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労務管理

ストレスチェック実施前に社員から来る質問と人事担当者の回答例|よくある疑問・不安への対応マニュアル

2026年6月24日 約5分で読めます
この記事のポイント
  • 社員から実際に来る「受検しないとどうなる?」「結果は上司に見られる?」などの典型的な疑問を整理
  • 人事担当者がすぐに使える回答例・文例を法的根拠付きで解説
  • 回答時に注意すべき「言ってはいけない表現」も紹介
  • 新入社員・パート・派遣など雇用形態別の対応ポイントも収録

なぜ社員の質問への対応が重要なのか

ストレスチェックの受検率は、制度への信頼度と直結します。厚生労働省の令和5年度調査では受検率が75〜80%前後とされており、残りの20〜25%が「制度への不信感」や「プライバシーへの不安」を理由に受検していないケースが多いとされています。

人事担当者が正確な情報を伝え、社員の不安を解消することで受検率の向上につながります。

「社員からの質問に誤った情報を答えてしまうと、後で訂正が難しくなります。法的根拠を確認しながら、正確な回答を準備しておきましょう。」

プライバシー・個人情報に関する質問

Q. ストレスチェックの結果は上司や会社に見られますか?

回答例:「結果は実施者(医師・保健師など)から直接あなたに通知されます。あなたの同意なく会社(事業者)に提供されることはありません。これは労働安全衛生法第66条の10第2項で定められたルールです。」

上司・人事担当者が個人の結果を閲覧することは禁止されています。

Q. 高ストレスと判定されたら、会社に伝わってしまいますか?

回答例:「高ストレスと判定された場合でも、医師の面接指導を希望すると申し出た事実のみが確認されます。その申し出を理由として人事上の不利益を受けることも法律で禁止されています(労安衛法第66条の10第3項)。」

Q. アンケートの回答は誰が見るのですか?

回答例:「アンケートの回答データを見ることができるのは、資格を持つ実施者(医師・保健師・精神保健福祉士・看護師・歯科医師・公認心理師)だけです。人事担当者を含む会社側は、あなたの同意なく個々の回答を閲覧することはできません。」

受検義務・任意性に関する質問

Q. 受検しなかったらどうなりますか?

回答例:「ストレスチェックは労働者本人の受検義務は法定されていません。受検しないことを理由に不利益な取扱いをすることは禁止されています。ただし、事業者にはあなたの心身の健康を守る義務(安全配慮義務)がありますので、受検をお願いしています。」

注意:「受けないと評価に影響する」「義務なので必ず受けてください」は誤った表現です。

Q. ストレスチェックは任意ですか?必須ですか?

回答例:「事業者(会社)には実施義務がありますが、労働者に受検義務はありません。ただし、ストレスチェックはあなたご自身のメンタルヘルスの状態を把握するための制度です。ぜひご参加ください。」

Q. 結果が人事評価に影響しますか?

回答例:「いいえ、影響しません。ストレスチェックの結果や受検の有無が人事評価、昇進・昇格、配置転換の判断材料になることは法律で禁止されています。」

実施方法・操作に関する質問

Q. 回答に正直に答えなければいけませんか?

回答例:「ストレスチェックはあなた自身の状態を把握するための検査です。正直に回答していただくことで、より正確な結果が得られます。結果は会社ではなくあなた自身に通知されます。」

Q. 結果はどのように通知されますか?

回答例:「結果は実施者から直接あなたにメールまたは書面で通知されます。会社を経由して通知されることはありません。」

Q. スマートフォンで受検できますか?

これは使用するシステムによって異なります。「○○(使用システム名)ではスマートフォンのブラウザからアクセスして受検いただけます」など、システムの仕様に合わせて回答してください。

雇用形態・対象者に関する質問

Q. パートタイムの私も受けなければいけませんか?

回答例:「週の所定労働時間が正社員の4分の3以上で、かつ継続雇用期間が1年以上(または1年以上の継続雇用が見込まれる)場合は、対象となります。これに該当しない場合は任意となります。ご自身の雇用状況を人事部にご確認ください。」

Q. 入社したばかりですが、受ける必要がありますか?

回答例:「入社後の継続雇用期間が1年以上見込まれる方は対象となります。入社直後でも制度の対象であれば受検のご案内をしています。」

Q. 産休・育休中ですが対象になりますか?

産休・育休中の方は「在籍中」ではありますが、ストレスチェックの受検期間に出社・業務をしていないため、実施の判断は事業者の裁量となります。「実施期間中に業務を行っていない方は対象外となります」と案内するケースが一般的です。

面接指導(医師面談)に関する質問

Q. 高ストレスと判定されたら医師と面談しなければいけませんか?

回答例:「面接指導(医師面談)はあなたが希望した場合にのみ実施されます。会社から強制されることはありません。ただし、医師から適切なアドバイスを受けることで、早期に職場環境の改善につなげることができます。」

Q. 面接指導の内容は上司に伝わりますか?

回答例:「面接指導を担当した医師から事業者(会社)に対して意見を述べる場合がありますが、具体的な診断内容や相談内容が直接伝わることはありません。事業者に伝わる情報は「就業上の措置に必要な範囲」に限られます。」

集団分析に関する質問

Q. 部署の人数が少ないのですが、集団分析で個人が特定されませんか?

回答例:「集団分析は原則10人以上の集計データで行い、個人が特定されないよう処理されます。10人未満の部署については、集計単位の取り扱いを衛生委員会で審議しています。」

言ってはいけない表現・誤った対応

NGな表現正しい表現
「必ず受けてください(義務)」「受検をお願いしています」
「受けないと評価に影響します」「受検の有無は評価に影響しません」
「結果を確認します」「結果は実施者からあなたに直接通知されます」
「高ストレスの方はすぐに面談してください」「面接指導を希望される方は申し出てください」
よくある質問
ストレスチェックを受けないと法律違反になりますか?
労働者に受検義務はありません。労働安全衛生法第66条の10は事業者(会社)に実施義務を課していますが、労働者には受検義務の規定はありません。そのため、受検しないことを理由に労働者を処分することはできません。ただし、事業者には安全配慮義務(労働契約法第5条)があるため、受検を促すことは適切な対応です。
ストレスチェックの結果を上司や人事に見せることはできますか?
本人の同意なく、事業者(上司・人事を含む)に結果を提供することは禁止されています(労働安全衛生法第66条の10第2項)。本人が自発的に上司に結果を見せることは法的には制限されていませんが、実施者が本人の同意なく第三者に提供することは50万円以下の罰金の対象となります。
高ストレスと判定された場合、会社への面接指導申し出は強制ですか?
いいえ、強制ではありません。高ストレスと判定されても、医師の面接指導を受けるかどうかは労働者本人の意思によります。また、申し出たことを理由に不利益な取扱いをすることは法律で禁止されています(労安衛法第66条の10第3項)。会社は面接指導の申し出があった場合、1か月以内に医師の面接を設ける必要があります。
ストレスチェックの受検率を上げるためのコツはありますか?
主な施策は4点です。①受検前に「個人情報の保護と会社への不提供」を繰り返し伝える、②管理職も含めた全員受検を推奨しトップが率先して受検する、③受検期間を長めに設定してリマインド通知を行う、④未受検者への督促は「法律上の必須ではないが会社として推奨する旨」を強調し、プレッシャーを与えない文面にする。
入社1年未満の社員はストレスチェックの対象になりますか?
「継続して1年以上使用されることが見込まれる労働者」が対象です(安衛則第52条の9)。入社1年未満でも、採用形態として1年以上の継続雇用が見込まれる場合は対象となります。試用期間中の社員については、1年以上の雇用が見込まれるかどうかを基準に判断してください。

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