ストレスチェックOEM代理店が顧客に提案する前に知っておくべきこと
ストレスチェックOEMシステムを導入した社労士事務所や産業保健スタッフが、最初の壁にぶつかるのが「既存顧客への提案・受注」です。労務顧問として信頼関係はあっても、「新しいサービスを売る」という営業行為は抵抗感を感じる方も少なくありません。
しかし、ストレスチェックOEMの提案は「売り込み」ではなく「顧客が抱えている法的義務への解決策の提供」です。この視点の転換が、成功する代理店と伸び悩む代理店を分ける最大のポイントです。
提案タイミング:2028年義務化を最大の追い風に使う
2025年5月公布・改正労働安全衛生法により、50人未満事業場のストレスチェックが2028年4月1日を目標に義務化される方針が示されました。この制度変更は、OEM代理店にとって最大の提案機会です。
提案に最適なタイミング
- 今すぐ(2026年〜):「2028年義務化前の試行導入」として提案。受検率や運用フローを事前に確立しておくメリットを訴求
- 年次契約更新時:既存の労務顧問契約の更新面談で、ストレスチェックサポートを追加提案
- 定期訪問・電話フォロー時:「先月厚労省が発表した義務化スケジュールについてですが…」という形で自然に導入
- 新規顧問契約時:初回提案時から「労務管理の一環としてストレスチェック対応も込みでサポートします」と一体提案
顧客企業別の提案シナリオ
パターン1: 50人以上・すでに実施義務あり(未対応または自社実施中)
このパターンが最も即決率が高い層です。
- 未対応企業:「現在未実施は法令違反リスクがあります。私のほうでシステムと実施代行を一括サポートできます」と義務・リスクから入る
- 紙運用・表計算で自社実施中:「毎年どのくらいの工数がかかっていますか?システム化すれば担当者の作業を大幅削減できます」とコスト比較で入る
- 高コストの外部委託中:「現在の委託費用を教えてください。同等機能でコストを下げられる可能性があります」と費用比較で入る
パターン2: 50人未満・2028年義務化を知らない(多数派)
最大の市場です。義務化を知らない企業が多いため、「情報提供」として自然に提案できます。
提案の流れ:①「最近ストレスチェックが50人未満にも義務化される方針が決まりました」と情報提供 → ②「2028年からなので今から準備しておくと余裕をもって対応できます」とメリット提示 → ③「私のほうでシステムごとサポートできます。料金は1人〇円で、年間〇〇円です」と具体的な金額提示
パターン3: 産業医・健診機関(法人顧客)
産業医や健診機関は「ストレスチェックの実施者資格を持ちながら、システムを持っていない」ケースが多くあります。
- 「実施者としての先生の専門性+私が提供するシステム」という役割分担を提案
- 先生が担当する企業のストレスチェック業務を一括受注→OEMシステムで効率化という共同提案も可能
提案書の作り方:3枚で決まる構成
顧客提案書は複雑に作る必要はありません。A4で3〜5枚程度に収める「シンプル提案書」が最も成功率が高いことがわかっています。
1枚目:課題と義務化の現状
- ストレスチェック義務の概要(50人以上は現在義務・50人未満は2028年4月方針)
- 未対応の場合のリスク(行政指導・50万円以下の罰金・労働者の信頼低下)
- 御社(または御社の顧客企業)の現状確認(実施済み/未実施/自社実施/外部委託)
2枚目:提案内容と料金
- 提供するサービス内容(システム提供・実施計画支援・集計・集団分析・衛生委員会報告資料作成など)
- 料金体系(例:基本料金+1人あたり〇円/年)
- 現在の費用との比較(コスト削減効果を数値で示す)
- 導入までのスケジュール(最短〇週間で対応可能)
3枚目:導入事例・よくある質問
- 類似規模・業種での導入事例(匿名可)
- 「導入後の担当者の声」(工数削減・安心感など)
- よくある質問への回答
よくある断り文句と切り返し方
「今は費用をかけたくない」
切り返し:「現在の担当者の工数(人件費)と比較してみましょう。年間〇時間 × 時給〇円のコストがかかっています。システム化するとこれを削減できます」と費用対効果を具体的に示す。
「うちは50人以下だから関係ない」
切り返し:「2028年4月から義務化される方針が政府から示されています。今から試行して慣れておけば、義務化後も慌てずに済みます。今年実施しておけば来年以降の基準データにもなります」と先行メリットを強調。
「外部委託先があるから不要」
切り返し:「現在の委託費用はどれくらいですか?同等の機能でコストを下げられる可能性があります。また、私が代理店として対応することで、困ったときにすぐ相談できるメリットもあります」とコストと利便性を訴求。
受注後の初期対応で顧客満足度を高める
受注後の最初の1〜2ヶ月が、長期継続のカギを握ります。以下の初期対応を徹底しましょう。
- 実施規程のサポート:顧客企業の衛生委員会で審議すべき実施規程のひな形を提供し、記載事項の確認をサポート
- 従業員向け案内文の作成支援:「何のために受けるのか」「個人情報はどう扱われるか」を明記した案内文テンプレートを提供
- 初回ウォークスルー:担当者と一緒にシステムにログインし、受検URLの発行・案内メール送信の操作を確認
- 集計後のフォロー連絡:受検期間終了後に「集計結果が出ました。集団分析の読み方をご説明します」とプロアクティブに連絡
- ストレスチェックOEM提案は「売り込み」でなく「義務への解決策提供」という視点で行う
- 2028年義務化(50人未満・2025年5月公布・改正安衛法)が最大の提案タイミング
- 既存顧問客(50人以上未実施・紙運用中)から始めるのが最も受注率が高い
- 提案書はA4で3〜5枚のシンプル構成:①課題・義務②提案・料金比較③事例・FAQ
- 受注後の初期フォロー(実施規程サポート・ウォークスルー・集計後連絡)が継続率を決める
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