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ECサイト構築費用の完全ガイド【2026年版】|規模別・プラットフォーム別の相場と節約術

2026年3月26日 約9分で読めます

この記事でわかること

  • ECサイト構築費用の全体像(初期費用・ランニングコスト・隠れコスト)
  • 規模別(小規模・中規模・大規模)の費用相場の目安
  • プラットフォーム別(BASE/EC-CUBE/Shopify/フルスクラッチ)のコスト比較
  • 中小企業が予算内でECを成功させるコスト最適化の方法
  • 補助金・助成金を活用してEC構築コストを削減する方法

「ECサイトを立ち上げたい。でも、いくらかかるのか見当もつかない」という声を、FUNBREW のEC開発相談窓口では毎月数十件受けています。

実際に費用の幅は非常に広く、最安値では月額0円から始められる一方、フルスクラッチで数千万円かかることもあります。この差はなぜ生まれるのか、そして自社に最適な予算規模はどこなのか——。本記事では、EC開発の実務視点から費用の全体像を整理します。

💬
FUNBREWが年間で手がけるEC開発案件のうち、中小企業(従業員50名以下)からのご相談は全体の約60%を占めます。その多くは「最初にどれくらいの予算を確保すべきか」という点でつまずいています。この記事では、その疑問に正面から答えます。

ECサイトの費用構造:3つのコスト区分

ECサイトの費用は「初期費用」「ランニングコスト」「隠れコスト」の3つに分類して考えることが重要です。

コスト区分 内容 見落とされやすさ
初期費用 サイト構築・デザイン・システム開発・導入設定 低い(見積もりに記載される)
ランニングコスト 月額プラン・サーバー代・決済手数料・保守費用 中程度(月額費用は意識するが決済手数料は見落としがち)
隠れコスト プラグイン費用・SEO対策・写真撮影・コンテンツ制作・移行費用 高い(見積もりに入っていないことが多い)

特に「隠れコスト」は見落とされがちです。商品写真の撮影費用(1点あたり1,000〜3,000円)、商品説明文の制作、SEO対策のためのコンテンツ制作、将来的なプラットフォーム移行費用……これらを合計すると、当初の見積もりの1.5〜2倍になるケースも珍しくありません。

規模別のECサイト構築費用相場

小規模EC(月商〜50万円規模)

個人事業主・スモールビジネスの初期EC参入や、実店舗のオンライン販売チャネル追加に適したレンジです。

項目 費用目安 備考
プラットフォーム初期費用 0〜30万円 BASE:0円、EC-CUBE:サーバー代のみ
デザインカスタマイズ 0〜30万円 テンプレートを使う場合は低コスト
商品登録・初期設定 5〜20万円 商品数による
合計初期費用 5万〜80万円
月額ランニングコスト 0〜5万円 BASEは手数料のみ、EC-CUBEはサーバー代

中規模EC(月商50万〜500万円規模)

事業として本格的にEC運営を行う企業、在庫管理や受注管理の自動化が必要になってくる段階です。

項目 費用目安 備考
プラットフォーム・開発費 100〜500万円 EC-CUBE構築・Shopify本格運用など
デザイン・UX設計 50〜200万円 オリジナルデザイン対応
システム連携 50〜300万円 在庫管理・受注管理・会計システム連携
合計初期費用 200〜1,000万円
月額ランニングコスト 5〜30万円 保守・SEO対策含む

大規模EC(月商500万円〜)

フルスクラッチ開発や大規模パッケージ導入が検討対象になる段階。セキュリティ・可用性・拡張性の要件が厳しくなります。

項目 費用目安 備考
開発費(フルスクラッチ) 500万〜3,000万円以上 機能規模・連携システム数による
インフラ・セキュリティ 50〜300万円 AWS/GCP構成・WAF・PCI DSS対応
月額ランニングコスト 30〜100万円以上 保守・インフラ・SEO・広告運用含む

プラットフォーム別 構築費用の徹底比較

BASE(スモールスタートに最適)

初期費用:0円から始められる最も低コストな選択肢。

プラン 月額費用 販売手数料 決済手数料 実質コスト(月商100万円)
スタンダード 0円 3% 3.6%+40円/件 約68,000円
グロース 16,580円 なし 2.9%+40円/件 約46,580円

BASEが向いているケース: 月商50万円未満、個人事業主・スモールビジネス、技術知識がない、すぐに始めたい

注意点: 月商が増えると販売手数料が収益を圧迫する。月商50万円以上になったら他のプラットフォームへの移行も検討。

EC-CUBE(カスタマイズ性重視の中規模EC向け)

日本製オープンソースECプラットフォーム。ソフトウェアは無料だが、構築・保守に技術力が必要。

項目 ダウンロード版 EC-CUBE4クラウド
ソフトウェア費用 0円 0円
サーバー代 月3,000〜30,000円 月14,800円〜
販売手数料 なし なし
初期構築費 50〜500万円(外注の場合) 50〜500万円(外注の場合)
保守費用 月3〜10万円 月3〜10万円
プラグイン費 1本3,000〜50,000円 1本3,000〜50,000円

EC-CUBEが向いているケース: 月商50万円以上、カスタマイズ性重視、基幹システム連携が必要、社内にエンジニアがいる

EC-CUBEとBASEの詳細な比較はEC-CUBE vs BASE 徹底比較記事を参照ください。

Shopify(越境EC・グローバル展開を視野に)

世界シェアNo.1のSaaS型ECプラットフォーム。日本語対応も充実し、グローバル展開しやすいのが特徴。

プラン 月額費用(USD) 国内決済手数料 おすすめ用途
Basic $29 2.0% 小規模・スタートアップ
Shopify $79 1.0% 成長期の中規模EC
Advanced $299 0.5% 大規模・複数ストア

Shopifyの初期構築費用: テーマを購入してセルフ構築なら5〜20万円、制作会社に依頼する場合は50〜300万円が目安。

Shopifyが向いているケース: 越境EC・グローバル展開を視野、Instagramショッピング連携、豊富なアプリ活用、英語圏の顧客も対象

フルスクラッチ開発(Laravel等)(独自要件・大規模向け)

既存プラットフォームでは実現できない要件がある場合の選択肢。FUNBREWではLaravelを使ったフルスクラッチEC開発を多数手がけています。

開発規模 機能の目安 費用目安 開発期間
小規模 商品・受注・会員・決済の基本機能 300〜800万円 3〜6ヶ月
中規模 上記+基幹システム連携・定期購買 800〜2,000万円 6〜12ヶ月
大規模 マーケットプレイス・マルチテナント 2,000万円〜 12ヶ月〜

フルスクラッチが向いているケース: 独自の業務フロー、複数システムとのAPI連携、独自の決済・サブスク要件、プラットフォームの限界を超えた要件

💬
フルスクラッチは初期費用が高く見えますが、長期的に見るとプラットフォームの月額費用・手数料・プラグイン費用・移行費用の積み重ねがイニシャルコストを上回るケースがあります。5年間のTCO(総所有コスト)で比較するのが適切です。

プラットフォーム別 5年間のTCO(総所有コスト)比較

月商100万円のEC事業を5年間運営した場合の総コストを試算します(構築費用+月額コスト+手数料の合計)。

プラットフォーム 初期構築費 月額コスト 年間手数料 5年間TCO
BASE(スタンダード) 0〜10万円 0円 約816,000円 約418〜428万円
BASE(グロース) 0〜10万円 16,580円 約348,000円 約308〜318万円
EC-CUBE(構築外注) 100〜300万円 5〜10万円 なし 約400〜900万円
Shopify(Shopifyプラン) 50〜200万円 約8,700円 約120,000円 約210〜410万円
フルスクラッチ(Laravel) 500〜1,000万円 5〜20万円 なし 約800〜2,200万円

月商100万円規模では、BASEグロースまたはShopifyがコストパフォーマンスが高くなります。月商が500万円を超えてくると、EC-CUBEまたはフルスクラッチへの移行メリットが大きくなります。

ECサイト構築コストを削減する5つの方法

1. フェーズ分割で初期投資を抑える

「最初から全機能を作らない」が鉄則です。MVP(最小限の機能)でローンチし、売上が出てから機能を追加する段階的アプローチが最もリスクが低い。フェーズ1で300万円、フェーズ2で200万円と分割することで、初期の資金負担を軽減できます。

2. パッケージやテンプレートを活用する

デザインをゼロから作るのではなく、既存のテンプレートをカスタマイズすることで、デザイン費用を50〜70%削減できます。EC-CUBEの公式テンプレートやShopifyの有料テーマ($100〜$350程度)は品質が高く、コストパフォーマンスに優れています。

3. 補助金・助成金を活用する

ECサイト構築には、いくつかの公的支援制度が活用できる場合があります。

  • IT導入補助金(経済産業省): IT ツール導入費用の1/2〜2/3を補助(上限450万円)。ECシステムも対象になる場合あり
  • 小規模事業者持続化補助金: ホームページ・ECサイト制作費用が対象(上限50万円〜200万円)
  • 事業再構築補助金: 事業転換・新規事業でのEC構築に活用可能(上限1,500万円〜1億円)

補助金の申請には事業計画書の作成が必要なため、採択実績のある支援機関(認定支援機関)に相談することをおすすめします。

4. 外注範囲を絞る

すべてを外注するのではなく、「技術が必要な部分だけ外注し、商品登録や文章は自社でやる」と割り切るだけでコストが大きく変わります。商品数が多い場合も、まずコア商品だけ外注登録し、残りは社内で追加するという運用が現実的です。

5. クラウドサーバーのコストを最適化する

EC-CUBEなどで自前サーバーを使う場合、トラフィックが少ない初期は低スペックのVPS(月3,000〜5,000円)でスタートし、売上が伸びてからスケールアップするアプローチが合理的です。

ECサイト開発会社の選び方と見積もりのチェックポイント

コストを適正に管理するためには、開発会社の選定と見積もりの精査が重要です。

見積もり確認のチェックリスト

  • 決済システムの連携費用は含まれているか(別途契約が必要なケースが多い)
  • SSL証明書・ドメイン取得費用は含まれているか
  • 商品登録の費用・範囲は明確か(何点まで含まれるか)
  • テスト・検収の費用は含まれているか
  • ローンチ後の保守・サポート費用は別途か
  • セキュリティ対策(WAF・脆弱性診断)の費用は含まれているか
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「安い見積もりを出した会社に頼んだら、追加費用が膨らんで結局高くなった」という相談は珍しくありません。見積書に含まれる作業範囲(スコープ)を明確にし、含まれていない項目を逐一確認することが重要です。

まとめ:予算別の推奨構築パターン

予算規模 推奨プラットフォーム ポイント
0〜50万円 BASE / Shopify Basic(セルフ構築) まず検証。手数料コストに注意
50〜200万円 EC-CUBE(テンプレート活用) / Shopify(制作会社) ブランドイメージを大切にしたい場合
200〜800万円 EC-CUBE(本格構築) / Shopify(フル活用) 本格運用・システム連携も視野
800万円〜 フルスクラッチ開発(Laravel等) 独自要件・大規模・基幹連携が必要な場合

ECサイト構築の費用は「いくらかけるか」よりも「どの段階でどんな機能が必要か」を先に明確にすることが、コスト最適化の出発点です。

各プラットフォームの詳細な比較はShopify vs EC-CUBE vs スクラッチ開発 比較記事、EC-CUBEとBASEの2択で迷っている場合はEC-CUBE vs BASE 徹底比較、ECサイト全体の構築手順についてはECサイト開発・構築ガイドをあわせてご参照ください。

また、決済システムの選定についてはECサイトの決済システム導入ガイド、受注・在庫管理の自動化についてはEC在庫管理・受注管理のシステム連携ガイドも参考にしてください。

よくある質問
ECサイト構築にかかる費用の最安値はいくらですか?
BASEのスタンダードプランを使えば、初期費用・月額費用ともに0円でECサイトを開設できます。ただし、売上が発生すると販売手数料3%+決済手数料3.6%+40円が引かれます。自分でデザインや商品登録を行う場合はほぼ0円でスタート可能です。
中小企業のECサイト構築費用の平均はいくらですか?
FUNBREWへのご相談実績では、中小企業(従業員50名以下)のEC構築費用は50〜500万円の範囲に集中しています。月商100万円規模を目指す場合、EC-CUBEやShopifyを活用した構築で100〜300万円程度が相場感です。これにランニングコスト(月5〜15万円)が加わります。
ECサイト構築に補助金は使えますか?
IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金が活用できる場合があります。IT導入補助金ではECシステムの導入費用の1/2〜2/3(最大450万円)が補助される可能性があります。ただし補助金は採択条件や申請時期があるため、認定支援機関(商工会議所・中小企業診断士等)に相談することをおすすめします。
EC-CUBEとShopifyではどちらが費用が安いですか?
初期費用はEC-CUBEの方が安く(ソフトウェア自体は無料)、Shopifyは月額プラン費用がかかります。ただし、EC-CUBEはサーバー管理・セキュリティ対応・保守費用が別途必要なため、トータルのTCOでは差が縮まります。月商規模・技術体制・必要な機能によって適切な選択は変わるため、5年間のTCOで比較することをおすすめします。
フルスクラッチでECサイトを開発するのはいくらかかりますか?
商品管理・受注管理・会員管理・決済連携の基本機能を持つフルスクラッチECサイトの開発費用は、FUNBREWの実績では300〜800万円程度です。基幹システム(ERP・WMS)との連携や定期購買機能を含む場合は800万円以上になります。ただし、月額手数料・プラグイン費用・移行費用が不要なため、長期運営ではTCOが低くなるケースがあります。

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