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システム開発

保守会社の比較サンプル|大手SIer・中小Web制作会社・フリーランスを30項目で評価した実物表

2026年4月25日 約8分で読めます
この記事でわかること
  • システム保守を依頼できる4タイプの会社(大手SIer/中小Web制作会社/フリーランス/個人事業主)の特徴
  • 30項目の評価軸で4タイプを比較した実物の比較表
  • 自社の課題に合った保守会社のタイプの選び方
  • タイプ別に陥りやすい契約の落とし穴と回避策
  • 「料金が安い=コスパが良い」とは限らない理由
関連記事マップ(中小企業の保守外注クラスター)

なぜ「タイプ別」の比較が必要か

保守会社を比較するとき、多くの中小企業は「金額」と「実績数」だけで決定してしまいます。しかし保守会社は提供形態によって料金体系・対応スピード・契約の柔軟性が大きく異なります。「同じ業種の保守実績10件」と書かれていても、大手SIerと中小Web制作会社では中身がまったく違います。

本記事では、保守会社を以下の4タイプに分類し、30項目の評価軸で比較した実物サンプルを公開します。発注前に「自社にはどのタイプが合うか」を見極めるための実用ツールとして使ってください。

比較対象の4タイプ

タイプ規模感主な対象顧客典型的な月額
大手SIer従業員1,000人以上大企業/官公庁/金融30万円〜
中小Web制作会社従業員10〜100人中小企業/中堅企業5万〜30万円
フリーランス(法人化済)1〜3人スタートアップ/個人事業主5万〜15万円
個人事業主1人個人事業主/小規模法人3万〜10万円

「フリーランス(法人化済)」と「個人事業主」を分けたのは、契約の安定性・税務処理・賠償責任の観点で違いがあるためです。法人化していれば事業継続性が高く、個人事業主の場合は廃業リスクが相対的に高くなります。

比較サンプル①:料金・契約軸(10項目)

評価項目大手SIer中小Web制作会社フリーランス個人事業主
1. 月額費用の透明性低(一式表記)高(プラン明示)高(時間単価明示)中(人による)
2. 最低契約期間12〜24ヶ月3〜12ヶ月1〜3ヶ月1ヶ月〜
3. 解約予告期間3〜6ヶ月前1〜2ヶ月前1ヶ月前1ヶ月前
4. 月額変更の柔軟性低(年1回見直し)中(半年に1回可)高(随時相談可)
5. 追加対応の単価15,000〜25,000円/h10,000〜18,000円/h8,000〜15,000円/h5,000〜10,000円/h
6. 月間時間の繰越不可が多い会社による
7. 充填型保守の有無なし一部ありありあり
8. 契約書の修正交渉困難可能柔軟柔軟
9. SLA明文化標準で明示明示するが交渉余地あり個別合意個別合意
10. ペナルティ条項あり(金額大)あり(金額小〜中)個別合意明文化困難

大手SIerは「契約の堅牢性」と引き換えに「柔軟性」を犠牲にする構造です。中小企業の場合、ビジネス環境の変化に応じて月額や対応範囲を調整したいニーズが強いため、中小Web制作会社かフリーランスの方が相性が良いケースが多くなります。

比較サンプル②:対応・体制軸(10項目)

評価項目大手SIer中小Web制作会社フリーランス個人事業主
11. 障害発生時の初動2〜4時間(体制良)1〜4時間30分〜2時間(営業時間内)1〜数時間(属人)
12. 営業時間外対応別契約で可会社による個別相談難しい
13. 担当者の継続性低(PM変更頻発)中〜高高(本人継続)本人のみ
14. エンジニア直接対応不可(営業経由)会社による
15. 営業/ディレクター介在多い(伝言コスト大)少ないなし
16. 担当エンジニアの人数3〜10人1〜3人(推奨2人以上)1人1人
17. 属人化リスク中(2名体制で軽減可)非常に高
18. 月次レポート標準提供会社による個別合意限定的
19. 改善提案の頻度少ない(依頼ベース)多い(提案ベース)多い頻度個別
20. 技術負債の指摘力非常に高非常に高

「エンジニア直接対応か」「営業介在で伝言コストが発生するか」は、特に中小企業にとって運用品質に直結します。属人化対策の完全ガイドでも解説しているとおり、フリーランス・個人事業主に依頼する場合は「2名体制」が組めるかが最大のリスクポイントです。

「営業担当→ディレクター→エンジニア」と3層を経由する大手SIerと、「直接エンジニア」の中小Web制作会社では、軽微な修正の対応スピードに5〜10倍の差が出ることがあります。「月額が安い」ではなく「初動の速さ」を比較することが、本当のコスパ評価になります。

比較サンプル③:実績・継続性軸(10項目)

評価項目大手SIer中小Web制作会社フリーランス個人事業主
21. 同業界の実績件数10件以上3〜10件1〜5件0〜3件
22. 同規模システムの実績大規模中心中小規模中心小規模中心小規模のみ
23. レガシー言語対応不可〜限定対応可(人による)得意分野次第得意分野次第
24. モダン技術への移行提案少ない多い多い多い
25. セキュリティ更新の頻度月次以上月次〜随時随時随時(属人)
26. 事業継続性非常に高い高い(数年以上)中(法人化済)低(廃業リスク)
27. 賠償責任保険加入加入が多い個別確認未加入が多い
28. ソースコード管理厳格(社内ルール)厳格〜標準標準個人依存
29. ドキュメント整備充実標準〜充実個人依存限定的
30. 引き継ぎ容易性困難(独自ルール)容易容易(小規模)本人不在で困難

「26. 事業継続性」と「30. 引き継ぎ容易性」は、保守の長期視点で最重要です。個人事業主に依頼する場合、廃業や本人の体調不良で保守が突然止まるリスクは常に存在します。開発会社が倒産・連絡不能になったケースの対処もあわせてご覧ください。

タイプ別の「選ぶべきケース」

大手SIerが向いているケース

  • システムが大規模(100画面以上)で、複数チームの並行対応が必要
  • 金融・公共系で監査要件が厳しく、契約・体制の堅牢性が最優先
  • 24/365の運用監視体制が必要で、夜間・休日対応の標準提供を求める
  • 事業継続性に1ミリの不安も許容できない

中小Web制作会社が向いているケース

  • システムが中小規模(30〜100画面)で、機能改善も継続的に依頼したい
  • 料金の透明性と契約の柔軟性を両立したい
  • 2名以上のチーム体制で属人化を回避したい
  • レガシー言語からモダン技術への移行提案も期待したい

フリーランス(法人化済)が向いているケース

  • システムが小規模(10〜30画面)で、月額費用を抑えたい
  • エンジニアと直接やり取りしたい
  • 事業継続性は法人化で一定担保しつつ、柔軟性を最優先する
  • 属人化リスクを許容できる業務領域である

個人事業主が向いているケース

  • WordPress・小規模なECなど、ライトな保守ニーズ
  • 3万〜5万円の最小予算で運用したい
  • 業務影響度が中以下で、停止リスクを許容できる
  • 引き継ぎ可能なドキュメントを必ず整備してもらう前提で発注する

選定の落とし穴と回避策

落とし穴1:「実績数」だけで判断してしまう

「100社の保守実績」と書かれていても、その内訳が大手1社と中小99社では中身が全く違います。「自社と同規模・同業種の実績件数」を必ず確認してください。

落とし穴2:月額費用の比較が「総額」になっていない

月額10万円のプランでも、追加対応が頻発して月20〜30万円になるケースがあります。過去1年の追加費用を含めた総額で比較するのが正確です。

落とし穴3:契約書を読まずに発注してしまう

解約予告期間・SLA未達ペナルティ・成果物の所有権など、トラブル時に効いてくる条項は契約書に明記されています。保守契約の落とし穴チェックリストで7つの確認ポイントを整理しています。

落とし穴4:1名体制の会社を選んでしまう

「専任担当者がつく」と聞くと安心しますが、1名体制は属人化リスクの最たる例です。「メイン担当+サブ担当の2名体制か」を必ず確認してください。

落とし穴5:見積もりを1社からしか取らない

相場感を掴むには最低3社の見積もり比較が必要です。タイプの異なる3社(大手SIer1社+中小Web制作会社1社+フリーランス1社)から取ると、料金の妥当性と対応の違いが明確になります。

「保守は安いに越したことはない」と考える方は多いですが、実際には「対応が遅くて機会損失」「属人化で突然停止」といった隠れたコストが、月額費用の何倍にもなることがあります。3社相見積もりで「同じ規模で同じ対応範囲」の見積もりを取り、総額と対応品質の両面で比較してください。

FUNBREWの位置づけ

FUNBREWは「中小Web制作会社」のカテゴリに該当します。具体的なサービス特徴は以下の通りです。

項目FUNBREWの提供内容
月額費用10万円〜30万円(3プラン明示)
担当体制最低2名のチーム体制
エンジニア対応営業介在なし、エンジニア直接対応
充填型保守あり(安定稼働月の保守工数を開発に充填)
レガシー対応PHP・WordPress・EC-CUBE等の経験あり
モダン化提案四半期ごとに技術的負債と改善提案をレポート

詳しくは保守サービスページをご覧ください。30分の無料相談で、自社のシステムにどのタイプが合うかをご提案します。

関連記事

まとめ

保守会社の選定は「料金」と「実績数」だけで判断せず、4タイプの構造的な違いを理解した上で、自社の要件に合うタイプを選ぶことが重要です。

  • 大手SIer: 大規模・監査要件厳格・継続性最優先
  • 中小Web制作会社: 中小規模・透明性と柔軟性のバランス
  • フリーランス(法人化済): 小規模・直接やり取り重視
  • 個人事業主: ライト保守・最小予算・引き継ぎ前提

FUNBREWでは無料相談(30分)で、自社のシステム規模と課題に基づいて適切なタイプをご提案します。お問い合わせからお気軽にご相談ください。

よくある質問
保守会社のタイプはどう選べばいいですか?
「システム規模」「契約の柔軟性」「事業継続性の重視度」の3軸で判断します。100画面超で監査要件厳格なら大手SIer、30〜100画面で柔軟性重視なら中小Web制作会社、10〜30画面で直接やり取り重視ならフリーランス(法人化済)、ライトな保守なら個人事業主が目安です。
「同業界の保守実績100件」と書かれた会社は本当に信頼できますか?
実績の中身を確認する必要があります。大手1社の運用と中小99社の運用では中身が全く違うため、「自社と同規模・同業種の実績件数」を必ず尋ねてください。実物の事例(システム規模・対応内容・期間)を3つ以上提示できる会社を優先しましょう。
月額が安い会社を選んだ方がコスパが良いのでは?
月額単体での比較は危険です。追加対応の単価・対応スピード・属人化リスク・事業継続性を含めた総額・総合評価で判断してください。「月額10万円だが追加で20万円」のケースより「月額20万円で追加なし」の方が総額で安くなることもあります。
フリーランスや個人事業主に頼むときの最大リスクは?
「事業継続性」と「属人化」の2つです。本人の体調不良・廃業・転職で保守が突然停止するリスクを常に抱えます。発注する場合は「ドキュメント整備の義務化」「ソースコード所有権の発注者帰属」「引き継ぎ可能な状態の維持」を契約に明記してください。
見積もりを取る際、何社くらい比較すればいいですか?
タイプの異なる3社(大手SIer1社+中小Web制作会社1社+フリーランス1社)から取るのが理想です。同じシステム規模・同じ対応範囲で見積もり依頼することで、料金の妥当性と対応品質の違いが明確になります。1社からだと相場感が掴めません。

どのタイプが自社に合うか判断したい方へ

30分の無料相談で、システム規模と課題に基づいて最適な保守会社タイプをご提案します。

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