシステム内製化戦略

2026年3月18日
まとめ記事

EAP事業者がストレスチェック自社システムを持つべき3つの理由

2026年3月18日

ストレスチェックシステム移行完全ガイド|データ移行から運用開始まで

2026年3月17日

古いストレスチェックシステム5つの問題と解決法|老朽化システム刷新

2026年3月17日

ストレスチェックシステム開発|スクラッチ開発で実現する完全オーダーメイド

2026年3月17日

ストレスチェック制度とは?企業の義務と罰則を完全解説

2026年3月14日

ストレスチェックシステムの追加機能開発|よくある要望と実現方法

2026年3月14日

パッケージ vs スクラッチ開発|ストレスチェックシステムの最適解

2026年3月14日

既存ストレスチェックシステムの刷新ガイド|老朽化の判断基準と移行方法

2026年3月14日

【2026年版】ストレスチェック実施ガイド|義務化から効果的活用まで

2026年3月14日

関連記事

開発
2026年5月11日

ストレスチェックで行政指導を受けたときの対応方法|是正勧告・改善報告書の書き方と再発防止

ストレスチェックの未実施や報告義務違反で労働基準監督署から行政指導(是正勧告)を受けた場合の対処法を解説。改善報告書の書き方、再発防止体制の整備、指導後にやるべき優先順位を人事・総務担当者向けにわかりやすく説明します。

開発
2026年5月10日

ストレスチェックの実施者・実施事務従事者の違いと選び方|資格要件・兼任の可否・外部委託の判断基準

ストレスチェックには「実施者」と「実施事務従事者」の2つの役割があり、誰がなれるか・どこまで兼任できるかで担当者が混乱しがちです。医師・保健師・歯科医師・公認心理師などの資格要件から、兼任の可否、外部委託の判断基準まで実務担当者向けに解説します。

開発
2026年4月25日

ストレスチェック委託先の選び方|SaaS型・産業医・代行業者を費用と運用で徹底比較

ストレスチェックをどこに委託するか迷っている企業向けに、SaaS型ツール・産業医契約・代行業者の3類型を費用・機能・データ管理・プライバシーで比較。自社開発という第4の選択肢まで含めて解説します。

開発
2026年4月25日

ストレスチェック助成金まとめ【2026年最新】中小企業が使える4制度と申請手順

ストレスチェックの費用を助成金で抑えたい中小企業向けに、産業保健関係助成金・働き方改革推進支援助成金・エイジフレンドリー補助金・自治体独自支援の4制度と申請フローを2026年最新情報でまとめました。

相談のハードル、下げました

まずは気軽にご相談ください

「まだ具体的に決まっていない」「とりあえず話を聞きたい」でも大丈夫。プロトタイプを見ながら、一緒にアイデアを形にしていきましょう。

相談無料 オンライン対応 1週間でプロトタイプ