- システム保守委託先の仕事ぶりを発注者が確認するための定期点検チェックリストを紹介
- 月次(稼働率・障害・バックアップ)・四半期(セキュリティ更新・パフォーマンス)・年次(インフラ更新・SLA評価)の3段階で確認
- 技術的な知識がなくても使える、発注者目線のチェック項目15選
システム保守の定期点検が重要な理由
システム保守を外注した後、多くの発注者が「保守会社に任せているから大丈夫」と思い込んでいます。しかし実際には、保守会社が何をやっているかを定期的に確認しないと、問題が起きてから初めて気づく、という事態になりがちです。
本記事では、発注者が保守委託先の仕事ぶりを確認するための定期点検チェックリストを紹介します。技術的な知識がなくても確認できる項目を中心にまとめました。
月次で確認すべき5項目
毎月、保守委託先から受け取る報告書を確認するときに使うチェックリストです。
1. システム稼働率の確認
SLA(サービスレベル合意)で定めた稼働率(通常99%以上)を達成しているか確認します。報告書に記載がない場合は保守会社に問い合わせましょう。
確認ポイント:稼働率の数値 / ダウンタイムが発生した場合その原因と対応時間 / SLA未達の場合の補償内容
2. 障害・インシデント対応記録
当月発生した障害の内容、対応時間、再発防止策が記録されているか確認します。
確認ポイント:障害発生件数と対応時間 / 未解決の問題が残っていないか / 再発防止策が実施されているか
3. バックアップの実施確認
データバックアップが計画通りに実施されているか確認します。バックアップが取れていない状態でシステム障害が起きると、データが消えます。
確認ポイント:バックアップの実施日時と対象データ / 復元テストの実施有無(最低でも年1回)
4. セキュリティログの確認
不正アクセスの試みや異常なアクセスパターンがないか確認します。報告書に「異常なし」と記載されている場合でも、確認内容の根拠を求めましょう。
5. 作業実績の確認
当月どのような保守作業が行われたかを確認します。「作業なし」が続く場合は、本当に保守されているか疑問を持ってよいでしょう。
四半期(3カ月ごと)で確認すべき5項目
6. セキュリティアップデートの適用状況
OSやミドルウェア(Webサーバー、データベース等)のセキュリティパッチが適切に適用されているか確認します。セキュリティアップデートの放置は脆弱性につながります。
確認ポイント:適用済みアップデートの一覧 / 未適用のものがある場合その理由 / EOL(サポート終了)が近いソフトウェアの有無
7. パフォーマンスの傾向確認
システムの応答速度やサーバーリソース使用率が改善しているか、悪化していないかを確認します。
確認ポイント:ページ読み込み速度の推移 / サーバーCPU・メモリ使用率の推移 / ストレージ使用量の増加ペース
8. セキュリティスキャンの実施
Webアプリケーションの脆弱性スキャンが四半期に1回は実施されているか確認します。
9. 利用者数・アクセス数の傾向分析
システムの利用状況が計画通りか、異常なアクセスパターンがないかを確認します。急激なアクセス増加は不正アクセスの可能性もあります。
10. 保守会社との定例ミーティング
四半期に1回は保守会社担当者と直接話し、課題や今後の改善計画を確認しましょう。メールだけのやり取りでは気づけない問題も出てきます。
年次で確認すべき5項目
11. サーバー・インフラの更新計画
利用しているサーバーやクラウドサービスのEOL(サポート終了)日程を確認し、更新計画が立てられているかチェックします。
確認ポイント:OSのEOL日程 / データベースバージョンのサポート期限 / クラウドサービスの価格改定・廃止予定
12. SLA達成率の年間総括
年間を通じてSLAを達成できていたか、達成できなかった場合の原因と改善策を確認します。
13. 保守契約の内容見直し
システムの規模や要件が変わっていないか確認し、保守範囲や費用が現状に合っているかを見直します。
確認ポイント:保守範囲(対象機能・サーバー)に変更がないか / 費用は相場と比べて妥当か / 次年度のセキュリティ対策計画は立っているか
14. 災害復旧(DR)計画の確認
大規模な障害や災害が発生したとき、どのくらいの時間でシステムを復旧できるか(RTO)を確認します。年1回は実際の復旧手順を確認しましょう。
15. 保守会社の評価と継続判断
年間の保守実績を総合的に評価し、保守会社の変更を検討するかどうか判断します。「とりあえず続ける」ではなく、意識的に評価・判断することが重要です。
まとめ
システム保守の定期点検チェックリストは、保守を外注している発注者が「任せっぱなし」から「適切な管理」に変わるための第一歩です。
- 月次:稼働率・障害対応・バックアップ・セキュリティログ・作業実績の5項目
- 四半期:セキュリティアップデート・パフォーマンス・スキャン・利用傾向・定例ミーティングの5項目
- 年次:インフラ更新計画・SLA総括・契約見直し・DR計画・保守会社評価の5項目
このチェックリストをもとに保守委託先と定期的なコミュニケーションを取ることで、問題を早期に発見し、システムを安定稼働させ続けることができます。
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