この記事でわかること
- EC-CUBEとBASEそれぞれの特徴・費用・機能の違い
- 7つの比較軸による客観的な強み・弱みの整理
- 事業規模・業種別の最適なプラットフォーム選択基準
- どちらも合わない場合の「フルスクラッチ開発」という選択肢
- 2026年最新のプラン料金・手数料比較
「ECサイトを作りたいが、EC-CUBEとBASEのどちらを選べばいいかわからない」という相談は、FUNBREWのEC開発現場でも非常に多く寄せられます。
両者はともに日本のEC市場で広く使われているプラットフォームですが、想定しているユーザー層・費用構造・カスタマイズ性は根本的に異なります。選択を間違えると、「思ったようなデザインにできない」「月次の手数料が売上を圧迫する」「将来的な機能拡張ができなかった」といった問題に直面します。
この記事では、EC開発の実務視点から両プラットフォームを7つの軸で徹底比較し、あなたのビジネスにはどちらが適しているかを判断できるよう整理しました。
EC-CUBE・BASEとは?
EC-CUBEとは
EC-CUBEは、2006年に株式会社ロックオン(現・ORION)がリリースした日本製のオープンソースECプラットフォームです。2026年時点で累計40,000店舗以上の導入実績を持ち、国内ECプラットフォームとしてはShopifyと並ぶ有力な選択肢です。
EC-CUBEの主な特徴:
- オープンソース(PHPベース)のため、ソースコードを自由にカスタマイズ可能
- サーバーを自前で用意するオンプレミス型(クラウド版EC-CUBE4クラウドも提供)
- プラグインマーケットで機能拡張が容易
- BtoBの受注管理・在庫管理にも対応した本格的な機能群
- 初期費用はサーバー代のみ、ソフトウェアは無料(プラグインは有料)
BASEとは
BASEは、2012年にBASE株式会社がリリースしたSaaS型のネットショップ開設プラットフォームです。「誰でも簡単にネットショップが開ける」をコンセプトに、個人事業主・スモールビジネス向けに急成長。2026年時点で190万ショップ以上が利用しています。
BASEの主な特徴:
- アカウント登録から最短10分でショップ開設可能
- 初期費用・月額費用0円(スタンダードプラン)。売上から手数料を引かれる仕組み
- HTML/CSSを触らずにデザイン変更が可能
- 拡張機能(Apps)でInstagram連携・デジタルコンテンツ販売なども対応
- 独自ドメイン設定・SSL対応済み
【2026年最新版】料金・手数料の完全比較
プラットフォーム選定で最も重要な「コスト」の最新情報を整理します。2026年時点の公式情報をもとにまとめています。
| 料金項目 | EC-CUBE(ダウンロード版) | EC-CUBE4クラウド | BASE スタンダード | BASE グロース |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 月額費用 | サーバー代のみ(3,000〜30,000円) | 14,800円〜 | 0円 | 16,580円 |
| 販売手数料 | なし | なし | 3% | なし |
| 決済手数料 | 決済代行業者による(2〜3.5%程度) | 決済代行業者による | 3.6%+40円 | 2.9%+40円 |
| プラグイン/App | 1本3,000〜50,000円(買い切り) | 1本3,000〜50,000円 | 無料〜月額課金 | 無料〜月額課金 |
7つの比較軸で徹底比較
| 比較軸 | EC-CUBE | BASE |
|---|---|---|
| 初期費用 | サーバー代のみ(月3,000〜30,000円程度) | 0円 |
| 月額費用 | サーバー代のみ(プラグイン別途) | スタンダード:0円 / グロース:月16,580円 |
| 販売手数料 | なし | 3〜6.6%+40円(プランにより異なる) |
| デザイン自由度 | 高い(HTMLテンプレート完全編集可) | やや制限あり(テンプレート選択+一部カスタム) |
| 機能・拡張性 | 高い(プラグイン+独自開発) | 標準的(App範囲内) |
| 運用のしやすさ | 技術知識が必要 | 非常に簡単 |
| スケーラビリティ | 高い | やや制限あり(大規模向けでない) |
1. 初期費用・月額費用
EC-CUBEの費用構造:
EC-CUBE本体は無料ですが、動かすためのサーバーが必要です。VPSやクラウドサーバー(さくらVPS・AWS・ConoHa等)を使う場合、月3,000〜30,000円程度。必要なプラグインは1本3,000〜50,000円程度で別途購入します。
EC-CUBE4クラウドを利用する場合は、月額14,800円(スタンダードプラン)〜。ただし販売手数料は発生しません。
BASEの費用構造:
スタンダードプランは月額0円ですが、売上のたびに「販売手数料3%+決済手数料3.6%+40円」が引かれます。たとえば月100万円の売上があると、手数料だけで約68,000円になります。グロースプランは月16,580円ですが、手数料が決済手数料2.9%+40円のみに下がります。
判断基準: 月商が約25万円を超えるとBASEのスタンダードよりEC-CUBEのサーバー代の方が安くなります。月商50〜100万円以上を目指すならEC-CUBEまたはグロースプランへの移行を検討すべきです。
2. デザインの自由度
EC-CUBE: Smartyテンプレートエンジンを採用しており、HTMLとCSSを自由に編集できます。デザイン会社やエンジニアと協力すれば、ブランドイメージに完全に沿ったオリジナルデザインを実現できます。公式テンプレートは無料〜有料(数万円)で提供されています。
BASE: 約130種類のデザインテンプレートを提供(無料〜3,300円程度)。HTMLオプションアプリ(月980円)を使えばある程度のカスタマイズも可能ですが、テンプレートの根本的な変更には制限があります。
「ブランドの世界観を完全に表現したい」「競合と差別化できるデザインにしたい」という要求がある場合、BASEでは限界を感じやすくなります。
3. 機能・拡張性
EC-CUBEの機能:
- 商品管理:規格(サイズ・カラー等)の複数設定、在庫管理
- 受注管理:受注ステータス管理、CSV出力、発送処理
- 顧客管理:会員登録・ポイント管理・購買履歴
- プラグイン:定期購買・頒布会、電子領収書、後払い、各種決済連携
- BtoB対応:法人会員・掛け払い・見積書発行
- 基幹システム連携:在庫管理・WMS・ERPとのAPI連携
BASEの機能:
- 商品管理:バリエーション設定(最大100種類)
- デジタルコンテンツ販売、定期便機能(Appで対応)
- Instagram・Pinterest連携
- クーポン・割引機能
- アクセス解析
BASEは「普通のネットショップ」に必要な機能は揃っていますが、独自の業務フローに合わせたカスタマイズや、社内基幹システムとのAPI連携となるとEC-CUBEや独自開発が必要になります。EC基幹システムとの連携についてはEC在庫管理・受注管理のシステム連携ガイドも参照ください。
4. SEO対応
EC-CUBE: URLの自由な設定、メタタグの個別管理、構造化データの実装、sitemap.xml・robots.txtのカスタマイズが可能。SEOの本格対応はエンジニアが必要ですが、やりたいことは基本的に何でもできます。
BASE: 基本的なメタタグ設定、カスタムURLの設定は可能。ただし技術的なSEO対応(構造化データ、canonical設定等)は制限があります。「funbrew.base.shop」のようなサブドメインではなく独自ドメイン運用を推奨します。
SEOを本格的に取り組みたい場合、EC-CUBEの方が柔軟性があります。ECサイトのSEO対策の詳細についてはECサイトのSEO対策ガイドもあわせてご確認ください。
5. セキュリティ
EC-CUBE: オープンソースであるため、脆弱性が発見された際には公式からセキュリティパッチが提供されます。ただし、適用はサイト運営者の責任。サーバーのメンテナンス、SSLの管理、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)の導入も必要です。
EC-CUBEの脆弱性を悪用したカード情報漏えい事件が過去に複数発生しているため、セキュリティアップデートへの対応は最優先事項です。PCI DSS対応を求められる場合は、専門エンジニアによる管理体制が必要です。
BASE: SaaS型のためセキュリティ管理はBASE社が担当。SSL標準対応、不正アクセス対策もプラットフォーム側で管理されます。運営者はセキュリティを意識せずに運用できます。
セキュリティ管理の手間を省きたい場合はBASEが有利です。EC-CUBEは適切な管理体制がある場合に選択してください。詳しくはECサイトのセキュリティ対策ガイドをご参照ください。
6. 運用・管理の手軽さ
BASE: 管理画面はシンプルで直感的。ショップ開設から商品登録、注文管理まですべてGUIで操作できます。プログラミングの知識は一切不要。スマートフォンアプリからも管理可能です。
EC-CUBE: 管理画面は多機能ですが、サーバーの管理・バックアップ・アップデート対応が必要です。デザイン変更にはHTMLの知識が必要で、プラグインの導入・設定にも一定の技術力を要します。社内にエンジニアがいない場合、保守費用として月3〜10万円程度の外部委託が発生することが多いです。
7. 将来的なスケーラビリティ
EC-CUBE: 売上が伸びてもサーバースペックを上げることで対応可能。機能もソースコードレベルで拡張できるため、事業成長に合わせて柔軟に進化させられます。
BASE: 小規模から始めるには最適ですが、月商が数百万円以上になったり、独自の業務フロー(定期購買・法人対応・複数倉庫管理等)が必要になった際にプラットフォームの限界を感じやすくなります。
「将来ShopifyやEC-CUBEに移行することになった」という事例はFUNBREWの支援先でも複数あります。初期段階からスケール後を見据えたプラットフォーム選択が重要です。
EC-CUBEが向いているケース
以下の条件に当てはまる場合、EC-CUBEを選択するメリットが大きくなります。
事業規模・売上規模
- 月商50万円以上を目指している、または既に達成している
- 将来的に月商1,000万円以上のEC事業に育てる計画がある
機能・カスタマイズ要件
- 定期購買・頒布会・サブスクリプション販売を展開したい
- BtoBの受注(見積もり・掛け払い・請求書払い)に対応したい
- ERPや在庫管理システムとAPI連携が必要
- 会員ランク・ポイントプログラムなど独自の販促施策を実施したい
- 複数ブランドや複数店舗を一元管理したい
業種・商材
- アパレル・ファッション(サイズ・カラー規格が複雑)
- 食品・生鮮品(賞味期限管理・産地表示が必要)
- BtoB卸売(法人会員の価格差別化が必要)
- デパートのオンラインショッピング移管など大手EC
体制
- 社内にエンジニアがいる、または外部の保守会社がある
- セキュリティアップデートに対応できる体制がある
BASEが向いているケース
次の条件に当てはまる場合、BASEからスタートする方が合理的です。
事業ステージ・売上規模
- これからECを始める、まず小さく試してみたい
- 当面の月商目標が50万円未満
- 既存の実店舗のオンライン販売チャネルを追加したい
運営体制
- エンジニアがいない、技術的な管理に時間・コストをかけたくない
- 1人〜数人のチームでサクッと運営したい
- すぐに販売を始めたい(スピード優先)
商材・販売スタイル
- ハンドメイド作品・デジタルコンテンツ・アート作品
- イベントグッズ・期間限定商品
- 個人作家・クリエイターの自作品販売
- 物販の副業・テスト販売
「第3の選択肢」フルスクラッチ開発という選択肢
EC-CUBEでもBASEでも解決できないケースがあります。FUNBREWにご相談いただくEC開発案件の約3割は、既存プラットフォームでは対応しきれない要件から生まれています。
フルスクラッチが向いているケース
- 他システムとの深いAPI連携が必要: 基幹システム(ERP・WMS・会計)とリアルタイム連携し、受注データを自動で連携したい
- 独自の決済・サブスク要件: 月次課金+都度販売の組み合わせなど、標準の決済フローでは対応できない
- ビジネスロジックが複雑: 業界特有の販売ルール(医薬品・酒類・食品の法規制対応など)
- マルチベンダー・マーケットプレイス型: 複数店舗が出店するモール型EC
- 大規模トラフィック対応: キャンペーン時に数万件同時アクセスが想定される
フルスクラッチのコスト感
フルスクラッチ開発の費用は機能規模によりますが、FUNBREWが手がけるEC開発の場合、基本的なECサイト(商品管理・受注管理・会員管理・決済連携)で300〜800万円程度。基幹システム連携や独自のサブスク機能を含む場合は800万円以上になることが多いです。
一方で、プラットフォームの月額費用・手数料・プラグイン費用・保守費用が積み重なると、数年でフルスクラッチのイニシャルコストを超えることも珍しくありません。ECサイト構築の費用相場全体についてはECサイト構築ガイド(費用相場・機能要件・開発会社の選び方)でより詳しく解説しています。
ECサイトの開発費用や月額費用が気になる方は、料金シミュレーターで概算をご確認いただけます。
まとめ:どちらを選ぶべきか
EC-CUBEとBASEの選択は「何を優先するか」によって決まります。
| 優先事項 | おすすめ |
|---|---|
| すぐに始めたい・技術知識がない | BASE |
| 初期費用を抑えたい | BASE(月商50万円以下の場合) |
| ランニングコストを抑えたい | EC-CUBE(月商50万円以上の場合) |
| デザインにこだわりたい | EC-CUBE |
| 将来の拡張・移行リスクを減らしたい | EC-CUBE |
| 独自要件・システム連携が必要 | フルスクラッチ開発 |
迷った場合の実務的なアドバイスとして、「まずBASEで検証し、月商50万円を超えたタイミングでEC-CUBEかフルスクラッチへの移行を検討する」という段階的アプローチが現実的です。
ただし、移行時のデータ移行コストや機会損失(ショップ停止期間)を考えると、事業計画から最初に適切なプラットフォームを選んだ方がトータルコストは安く収まることが多いです。
また、ShopifyをはじめとするほかのECプラットフォームとの比較はShopify vs EC-CUBE vs スクラッチ開発の比較記事もご参照ください。決済システムの選び方はECサイトの決済システム導入ガイドをご確認ください。
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