記事一覧に戻る
システム保守

社内にIT担当者がいない場合のシステム保守|中小企業が取るべき3つの対策と外注活用ガイド

2026年5月31日 約4分で読めます
この記事でわかること
  • IT担当者がいない中小企業のシステム保守が抱えるリスク
  • 外注・ベンダー保守・SaaS移行の3アプローチの特徴と費用感
  • 自社に合ったアプローチの選び方
  • 保守委託先を選ぶときの5つの確認ポイント
  • 最低限の社内体制と記録の整え方

「IT担当者がいない」状態でシステムを動かし続けるリスク

「担当者が退職してシステムのことがわかる人がいない」「もともと社内にエンジニアはおらず、開発を外注して作ったシステムを誰も保守できていない」。こうした状況を抱える中小企業は少なくありません。

IT担当者がいない状態でシステムを放置すると、以下のリスクが現実になります。

  • セキュリティの脆弱性:ソフトウェアのアップデートが止まると、既知の脆弱性を突かれるリスクが高まります
  • 障害時の対応遅延:誰が何をすべきかわからないため、システム停止が長引きます
  • コスト増大:放置期間が長いほど技術的負債が蓄積し、後からの修正コストが膨らみます
  • ベンダーへの過度な依存:最初に作った開発会社以外が手を出せない「属人化」状態になります
「動いているから問題ない」は保守の世界では通用しません。システムは時間の経過とともにリスクが蓄積します。IT担当者がいないなら、その事実を前提にした対策を早めに打つことが経営上の重要な判断です。

取るべき3つのアプローチ

アプローチ1:外部の保守会社に委託する

IT担当者がいない場合、最も現実的な選択肢は外部の保守専門会社への委託です。月額固定で保守を請け負う会社であれば、障害対応・セキュリティ更新・定期確認を一括して任せられます。

費用目安:月額3万〜20万円(システムの規模・対応範囲による)
向いている企業:社内に技術的な判断ができる人が誰もいない、障害対応を自社で抱えたくない企業

ポイントは「何もしない保守」ではなく「障害対応・定期確認・報告書提出」がセットになっている会社を選ぶことです。保守委託の注意点については 保守契約の落とし穴|7つのチェックリスト をご参照ください。

アプローチ2:システムを作った会社(ベンダー)に保守を続けてもらう

もともとシステムを開発した会社が保守も担当している場合、そのまま継続依頼するのが最もスムーズです。ベンダーはシステムの内部構造を把握しており、問題解決が速い反面、以下のデメリットがあります。

  • 価格交渉がしにくい(他社に移行しにくい構造になりやすい)
  • ベンダーが廃業・サービス終了した際のリスクが高い
  • 保守内容が「対応すれば良い」という受け身型になりやすい

ベンダー1社に全依存するリスクを軽減するため、ソースコードと仕様書の権利が自社にあるかを必ず確認してください。

アプローチ3:SaaS・クラウドサービスへ移行する

独自開発のシステムをSaaSに置き換えることで、保守の手間そのものをなくすことができます。特に、会計・勤怠・販売管理など汎用的な業務については有力な選択肢です。

向いている企業:業務プロセスが特殊でなく、市場のSaaSで代替可能な企業
注意点:移行コスト・データ移行・従業員の習熟時間が必要。独自機能があるシステムには向かない

SaaS移行の費用感は クラウド移行完全ガイド を参照してください。

保守委託先を選ぶときの5つの確認ポイント

外部委託するにあたって、以下の5点を必ず確認してください。

確認ポイントなぜ重要か
1. 対応範囲(障害対応・アップデート・報告書)「何もしない保守」を避けるため
2. 応答・対応時間(SLA)業務時間外障害への対応可否の確認
3. 技術スタックへの対応可否既存システムの言語・フレームワークに対応できるか
4. 契約解除・引き継ぎ条件乗り換えやすい構造かどうか
5. 月次報告書の有無保守の実績を可視化できるか

詳しい委託先の選び方は システム保守の費用相場と選び方 および 保守委託後の品質確認方法 をご参照ください。

社内で最低限整えておくべき記録

保守を外注する場合でも、発注者側として最低限の記録を整えることが重要です。IT担当者がいないからこそ、「誰が見ても状況がわかる」記録が必要になります。

  • システム構成図:どのサーバー・データベース・外部APIが動いているかを記録
  • ログイン情報管理:管理者アカウントやAPI接続情報をパスワードマネージャー等で安全に管理
  • 契約書・仕様書の保管場所:担当者が変わっても見つけられる場所に保管
  • 障害対応フロー:障害発生時に誰に連絡すれば良いかを書面化

ドキュメントがない状態の引き継ぎ事例は 仕様書なしのシステム保守引き継ぎ が参考になります。

IT担当者がいない企業ほど、「どうなっているかわからない」状態のまま問題が起きると経営への影響が大きくなります。まずは保守委託先を決め、月次報告書を受け取ることから始めるだけでも、リスクは大きく下がります。
よくある質問
IT担当者がいない状態でシステムを放置するとどうなりますか?
セキュリティ脆弱性の放置、障害発生時の対応遅延、技術的負債の蓄積という3つのリスクが高まります。特にソフトウェアのアップデートを怠ると、既知の脆弱性を突いた攻撃のリスクが上がります。
小規模な会社でも外部保守委託は利用できますか?
はい。月額固定型の保守サービスは月額3万円程度から存在します。ただし、費用の安さだけで選ぶと「障害発生時に都度追加費用が発生する」ケースがあるため、対応範囲と費用体系を必ず契約前に確認してください。
もともと作った開発会社(ベンダー)に保守を頼み続けるべきですか?
システムの内部を把握しているため障害対応は速いですが、ベンダー1社依存にはリスクがあります。最低限、ソースコードの権利が自社にあること、仕様書を保管していることを確認した上で継続するか判断してください。
IT担当者の代わりにSaaSを使うことはできますか?
汎用的な業務(会計・勤怠・販売管理など)であれば、SaaSへの移行で保守の手間をなくせる場合があります。ただし移行コストと、独自業務フローをSaaSで再現できるかの検証が必要です。
保守を外注した後、社内で何を管理すれば良いですか?
最低限、システム構成図・ログイン情報・契約書・障害対応フローの4点を整備してください。特にログイン情報は担当者が変わっても引き継げるよう、パスワードマネージャー等で一元管理することを推奨します。

この記事をシェア

IT担当者がいない企業のシステム保守をサポート

保守体制の整備から委託先の選定まで、FUNBREWが中小企業のシステム保守をサポートします。

最新情報をお届けします

IT活用のヒントやお役立ち情報を定期的にお届けします。

あわせて読みたい

「システム保守・運用」に関連する記事です。

まとめ記事

システム保守の費用相場と選び方|"守り"だけで終わらない攻めの保守運用ガイド【2026年版】

システム保守契約の更新・見直しガイド|更新タイミング・比較チェックリスト・乗り換え手順

2026年5月27日

システム保守の定期点検チェックリスト|月次・四半期・年次で確認すべき15項目

2026年5月26日

システム保守の月次報告書の読み方と確認ポイント|発注者が見るべき5つの数字

2026年5月22日

システム障害が起きたら発注者はどう動く?保守委託先へのエスカレーション手順と確認ポイント

2026年5月20日

保守委託後の品質確認方法|「本当に保守されているか」を発注者が確かめる5つのポイント

2026年5月18日

システム保守費用を下げる交渉術|見積もりの高い理由と発注者が使える5つの値下げ交渉法

2026年5月9日

VSCode SSH接続できない・使えなくなった時の解決方法【Windows/Mac対応】

2026年5月6日

24/365監視は本当に必要?費用感と業務影響度で判断する保守体制の選び方

2026年4月25日

クラウド移行で保守費用はどう変わる?AWS・GCP・Azureとオンプレ保守の費用構造比較

2026年4月25日

サーバー保守の料金相場と費用内訳|月額・年額・作業別に徹底解説【2026年版】

2026年4月16日

システム保守費用の計算方法|IPA基準15〜20%の根拠と業種別相場一覧

2026年4月14日

システム保守のコスト削減方法5選|品質を落とさず費用を最適化するコツ

2026年4月10日

システム保守の契約形態を比較|月額固定・従量制・ハイブリッドの違いと選び方

2026年4月10日

月額10万円からの保守サービスで何ができるか?FUNBREWのプラン解説

2026年4月9日

Laravel・WordPressの保守で気をつけるべきバージョン管理|EOL対応とアップデート戦略

2026年4月9日

システム保守と運用の違いとは?中小企業が知るべき基礎知識と外注のコツ

2026年4月9日

セキュリティアップデートを放置するとどうなる?実際の被害事例と今すぐできる対策

2026年4月9日

保守契約の落とし穴|「何もしてくれない」を防ぐ7つのチェックリスト

2026年4月9日

保守費用を開発投資に変える|「充填型保守」の仕組みと実例で見る投資対効果【2026年版】

2026年4月9日
まとめ記事

システム保守の費用相場と選び方|"守り"だけで終わらない攻めの保守運用ガイド【2026年版】

2026年3月1日

関連記事

開発
2026年5月27日

システム保守契約の更新・見直しガイド|更新タイミング・比較チェックリスト・乗り換え手順

システム保守契約の更新時期に何を確認すべきか、乗り換えの判断基準と手順を発注者向けに解説。契約満了の3〜6ヶ月前から動くべき理由と、比較・交渉のポイントをチェックリスト付きで紹介します。

開発
2026年5月26日

システム保守の定期点検チェックリスト|月次・四半期・年次で確認すべき15項目

システム保守を外注している発注者が「本当に保守されているか」を自分で確認するための定期点検チェックリスト。月次・四半期・年次のタイミングで確認すべき15項目を実務担当者向けに解説します。

システム運用
2026年5月22日

システム保守の月次報告書の読み方と確認ポイント|発注者が見るべき5つの数字

保守委託先から届く月次報告書、何を確認すればいいか迷っていませんか?稼働率・障害件数・対応時間・SLA達成率など、発注者が必ず確認すべき5つの指標と、「この数字はおかしい」と気づくための読み方を解説します。

開発
2026年5月20日

システム障害が起きたら発注者はどう動く?保守委託先へのエスカレーション手順と確認ポイント

システム障害が発生したとき、発注者側の担当者は何をどの順番で確認すればよいのか。保守委託先へのエスカレーション手順・初動確認・SLA照合・経営層への報告まで、発注者目線の障害対応フローを解説します。

相談のハードル、下げました

まずは気軽にご相談ください

「まだ具体的に決まっていない」「とりあえず話を聞きたい」でも大丈夫。プロトタイプを見ながら、一緒にアイデアを形にしていきましょう。

相談無料 オンライン対応 1週間でプロトタイプ