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システム開発

業務システムの使いやすさを改善する方法|UIリニューアルの進め方

2026年3月8日 約11分で読めます
この記事でわかること
  • 業務システムのUI/UX改善が業務効率に与える影響
  • よくあるUI問題パターンと改善例
  • UI改善の優先度の決め方(ユーザビリティテスト)
  • 改善の費用と進め方
  • 社内システムのUI改善事例
  • FUNBREWが実践するUI改善の技術アプローチと開発手法

なぜ業務システムのUI改善が重要か

業務システムは毎日何時間も使うツールです。使いにくいUIは1回の操作では数秒のロスですが、年間で計算すると膨大な時間の損失になります。

UI改善の経済効果

改善項目 1回の短縮 1日の回数 年間効果(250日)
入力フォームの最適化 30秒 20回 約42時間/人
画面遷移の削減 10秒 50回 約35時間/人
検索機能の改善 1分 10回 約42時間/人
エラーメッセージの明確化 2分 5回 約42時間/人
合計 約160時間/人/年

50人が使うシステムなら年間8,000時間 = 約4,000万円相当(時給5,000円換算) のコスト削減です。

よくあるUI問題と改善例

問題①: 入力フォームが多すぎる

Before: 1画面に30以上の入力項目。スクロールが必要で全体像が見えない After: ステップ形式に分割(基本情報→詳細→確認の3ステップ)。必須/任意の明確化

問題②: 画面遷移が多すぎる

Before: 1つのタスクを完了するのに5画面の遷移が必要 After: タブ/アコーディオンで1画面に集約。モーダルウィンドウの活用

問題③: エラーメッセージが不親切

Before: 「入力エラーがあります」(どこが?何が?) After: 「電話番号はハイフンなしの11桁で入力してください(例: 09012345678)」

問題④: 検索・フィルタリングが貧弱

Before: 完全一致検索のみ。日付範囲指定ができない After: あいまい検索対応、フィルターの組み合わせ、検索履歴の保存

問題⑤: 一覧画面の情報密度が不適切

Before: 20カラムの一覧表で横スクロール必須 After: デフォルトは5〜7カラム、カラムの表示/非表示をカスタマイズ可能に

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業務システムのUI改善で最も効果が大きいのは「入力の自動化・省略」です。住所入力なら郵便番号からの自動入力、取引先名なら途中入力での候補表示。ユーザーが手入力する項目を1つ減らすだけで、エラー率も劇的に下がります。まず「最も頻繁に使われる画面」の入力項目を減らすことから始めてください。

UI改善の優先度の決め方

ユーザビリティテストの実施

  1. 対象者選定: 実際にシステムを使っている社員5名(異なる部門・スキルレベル)
  2. タスク設計: 「新規顧客を登録して見積もりを作成してください」等の現実的なタスク
  3. 観察: タスク実行中のつまずきポイント、迷い、エラーを記録
  4. 分析: 問題の重大度(頻度 × 影響度)で優先度を決定

優先度マトリクス

影響度\頻度 毎日発生 週1〜2回 月1〜2回
業務が止まる 最優先 最優先 重要
効率が低下 最優先 重要 改善推奨
不便を感じる 重要 改善推奨 余裕時

改善の費用と進め方

費用目安

改善規模 費用 期間 内容
軽微な改善 10〜50万円 1〜2週間 文言修正、色・レイアウト調整
画面単位の改善 50〜200万円 1〜2ヶ月 特定画面のUI刷新
全体的なUI刷新 200〜1,000万円 3〜6ヶ月 デザインシステム構築、全画面改善

進め方

Phase 1: 現状分析(2〜4週間)

  • ユーザビリティテストの実施
  • ユーザーインタビュー(困っていること、改善要望)
  • 操作ログの分析(どの画面で時間がかかっているか)

Phase 2: 改善案の設計(2〜4週間)

  • ワイヤーフレームの作成
  • プロトタイプでの検証(Figmaの共有リンク)
  • ユーザーレビュー→フィードバック反映

Phase 3: 実装・リリース(1〜3ヶ月)

  • フロントエンドの改修
  • A/Bテスト(可能であれば)
  • 段階的リリース(一部ユーザーから)
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UI改善のROIが最も高いのは「最も多くの人が、最も頻繁に使う画面」の改善です。全画面を同時に改善しようとせず、利用頻度の高い上位3画面に集中してください。その3画面だけで、UI改善効果の80%が得られるはずです。

FUNBREWのUI改善アプローチ

ここからは、FUNBREWが実際にUI改善プロジェクトで採用している技術スタックと開発手法をご紹介します。中小企業の予算と要求に最適化した、現実的で持続可能なアプローチを解説します。

中小企業に最適化した技術選定

FUNBREWでは、Laravel + Vue.js + Inertia.js を主軸としたUI改善を行っています。この組み合わせを選ぶ理由を3つご説明します。

① 中小企業のUI開発に最適な技術構成

Vue.jsは、Laravelに最初に採用されたSPA(Single Page Application)フレームワークです。その後LivewireなどのライトなUIフレームワークも登場していますが、リッチで高度な画面操作が求められる業務システムでは、Vue.jsの表現力が重要になります。

Inertia.jsは、SPA(Single Page Application)の良さとSSR(Server Side Rendering)の技術を同時に活用できるため、2026年現在では最もバランスの取れた選択肢だと考えています。

② 保守性・拡張性の観点から

Vueは既に息の長いプロダクトとなり、エコシステムが成熟しています。一方、LivewireはLaravelエンジニアにとっては魅力的な技術ですが、保守・運用できるエンジニアの母数がまだ限られているのが現状です。

将来的にシステムを拡張したい場合や、保守・運用を内製化したい場合を考慮すると、エンジニア採用の観点からもVue.jsが安全な選択と言えます。

③ コストパフォーマンスの観点から

jQueryなどの古い技術は、近年のフロントエンド開発では新規採用する理由がありません。また、Livewireは前述の通り対応できるエンジニアが限定的で、採用コストの観点から課題があります。

Vue.js + Inertia.jsの組み合わせは、技術の新しさと人材確保のバランスが取れており、中長期的なコストパフォーマンスが優秀です。

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技術選定では「最新であること」よりも「持続可能であること」を重視しています。5年後、10年後も安心して運用できる技術を選ぶことで、結果的にお客様のコストを抑えることができるんです。

UI改善プロジェクトでの技術的なこだわり

フロントエンド:コンポーネント設計の現実解

理論上は、コンポーネントの再利用を最大化することが理想です。しかし実際のプロジェクトでは、技術的に再利用しやすい設計と、ユーザーが求める画面設計が異なるケースが多々あります。

FUNBREWでは、過度な抽象化を避け、必要に応じてコンポーネントを分ける方針を採用しています。これにより、メンテナンス性を保ちながら、ユーザーのニーズに柔軟に対応できます。

バックエンド:Inertia.jsの最適化

Inertia.jsを使用することで、バックエンド側のデータ構造が自動的にフロントエンド最適化されます。これにより、追加の API 設計作業なしに最適なユーザー体験を実現できています。

パフォーマンス:Laravelの恩恵を最大活用

ページ読み込み速度の改善では、Laravelが提供するキャッシュ機能を積極的に活用しています。フレームワークが提供する最適化機能を使うことで、個別のパフォーマンスチューニング工数を削減しながら高速化を実現しています。

中小企業のUI改善でよくある課題と解決法

これまで数多くの中小企業様のUI改善をお手伝いする中で、共通して発生する課題と、FUNBREWなりの解決アプローチをご紹介します。

課題1: デザインの完成度を追求しすぎる傾向

よく発生するシーン: リリース前の段階で、デザインの詳細について過度に検討が重ねられ、なかなか開発が進まないケースがあります。

一般的な問題: UI設計の詳細にこだわりすぎることで、本来のコア機能開発にも影響が及び、スケジュールが大幅に遅れてしまうことがあります。

FUNBREWの解決アプローチ: まず最初に「デザインがコア機能の要件を満たしているか」を確認し、最小限の実装でユーザーの反応を見るアプローチを提案しています。完璧を求めすぎず、改善サイクルを回すことを重視します。

結果: 開発スケジュールの大幅な改善と、実際のユーザーフィードバックに基づくより効果的な改善が可能になります。

課題2: UI改善と機能変更が混同される問題

よく発生するシーン: UI改善を検討している過程で、業務フロー自体の変更が必要な改善案が浮上し、予算と工期が大幅に超過するケースです。

一般的な問題: 見た目の改善のつもりが、いつの間にか新機能開発になってしまい、当初予算の2-3倍のコストになってしまうことがあります。

FUNBREWの解決アプローチ: 既存機能を活用した画面遷移の工夫や、段階的な改善プランの提案を行います。まずは現在のシステム構成の中でできる改善から始め、大きな変更は次のフェーズで検討する方針です。

結果: 追加費用なしにユーザーエクスペリエンスの大幅な改善が実現できます。

プロトタイプ重視の開発プロセス

FUNBREWが最も重視しているのは「プロトタイプファースト」のアプローチです。これには業務システム特有の事情があります。

なぜプロトタイプが重要なのか

多くのお客様にとって、UIは「デザイン」として認識されがちです。しかし、制作会社が作るWebサイトのデザインと、システム開発でのUI設計は全く別の専門分野です。

また、UIデザインは機能とトレードオフの関係にあることが多く、「見た目の良さ」と「操作しやすさ」「開発コスト」のバランスを、プロトタイプを通じて理解していただくことが重要です。

具体的な検証プロセス

FUNBREWでは以下のプロセスでプロトタイプ検証を行います:

  1. ヒアリング - 現在の課題と理想の状態を詳しく聞き取り
  2. プロトタイプ開発 - 実際に動かせる形での画面作成
  3. フィードバック - お客様による操作と改善要望の収集
  4. 改善サイクル - 上記を2-3回繰り返し、最適解を探る

お客様からの評価

「実際の画面が見られるのでわかりやすい」というお声をよくいただきます。また、「ここまでやってくれるのは逆に申し訳ない」と言われるほど、プロトタイプの完成度とサポート体制を評価していただいています。

段階的リリースによるリスク最小化

一気にリニューアルしない理由

古いデザインのシステムは、往々にして古い技術で構築されています。技術的制約も多いため、システム全体の安定性を保ちながらのテストが極めて重要です。

段階的リリースの進め方

FUNBREWでは以下の順序で段階的な改善を行います:

  1. 技術基盤のモダン化 - 古い技術スタックのアップデート
  2. UIの改善 - ユーザーインターフェースの刷新
  3. ユーザー合意の形成 - toBシステムでは、「使いづらさ」よりも「慣れ」が勝ることが多いため、利用者(担当者)の合意形成が重要

ユーザー教育・サポート

新しいUIへの移行時には、マニュアル作成と説明会を必ず実施します。もちろん、これらの準備の前段階から、ユーザーの意見を聞いて改善を重ねることで、スムーズな移行を実現しています。

データドリブンな改善サイクル

効果測定の方法

FUNBREWが手がけるのは主にtoB向けのシステムです。そのため、アクセス解析よりも利用者へのヒアリングを重視しています。リリース後、半年後程度までの期間で、実際のユーザーから使用感をお聞きする機会を設けています。

改善のPDCAサイクル

定期的なヒアリングのタイミングで、変更後に使いづらいと感じる箇所を吸い上げ、次の改善に反映していきます。ただし、これらの対応は保守契約を結んでいるプロジェクトに限定されます。

長期的なメンテナンス戦略

UIに関わらず、システム全体(サーバー、プログラミング言語、ライブラリ)のメンテナンスを継続的に行います。これにより、技術的に対応できない状況を絶対に作らないことを方針としています。

成功事例:オンライン学習システムのUI刷新

改善前の状況

システムの老朽化により、緊急時対応などの消極的な保守のみが行われ、数年間にわたってシステムのアップデートが実施されていませんでした。UIも古く、利用者からも改善の要望が多く寄せられていました。

改善施策

技術的な制約が多かったため、段階的改善ではなく完全なリプレースメントを実施しました。新しい技術スタックでの再構築により、根本的な問題を解決しています。

改善効果

「まず見た目の古さがなくなった」という声を多くいただきました。また、グラフ表示ツールなども刷新したため、データの視覚的な理解が格段に向上し、利用者の業務効率が改善されています。

技術的なポイント

UI刷新ではTailwind CSSを採用しました。これにより、デザイン会社に依存しない、システム開発会社主導でのUI設計が可能になり、保守性とコストパフォーマンスの両方を実現できています。

2026年以降のUI/UXトレンド

注目している技術:Tailwind CSS

現在FUNBREWが最も注目しているのはTailwind CSSです。従来のようにデザイン会社に依存する開発ではなく、システム開発会社が主導でUI/UXを設計できる環境が整ってきています。

中小企業への影響は限定的ですが、開発効率とコストパフォーマンスの向上により、より高品質なUIを低コストで提供できるようになります。

コストを抑えながら最新UIを実現する方法

技術選定のコツ: エンジニアが会社のデザイン能力に左右されにくい、TailwindやそれをベースとしたCSSフレームワークの採用をおすすめしています。

段階的モダナイゼーション: まずは古い技術(特にjQuery)からの脱却を最優先とし、その後段階的に最新技術を導入していくアプローチが現実的です。

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UI改善は「一度やったら終わり」ではなく、継続的な改善プロセスです。最新技術を追い求めるよりも、お客様の業務に本当に必要な機能を見極め、持続可能な技術で実現することが、長期的な成功の秘訣だと考えています。

まとめ

  • 業務システムのUI改善は年間160時間/人の効率化効果
  • よくある問題:入力項目が多い、画面遷移が多い、エラーメッセージが不親切
  • ユーザビリティテスト(5名)で改善の優先度を客観的に決定
  • まず「最も頻繁に使う上位3画面」に集中して改善
  • 費用は軽微な改善10〜50万円から全面刷新200〜1,000万円まで
  • FUNBREWでは Laravel + Vue.js + Inertia.js で持続可能なUI改善を実現
  • プロトタイプファーストで失敗リスクを最小化し、段階的リリースで安全な移行を支援

業務システムUI改善のご相談は、お問い合わせからお気軽にどうぞ。

よくある質問
UI/UXの改善効果はどのくらいありますか?
業務システムのUI改善では、操作時間の20〜40%短縮やミス率の大幅減少が見られるケースがあります。ECサイトではコンバージョン率の向上に直結するため、投資対効果が高い施策です。
UI/UXの改善はどこから始めるべき?
まずはユーザーの声を集めることから始めましょう。実際に使っている人の不満や困りごとを把握し、影響度の大きい箇所から改善していくのが効果的です。
UI/UXデザインの外注費用は?
画面デザインのリニューアルで50〜200万円、ユーザビリティテストの実施で30〜100万円が目安です。改善の範囲や対象画面数によって変わるため、まずは現状の課題を整理してから見積もりを取りましょう。

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