- システム開発で失敗する原因TOP5
- 各原因の具体的な防ぎ方
- 失敗を未然に防ぐためのチェックポイント
システム開発で失敗する原因TOP5と防ぎ方
「システム開発を外注したいけど、失敗したらどうしよう…」。初めてシステム開発を依頼する方にとって、これは最も大きな不安ではないでしょうか。
実際、システム開発プロジェクトの多くが何らかの問題を抱えると言われています。しかし、失敗の原因にはパターンがあり、事前に知っておけば防げるものがほとんどです。
この記事では、システム開発で特によくある失敗原因TOP5を、発注者の視点から解説します。それぞれの防ぎ方も具体的に紹介しますので、これから開発を検討している方はぜひ参考にしてください。
【原因1】ゴールが曖昧なまま開発を始めてしまう
どんな失敗が起きるか
「業務を効率化したい」「売上を上げたい」といった漠然とした目的のまま開発を進めると、以下のような問題が発生します。
- 開発途中で「やりたいこと」が次々と変わり、スケジュールが崩壊する
- 完成したシステムが「思っていたのと違う」ものになる
- 関係者ごとに求めるものが異なり、社内で意見がまとまらない
防ぎ方
「誰の」「どの業務が」「どう変わるか」を具体的に定義しましょう。
例えば、こう変換します。
| 曖昧な目的 | 具体的な目的 |
|---|---|
| 業務を効率化したい | 月末の請求書作成を3日→1日に短縮したい |
| 顧客管理をしたい | 営業5人が共有できる顧客リストを作り、対応漏れをゼロにしたい |
| もっと売上を上げたい | ECサイトのカゴ落ちを30%→15%に減らしたい |
ゴールが明確であれば、開発会社も的確な提案ができます。RFP(提案依頼書)にまとめておくと、さらにスムーズです。
【原因2】要件定義が不十分
どんな失敗が起きるか
要件定義は、システムに「何を」「どこまで」作るかを決める工程です。ここが不十分だと、以下のような事態に陥ります。
- 開発が進んでから「この機能も必要だった」と追加要望が連発し、予算が膨らむ
- 完成したシステムが現場の業務フローに合わず、使われない
- 開発会社との認識がズレたまま進み、作り直しが発生する
防ぎ方
- 現場の声を集める — 実際にシステムを使うスタッフにヒアリングし、日常業務の流れと課題を把握する
- 「Must」と「Want」を分ける — 絶対に必要な機能と、あれば嬉しい機能を明確に区別する
- 例外ケースも洗い出す — 「普段はこうだけど、月末だけ特別な処理がある」といったイレギュラーを漏らさない
- 議事録を残す — 打ち合わせの内容は必ず文書化し、双方で確認する
要件定義の具体的な進め方は要件定義のやり方ガイドで詳しく解説しています。
【原因3】コミュニケーション不足
どんな失敗が起きるか
- 開発会社に「お任せ」にした結果、完成品が期待と大きくズレる
- 問題が発生しても報告が遅れ、手遅れになってから気づく
- 仕様の解釈が食い違い、「言った・言わない」のトラブルになる
防ぎ方
プロジェクト開始時にコミュニケーションのルールを決めるのが効果的です。
| 決めておくこと | 具体例 |
|---|---|
| 定例ミーティングの頻度 | 週1回(30分)オンラインで実施 |
| 日常の連絡手段 | Slackの専用チャンネルで随時やり取り |
| 進捗報告の形式 | 毎週金曜に進捗レポートを共有 |
| 意思決定者 | 仕様に関する最終判断は○○部長が行う |
| 緊急時の連絡先 | ○○さんの携帯電話に連絡 |
特に開発の初期段階ではコミュニケーションの量を多めにし、認識のズレを早期に潰しておくことが重要です。
【原因4】スケジュール・予算の見積もりが甘い
どんな失敗が起きるか
- 納期に間に合わず、リリースが大幅に遅延する
- 予算を大幅にオーバーし、途中で開発を中断せざるを得なくなる
- 慌てて人員を追加しても、引き継ぎコストでかえって遅くなる
防ぎ方
- バッファを設ける — スケジュールには最低20%の余裕を持たせる。特にテスト期間は十分に確保する
- 見積もりの内訳を確認する — 「一式○○万円」ではなく、工程ごと・機能ごとの内訳を出してもらう
- 仕様変更のルールを事前に決める — 追加開発が発生した場合の費用算出方法と承認フローを契約に含める
- 段階的に開発する — すべてを一度に作ろうとせず、優先度の高い機能から段階的にリリースする
見積書の読み方についてはシステム開発の費用相場も参考にしてください。
【原因5】テスト・検収をおろそかにする
どんな失敗が起きるか
- リリース後にバグが大量に見つかり、業務に支障が出る
- 「動くけど使いにくい」システムになり、現場に定着しない
- 本番データを入れたら想定外のエラーが発生する
防ぎ方
- 受入テスト(UAT)を必ず実施する — 実際の業務シナリオに沿ってシステムを操作し、問題がないか確認する
- 本番に近いデータでテストする — テスト用のダミーデータだけでなく、実際の業務データに近いものでテストする
- 現場のスタッフにも触ってもらう — ITに詳しくない人が使って困らないか確認する
- 不具合の報告方法を決めておく — 「いつ・どの画面で・何をしたら・どうなったか」のフォーマットを用意する
システム開発の全工程についてはシステム開発の流れ完全ガイドで解説していますので、テスト工程の位置づけも含めて確認してみてください。
失敗を防ぐための開発会社の選び方
失敗を未然に防ぐには、開発会社選びの段階から意識することが大切です。以下のポイントをチェックしましょう。
| チェックポイント | 良い兆候 | 注意が必要な兆候 |
|---|---|---|
| ヒアリングの姿勢 | 業務内容を深く質問してくる | すぐに見積もりを出そうとする |
| 要件定義への関わり方 | 一緒に要件を整理してくれる | 「仕様書をください」と丸投げ |
| 見積もりの透明性 | 工程ごとの内訳を明示してくれる | 「一式○○万円」のみ |
| コミュニケーション | 定期的な進捗報告の仕組みがある | 連絡が遅い、報告が曖昧 |
| 実績の提示方法 | 類似案件の具体的な実績を説明できる | 実績の詳細を教えてくれない |
FUNBREWが大切にしていること
FUNBREWでは、開発前にプロトタイプを作成し、「実際に動くもの」を見ながら要件を固めるスタイルを採用しています。これにより、要件定義の曖昧さやコミュニケーション不足による失敗リスクを大幅に削減できます。「作ってから違った」ではなく「作る前に確認できる」のが強みです。
もし失敗しかけたら?早めの対処が重要
プロジェクトの途中で「うまくいっていない」と感じたら、以下のアクションを早めに取りましょう。
- 現状を正直に共有する — 開発会社と発注者の双方が問題を認識し、オープンに話し合う
- スコープを見直す — 優先度の低い機能を後回しにし、コアとなる機能に集中する
- 第三者の意見を求める — 社内外の有識者にプロジェクトの状態をレビューしてもらう
- 契約内容を確認する — 仕様変更や追加費用に関する取り決めを改めて確認する
問題を放置すればするほど、リカバリーのコストは大きくなります。「おかしいな」と感じたら、1週間以内にアクションを起こしましょう。
関連記事として、テスト工程の進め方もあわせてご覧ください。
まとめ
システム開発の失敗は、多くの場合「開発が始まる前」の段階で原因が生まれています。
- ゴールの曖昧さ → 具体的な目的を「誰の・どの業務が・どう変わるか」で定義する
- 要件定義の不足 → 現場の声を集め、Must/Wantを分け、例外ケースも洗い出す
- コミュニケーション不足 → 定例ミーティングと連絡ルールを事前に設定する
- 見積もりの甘さ → バッファを持ち、内訳を確認し、仕様変更ルールを決める
- テストの軽視 → 受入テストを必ず実施し、本番に近い環境で検証する
逆にいえば、これらのポイントを押さえておけば、システム開発の成功確率は大きく上がります。
「初めての外注で不安がある」「過去に失敗した経験がある」という方は、お問い合わせからお気軽にご相談ください。プロトタイプを使った開発スタイルで、失敗リスクを最小限に抑えたシステム開発をご提案します。
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