AIで作り直したシステムの「保守だけ」を頼まれる相談が、2026年8月末と9月に続けて2件ありました。見積もりの前に見たのはシステムの構成図と、すでに運用中かリリース前かというプロジェクトの状況です。提案したのは月額5万円からの保守で、AIが書いたコードは思ったより整っていました。どちらも現在は見積もりを提案している段階です。
自社で作ったシステム、あるいはAIを使って作り直したシステムについて、開発は自分たちで続けるので保守だけを外に頼みたい、という相談が増えています。FUNBREWの保守サービスのよくある質問には「保守だけをお願いできますか」への答えを置いていますが、この記事はその一般論ではなく、実際に届いた2件の相談で、見積もりを出すまでに何を確認し、どんな形の提案をしたかを開発会社の側から書いたものです。契約が決まった話ではなく、見積もりを提案している最中の記録です。
どんなシステムの保守を頼まれたのか
2件に共通していたのは、もともと他社のベンダーが作ったシステムを、依頼者側がAI(Claude)を使って作り直したものだった点です。規模はどちらも中規模で、業務で日常的に使う類のシステムでした。
2件とも「他社製のシステムをAIで作り直したもの」だった
「AIで作ったシステム」と聞くと、専門家ではない人がゼロから組み立てたものを想像するかもしれません。今回の2件は違いました。元になるシステムが先にあり、それをAIを使って置き換えた形です。片方はまだソースコードを見せてもらう前の段階で、中身の詳細は分かっていません。それでも、構成図やこれまでのやりとりから、エンジニアが関わって開発されたものであることは判断できました。
この「元があるかどうか」「エンジニアが関わったかどうか」は、後で書くとおり、引き受けやすさの見立てに直接ききます。
見積もりの前に何を確認したか
結論から言うと、見積もりの前に見たのは、システムの構成図と、プロジェクトがいまどの段階にあるかの2つです。ソースコードを全部読んでから金額を出したわけではありません。
構成図で全体像をつかむ
構成図とは、システムがどの部品(サーバー、データベース、外部サービスなど)でできていて、それらがどうつながっているかを一枚にまとめた図です。これがあると、保守で面倒を見る範囲がどこからどこまでかを、コードを読む前に見積もれます。逆に構成図が無く、口頭の説明だけで範囲を決めると、契約後に「そこも見てほしい」が増えていきます。引き継ぎのときに実際に出てくる資料と、その役立ち方はシステム引き継ぎで用意する資料は何かに書いています。
「運用中か、リリース前か」で保守の慎重さが変わる
もうひとつ確認したのが、そのシステムがすでに業務で使われているか、それともこれからリリースするのかです。この違いは、保守のやり方と手間を大きく変えます。
- すでに運用中のシステム:利用者がいるので、把握のための調査も修正も慎重に進める必要があります。動いているものを止めない前提で作業するため、ひとつひとつの手数が増えます。
- リリース前のシステム:まだ利用者がいないので、中身の把握も修正も大胆に進めやすくなります。気になる箇所を先に直してから保守に入る、という順番も取れます。
同じ規模のシステムでも、この段階の違いで保守側の負担は変わるため、見積もりの前に必ず確認しています。
見積もりはどんな形にしたか
2件とも、月額の保守として提案しました。金額は月額5万円からです。障害が起きたときだけ都度お願いするスポット契約ではなく、毎月の枠の中で面倒を見る形です。保守だけに絞り、月の稼働時間を少なく抑えることで、この金額にしています。安定稼働した月の保守費を開発に回すスタンダードプラン(月額10万円から)とは、開発を含まない点で別の形です。
月額5万円からの保守で提案した
保守だけを頼みたい方の多くは、開発の手は自分たちで持っています。そのため、FUNBREWが担うのは「開発は続けられるが、障害対応やセキュリティ更新、技術的な相談相手がいない」という穴を埋める部分になります。その前提で、月の稼働時間を少なくし、開発を含むプランより小さい月額から入れる形にしました。金額の考え方の全体像はシステム保守の費用相場と選び方にまとめています。
即日対応を求めるなら、2人体制などの提案になる
見積もりの段階で先方に伝えたのが、対応の速さについてです。FUNBREWは小規模な会社なので、担当者が1人の体制で「何かあれば即日対応する」とは約束できません。即日対応を条件にするなら、2人体制を組むなどの提案になり、その分の費用も変わります。ここを曖昧にしたまま契約すると、障害が起きたときに期待と実態がずれるので、見積もりの時点で先に出しています。障害時に保守側が実際にどう動くかは障害が起きたとき、保守側は実際にどう動いているかに書きました。
AIが書いたコードは扱いにくかったか
結論としては、AIで作られたコードは思ったよりも綺麗でした。構造が読めない、テストが無い、といった心配をしていましたが、今回見た範囲ではそうなっていませんでした。
思ったより綺麗だった。ただし元の設計が良かったから、と見ている
ただ、これを「AIが書けば綺麗になる」と受け取るのは早いと考えています。今回の2件は、元のベンダーがきちんと設計して作ったシステムを、AIで置き換えたものです。元の設計が良ければ、それをなぞって作り直したコードも整って見えます。AIが良い設計を生み出したというより、良い設計がAIを通して引き継がれた、というのが実際に近い見立てです。元が無いところからAIだけで組み上げたシステムがどうなるかは、今回の2件からは分かりません。
まとめ
AIで作り直したシステムの保守だけを頼まれた2件では、構成図とプロジェクトの段階を確認したうえで、月額5万円からの保守を提案しました。AIのコードは想像より整っていましたが、それは元の設計が良かったためと見ています。即日対応を求める場合は2人体制などの別の提案になることも、見積もりの時点で伝えています。どちらも結果はまだ出ていないので、契約に至ったかどうかと、入ってから分かったことは、この記事に追記していく予定です。他社が作ったシステムの引き継ぎで断られやすいケースは他社システムの引き継ぎを断られることがあるのはなぜかで、自社開発システムの保守委託の進め方は自社開発CRMの保守委託ガイドで扱っています。保守だけの相談はお問い合わせからどうぞ。
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自社やAIで作ったシステムの保守だけ頼みたい方へ
開発は自分たちで続けながら、障害対応やセキュリティ更新、技術的な相談だけを任せたい。そうしたご相談を、構成図とプロジェクトの状況を伺うところから始めています。