中小企業のシステム保守、誰がやるべきか
システムを開発した後に必ず発生するのが保守・運用の問題です。特に中小企業の場合、「社内のエンジニアに任せるか」「外部の保守会社に委託するか」で悩むケースが多くなります。
結論から言えば、どちらが正解かは企業の状況によって異なります。しかし、判断に必要な要素を整理すれば、自社に最適な保守体制が見えてきます。この記事では、内製と外注のメリット・デメリットを比較し、具体的な判断基準を解説します(保守費用の相場も事前に把握しておきましょう)。
内製保守のメリット・デメリット
内製保守のメリット
社内にエンジニアを雇用してシステム保守を行う場合、以下のメリットがあります。
- 即時対応が可能: 社内にいるため、障害発生時にすぐ対応できる
- 業務知識が蓄積される: システムだけでなく業務フローも理解した人材が育つ
- コミュニケーションコストが低い: 社内なので意思決定が速い
- 柔軟な対応: 急な仕様変更や小さな改善にも対応しやすい
内製保守のデメリット
一方で、以下のリスクも存在します。
- 人件費が高い: エンジニア1名の年間人件費は500〜800万円程度。保守だけでは持て余すケースも
- 属人化リスク: 担当者が退職すると、システムの面倒を見る人がいなくなる
- 技術の幅が限られる: 1〜2名のエンジニアでは、サーバー・ネットワーク・セキュリティ・アプリケーションすべてをカバーするのは難しい
- 採用の難しさ: 中小企業では、優秀なエンジニアの採用・定着が難しい
外注保守のメリット・デメリット
外注保守のメリット
保守を外部に委託する場合のメリットは以下の通りです。
- コストが予測可能: 月額固定で予算管理がしやすい
- 幅広い技術力: チームで対応するため、サーバー・セキュリティ・アプリケーションまでカバーできる
- 属人化しない: チームで対応するため、特定の個人に依存しない
- 最新技術のキャッチアップ: 複数の案件を手がけることで、最新の技術動向に精通している
外注保守のデメリット
外注にもリスクがあります。
- レスポンスに時間がかかる場合がある: 契約内容によっては、対応開始までに時間がかかることも
- 業務理解が浅い場合がある: システムの技術面は理解していても、業務フローの理解には時間がかかる
- コミュニケーションコスト: 要件の伝達に手間がかかることがある
- 保守会社の品質差: 「毎月費用を払っているのに何もしてくれない」という不満が発生するケースも
コスト比較:実際にいくらかかるのか
内製の場合の年間コスト
| 項目 | 年間コスト目安 |
|---|---|
| エンジニア人件費(1名) | 500〜800万円 |
| 研修・スキルアップ費用 | 30〜50万円 |
| ツール・ライセンス費用 | 20〜40万円 |
| 合計 | 550〜890万円 |
外注の場合の年間コスト
| プラン | 月額 | 年間コスト |
|---|---|---|
| ライト(監視・最低限の保守) | 3〜5万円 | 36〜60万円 |
| スタンダード(監視+障害対応+改善) | 10〜20万円 | 120〜240万円 |
| プレミアム(専任チーム) | 30〜50万円 | 360〜600万円 |
単純なコスト比較では、外注のほうが圧倒的に安くなります。ただし、内製の場合はエンジニアが保守以外の業務(社内ツール開発、業務効率化等)も担当できるため、保守だけの費用として比較するのは適切ではありません。
判断基準:自社に最適な保守体制の選び方
外注が向いているケース
- 社内にエンジニアがいない、または1名しかいない
- 保守対象のシステムが1〜3つ程度
- エンジニアの採用・定着が難しい地域や業種
- 保守にかけられる予算が限られている(保守と運用の違いを理解して予算配分を)
- 24時間監視や緊急対応が必要
内製が向いているケース
- 保守対象のシステムが多数(5つ以上)あり、常時対応が必要
- システムと業務が密接に連携しており、業務知識が不可欠
- 頻繁な機能追加・改善が必要で、保守と開発の境目が曖昧
- 社内にすでにエンジニアチームがある
ハイブリッド型という選択肢
実は最もバランスが良いのは「ハイブリッド型」です。社内にシステム担当者を置きつつ、専門的な保守業務は外部に委託する方法です。
- 社内担当者: 業務要件の整理、優先度判断、社内調整、簡単な設定変更
- 外注保守会社: サーバー監視、セキュリティ対応、障害復旧、技術的な改善
この体制であれば、社内の業務知識と外部の技術力を組み合わせることができます。
コスト面だけでなく、対応品質やリスク分散の観点からも、自社の状況に合った保守体制を選ぶことが重要です。開発フェーズでの内製と外注の判断についてもあわせてご覧ください。
まとめ
- 内製は即時対応・業務知識の蓄積に強いが、人件費が高く属人化リスクがある
- 外注はコスト予測・幅広い技術力に強いが、業務理解に時間がかかる場合がある
- 保守対象が1〜3システム程度なら外注、5つ以上で常時対応が必要なら内製が向いている
- 最もバランスが良いのは、社内担当者+外注保守のハイブリッド型
FUNBREWの保守サービスは、外注のコスト効率と社内チームのような柔軟さを両立しています。お問い合わせからご相談ください。
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