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システム開発

SES契約と派遣の違い|偽装請負のリスクと適切な活用方法

2026年3月8日 約4分で読めます
この記事でわかること
  • SES契約と派遣契約の法的な違い
  • 偽装請負のリスクと見分け方
  • SES・派遣・請負の使い分け基準
  • SESの単価相場とコスト比較
  • エンジニア調達の最適な方法

SES・派遣・請負の違い

SES(System Engineering Service)、派遣、請負は、いずれも外部のエンジニアを活用する契約形態ですが、法的な位置づけと指揮命令関係が大きく異なります。

3つの契約形態比較

比較項目 SES(準委任) 派遣 請負
契約の法的分類 準委任契約 労働者派遣契約 請負契約
指揮命令権 SES会社に帰属 発注者(派遣先)に帰属 請負会社に帰属
成果物責任 なし(善管注意義務) なし あり(完成義務)
料金形態 月額精算 時間単価 一括固定
期間制限 なし 同一組織3年まで なし
社会保険 SES会社が負担 派遣会社が負担 請負会社が負担

指揮命令関係の図解

SES: 発注者 →(依頼)→ SES会社 →(指示)→ エンジニア

  • 発注者はエンジニアに直接指示できない(SES会社を通す)

派遣: 発注者 →(直接指示)→ エンジニア

  • 発注者がエンジニアに直接業務指示できる

請負: 発注者 →(要件提示)→ 請負会社 →(指示)→ エンジニア

  • 発注者は成果物のみ確認、作業方法への指示は不可

偽装請負のリスク

偽装請負とは

SES契約(準委任)なのに、実態として発注者がエンジニアに直接指揮命令している状態を「偽装請負」といいます。これは労働者派遣法違反であり、罰則の対象です。

偽装請負のチェックポイント

チェック項目 SES(適法) 偽装請負(違法)
業務指示 SES会社を通して依頼 発注者が直接指示
勤怠管理 SES会社が管理 発注者が管理
評価 SES会社が評価 発注者が評価
作業場所・時間 SES会社が決定 発注者が指定
服装・ルール SES会社の規定 発注者のルールに従う

違反時のペナルティ

  • 派遣法違反: 1年以下の懲役 or 100万円以下の罰金
  • 労働契約申込みなし制度: 偽装請負の状態で1年以上経過すると、発注者がそのエンジニアに直接雇用の申込みをしたものとみなされる
💬
SES契約で最も注意すべきは「偽装請負」です。現場では発注者がSESエンジニアに直接指示を出すケースが非常に多いですが、これは違法です。必ずSES会社のリーダーを通して業務依頼してください。直接指示が必要なら、派遣契約に切り替えるのが正しい対応です。

SESの単価相場

スキルレベル別単価

レベル 経験年数 SES月額単価 派遣時給換算
ジュニア 1〜3年 40〜60万円 2,500〜3,500円
ミドル 3〜7年 60〜90万円 3,500〜5,000円
シニア 7年以上 90〜120万円 5,000〜7,000円
PM/アーキテクト 10年以上 100〜150万円 6,000〜9,000円

技術スタック別の単価傾向

技術 単価傾向 理由
Java 標準 需要・供給ともに最大
Python/AI 高め(+10〜20%) AI/データサイエンス需要
Go/Rust 高め(+10〜20%) 供給不足
PHP やや低め 供給が豊富
AWS/クラウド 高め(+10〜20%) クラウド移行需要
セキュリティ 高め(+20〜30%) 供給不足が深刻

SES・派遣・請負の使い分け

状況 おすすめ 理由
要件が明確で完成物が欲しい 請負 成果物責任あり
自社チームに直接指示したい 派遣 指揮命令権が発注者に
技術力を借りたい(指示不要) SES 専門チームに任せる
短期(1〜3ヶ月) SES or 派遣 請負だと規模が小さすぎる
長期(6ヶ月以上) 派遣 or 請負 SESは長期だと高コスト
💬
エンジニア調達で最もコスパが良いのは「請負契約で一括発注」です。ただし要件が明確であることが前提。要件が不明確な段階ではSESか派遣でエンジニアを調達し、要件が固まったら請負に切り替える「段階的アプローチ」が最もリスクが低いです。

エンジニア調達のコスト比較

同じエンジニアを12ヶ月確保する場合のコスト

調達方法 月額コスト 年間コスト メリット
SES 60〜90万円 720〜1,080万円 即日〜1週間で確保
派遣 50〜80万円 600〜960万円 直接指示可能
正社員採用 40〜70万円(年収含む) 480〜840万円 長期的に最安
フリーランス 70〜120万円 840〜1,440万円 高スキル人材

判断基準

  • 3ヶ月以内の短期 → SES or フリーランス
  • 3〜12ヶ月の中期 → 派遣(コスト最適)
  • 12ヶ月以上の長期 → 正社員採用を検討

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まとめ

  • SES(準委任)は指揮命令がSES会社に帰属。発注者の直接指示は偽装請負
  • 派遣は発注者が直接指示可能だが、3年の期間制限あり
  • 請負は成果物に対する完成責任があり、要件明確な案件に最適
  • 偽装請負は懲役・罰金の対象。SES利用時は指揮命令関係を厳守
  • 状況に応じてSES→派遣→請負の段階的切替が最も安全

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よくある質問
システム開発の契約で注意すべきポイントは?
成果物の定義、検収条件、瑕疵担保(契約不適合責任)の範囲と期間、知的財産権の帰属を明確にすることが重要です。口頭の合意ではなく、必ず書面で取り決めましょう。
請負契約と準委任契約、どちらを選ぶべき?
完成物が明確に定義できる場合は請負契約、要件が流動的な場合やアジャイル開発には準委任契約が適しています。工程ごとに契約形態を変える「多段階契約」も有効な選択肢です。
開発途中でトラブルが起きた場合の対処法は?
まずは契約書の紛争解決条項を確認しましょう。多くの場合、協議→調停→裁判の流れです。トラブルを防ぐためには、定期的な進捗報告と議事録の作成を契約時に取り決めておくことが重要です。

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