- SaaSとスクラッチ開発の違いと特徴
- それぞれが向いているケースの具体例
- 5年間のトータルコスト比較
- 「SaaS+カスタマイズ」という第3の選択肢
SaaS vs スクラッチ開発|自社に合ったシステムの選び方
業務システムを導入するとき、大きく分けて2つの選択肢があります。既製品のクラウドサービス(SaaS)を使うか、自社専用のシステムをゼロから開発(スクラッチ開発)するかです。
どちらが正解ということはなく、業務の内容や規模によって最適な選択は変わります。この記事では、SaaSとスクラッチ開発の違いを整理し、自社に合った選び方を解説します。
SaaSとスクラッチ開発の違い
SaaS(Software as a Service)とは
クラウド上で提供される既製のソフトウェアを、月額料金を払って利用するサービスです。例えば、会計ソフトのfreee、顧客管理のSalesforce、プロジェクト管理のBacklogなどが該当します。
スクラッチ開発とは
自社の業務に合わせて、ゼロからシステムを設計・開発する方法です。開発の進め方を理解しておくと、スクラッチ開発の全体像がつかめます。既製品にはない機能や、自社独自の業務フローに完全に合わせたシステムを構築できます。
| 比較項目 | SaaS | スクラッチ開発 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 0円〜数万円 | 100万〜数千万円 |
| 月額費用 | 数千円〜数十万円/月 | 保守費 数万〜数十万円/月 |
| 導入までの期間 | 即日〜数週間 | 2ヶ月〜1年 |
| カスタマイズ性 | 設定の範囲内 | 完全に自由 |
| 業務フィット | 業務をSaaSに合わせる | システムを業務に合わせる |
| データの所有権 | サービス側に依存 | 完全に自社管理 |
| 他システム連携 | API提供次第 | 自由に設計可能 |
| サービス終了リスク | あり(移行が必要) | なし(自社資産) |
SaaSが向いているケース
一般的な業務を効率化したい
会計、勤怠管理、経費精算、顧客管理など、多くの企業で共通する業務にはSaaSが適しています。長年の改善が積み重ねられた既製品の方が、自社開発よりも機能が充実していることが多いです。
すぐに使い始めたい
SaaSはアカウントを作成すれば即日〜数日で使い始められます。スクラッチ開発では数ヶ月かかるため、スピードが求められる場合はSaaSが有利です。
初期投資を抑えたい
月額数千円〜数万円で始められるため、初期投資のリスクが小さくなります。合わなければ解約して別のサービスに切り替えることも容易です。
少人数で運用する
専任のIT担当がいなくても、SaaSの管理画面から設定や運用ができます。
スクラッチ開発が向いているケース
自社独自の業務フローがある
業界特有のルールや、自社独自の承認フロー、計算ロジックがある場合、SaaSでは対応しきれないことがあります。「SaaSに合わせて業務を変える」ことが現実的でない場合は、スクラッチ開発が必要です。
複数システムを連携させたい
既存の基幹システム、在庫管理、ECサイトなど複数のシステムを連携させる場合、SaaS同士の連携には限界があります。スクラッチ開発であれば、自由にデータの流れを設計できます。
データの管理を自社で行いたい
機密性の高いデータや、業界の規制でデータの保管場所が指定されている場合は、自社管理のスクラッチ開発が適しています。
長期的にコストを抑えたい
SaaSは利用者数×月額料金のため、社員数が多い場合はランニングコストが膨大になります。社員50人以上で本格的に使う場合は、スクラッチ開発の方が5年間のトータルコストで安くなるケースもあります。
5年間のトータルコスト比較
社員30人の企業が業務システムを導入する場合の試算です。
| 項目 | SaaS | スクラッチ開発 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 5万円 | 500万円 |
| 月額費用 | 15万円(5,000円×30人) | 10万円(保守) |
| 5年間の月額合計 | 900万円 | 600万円 |
| 5年間のトータル | 905万円 | 1,100万円 |
この例ではSaaSの方が安くなりますが、社員数が増えたりオプション機能を追加したりすると逆転する可能性があります。システム開発の費用相場も参考にしてください。
「SaaS + カスタマイズ」という第3の選択肢
SaaSとスクラッチ開発は二者択一ではありません。SaaSをベースにしつつ、足りない部分だけをカスタマイズ開発で補う方法もあります。
- SaaSのAPIを使って自社システムと連携する
- SaaSでは対応できない業務だけ専用ツールを開発する
- SaaSのデータをエクスポートして自社のBIツールで分析する
この方法なら、SaaSのメリット(低コスト、すぐ使える)を活かしつつ、自社の業務にフィットさせることができます。
FUNBREWの考え方
システム開発を検討しているということは、そもそもSaaSでは対応しきれないケースが多いということです。その場合は大きく2つの方向があります。御社の業務を一般化してSaaSに合わせるか、弊社のようなシステム開発会社に依頼して業務に合ったシステムを構築するかです。どちらが正解かは業務内容次第ですので、まずはお話を聞かせてください。
判断のためのチェックリスト
以下のチェックリストで、自社に合った方法を判断してみてください。
SaaSが向いている場合
- 業務の流れは一般的で、特殊なルールは少ない
- すぐに使い始めたい(1ヶ月以内)
- 初期投資を抑えたい
- IT担当者がいない、または少ない
- 利用者数は30人以下
スクラッチ開発が向いている場合
- 自社独自の業務フローや計算ロジックがある
- 複数のシステムをデータ連携させたい
- セキュリティやデータ管理の要件が厳しい
- 利用者数が多く、SaaSのランニングコストが高い
- 5年以上の長期利用を前提としている(保守費用も含めてトータルで比較)
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関連記事として、技術選定の全体像もあわせてご覧ください。
関連記事: ECサイト構築ガイド
まとめ
SaaSとスクラッチ開発のどちらが正解かは、業務内容・規模・予算・時間軸によって変わります。
- 一般的な業務ですぐに始めたい → SaaS
- 独自の業務に完全にフィットさせたい → スクラッチ開発
- SaaSをベースに足りない部分を補う → SaaS + カスタマイズ開発
「うちの業務にはどっちが合う?」と迷ったら、お問い合わせからお気軽にご相談ください。開発会社の選び方もあわせて参考にしてください。
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