記事一覧に戻る
システム開発

業務システムのクラウド移行|メリット・リスク・進め方を解説

2026年3月1日 約5分で読めます
この記事でわかること
  • オンプレミスとクラウドの違い
  • クラウド移行の5つのメリットと3つのリスク
  • 移行の3つのパターン(リフト&シフト・リファクタリング・リビルド)
  • 失敗しないための5つのチェックポイント

業務システムのクラウド移行|メリット・リスク・進め方を解説

「サーバーの保守費用が高い」「テレワーク対応でどこからでもアクセスしたい」「災害対策が不安」。こうした理由から、業務システムのクラウド移行を検討する中小企業が増えています。

しかし、「クラウドにすれば全部解決する」と安易に進めると、かえってコストが増えたりセキュリティリスクを抱えたりすることもあります。

この記事では、クラウド移行のメリット・リスクを整理し、自社に合った移行の進め方を解説します。

オンプレミスとクラウドの違い

まず基本的な用語を整理しておきましょう。

  • オンプレミス — 自社内にサーバーを設置して運用する方式。物理的なハードウェアの管理が必要
  • クラウド — AWS、Azure、GCPなどのクラウドサービス上でシステムを運用する方式。物理サーバーの管理は不要
比較項目オンプレミスクラウド
初期費用高い(サーバー購入)低い(従量課金)
月額費用保守費+電気代利用料(スケーラブル)
拡張性ハードウェア追加が必要設定変更で即時対応
災害対策自社で対策が必要データセンターが分散
リモートアクセスVPN等の設定が必要標準で対応
カスタマイズ性自由度が高いサービスの制約あり
セキュリティ管理自社で全て管理クラウド事業者と分担

クラウド移行の5つのメリット

1. サーバー管理の負担がなくなる

物理サーバーの故障対応、OSのアップデート、空調管理といった作業から解放されます。中小企業では専任のインフラ担当がいないケースも多く、管理負担の軽減は大きなメリットです。

2. コスト構造が変わる

オンプレミスではサーバー購入の初期投資が数百万円かかることがありますが、クラウドでは月額の利用料として支払うため、初期投資を大幅に抑えられます。

3. どこからでもアクセスできる

クラウド上のシステムはインターネット経由でアクセスできるため、テレワークや外出先からの利用がスムーズです。

4. 災害対策が強化される

主要なクラウドサービスはデータを複数のデータセンターに分散して保管しているため、地震や火災で自社のオフィスが被害を受けても、データとシステムは守られます。

5. 必要に応じてスケールできる

繁忙期にサーバーの処理能力を上げ、閑散期には下げるといった柔軟な運用が可能です。事前にピーク時を見越した大きなサーバーを購入する必要がありません。

クラウド移行の3つのリスク

リスク1: ランニングコストが想定以上になる

「クラウドは安い」というイメージがありますが、使い方次第ではオンプレミスより高くなることもあります。特にデータ転送量が多いシステムや、24時間フル稼働するシステムでは注意が必要です。

💬
「クラウドにすればコストが下がる」とは限りません。移行後のランニングコストをしっかり試算してから判断してください。特に大量のデータ転送が発生するシステムは、クラウドの方が高くつくこともあります。

移行前に、現在のオンプレミスのコストとクラウドの見積もりを比較することが重要です。

リスク2: セキュリティの責任範囲が変わる

クラウドでは「責任共有モデル」が基本です。インフラの物理的なセキュリティはクラウド事業者が担いますが、データの管理やアクセス制御は利用者側の責任です。

「クラウドにしたからセキュリティは安心」ではなく、自社で管理すべき範囲を理解しておく必要があります。

リスク3: 移行時のデータ損失・ダウンタイム

移行作業中にデータが欠損したり、システムが使えない期間が発生するリスクがあります。移行計画を入念に立て、バックアップとロールバック手順を用意しておくことが不可欠です。

リスクは事前の計画と準備で大幅に軽減できます。

クラウド移行の3つのパターン

パターン1: リフト&シフト(そのまま移行)

現在のシステムをほぼそのままクラウドに移す方法です。最も短期間・低コストで移行できますが、クラウドの特性を活かしきれない場合があります。

パターン2: リファクタリング(一部最適化して移行)

移行と同時に、クラウドに適した構成に一部変更する方法です。例えば、データベースをクラウドのマネージドサービスに置き換えることで、運用負担を減らせます。

パターン3: リビルド(クラウド向けに作り直す)

既存システムをクラウドネイティブな設計で作り直す方法です。最も時間とコストがかかりますが、クラウドのメリットを最大限に活かせます。老朽化したシステムの引き継ぎと合わせて検討されることが多いです。

開発の進め方によっても最適なパターンは変わるため、開発会社に相談した上で判断しましょう。

クラウド移行の費用相場

移行パターン費用相場期間目安
リフト&シフト(小規模)50万〜150万円1〜2ヶ月
リフト&シフト(中規模)150万〜500万円2〜4ヶ月
リファクタリング200万〜800万円3〜6ヶ月
リビルド500万〜2000万円6ヶ月〜1年

システム開発の費用相場と同様に、規模と要件によって大きく変わります。複数の開発会社から見積もりを取ることをおすすめします。

また、クラウド移行はIT導入補助金の対象になるケースがあります。費用を抑えたい場合は補助金の活用も検討しましょう。

FUNBREWの現場から

弊社では先にシステムの刷新をご提案することもあります。老朽化したシステムを新しいサーバーで動かそうとすると、意図して古い仕組みを構築せざるを得ず、逆に現行環境に合わせる環境を作ることに苦労するケースがあるためです。「移行だけでいいのか、作り直した方がいいのか」も含めてご相談ください。

クラウド移行で失敗しないための5つのチェックポイント

  1. 現状のコストを正確に把握する — オンプレミスの費用(ハード、保守、電気代、人件費)を洗い出し、クラウドの見積もりと正しく比較する
  2. 移行後のランニングコストを試算する — クラウドの料金は従量制が多いため、実際の使い方に近い条件で試算する
  3. セキュリティ要件を整理する — 業界の規制やデータの機密性に応じて、クラウドで対応可能か確認する
  4. 移行計画にロールバック手順を含める — 万が一の場合に元の環境に戻せるようにしておく
  5. 段階的に移行する — すべてを一度に移行するのではなく、影響の少ないシステムから段階的に進める

関連記事

関連記事として、技術選定ガイドもあわせてご覧ください。

まとめ

クラウド移行は、正しく進めれば大きなメリットがある一方、計画不足だとコスト増やトラブルにつながります。

  • サーバー管理の負担軽減災害対策の強化が主なメリット
  • ランニングコストセキュリティの責任範囲には注意が必要
  • 移行パターンは3つあり、自社の状況に合った方法を選ぶ
  • 段階的に進めることでリスクを最小化できる

クラウド移行後はAPI連携で他のシステムとの自動化も検討しましょう。 「うちのシステム、クラウドに移行した方がいいのかな?」と迷ったら、お問い合わせからお気軽にご相談ください。現状の環境をお聞きした上で、最適な移行プランをご提案します。

クラウド移行すべき?現状のままがいい?

現在の環境とコストをお聞きした上で、クラウド移行のメリットがあるかどうかを判断します。

この記事をシェア

業務システムのクラウド移行はFUNBREWへ

移行計画の策定からシステムの最適化、運用保守まで一貫してサポートします。

最新情報をお届けします

IT活用のヒントやお役立ち情報を定期的にお届けします。

相談のハードル、下げました

まずは気軽にご相談ください

「まだ具体的に決まっていない」「とりあえず話を聞きたい」でも大丈夫。プロトタイプを見ながら、一緒にアイデアを形にしていきましょう。

相談無料 オンライン対応 1週間でプロトタイプ