- NDA(秘密保持契約)の基本と法的効力
- システム開発でNDAが必要なタイミング
- NDAに盛り込むべき条項と注意点
- 片務型・双務型の違いと選び方
- NDAのテンプレートと修正ポイント
NDAとは
NDA(Non-Disclosure Agreement/秘密保持契約)は、取引の過程で知り得た相手方の秘密情報を、第三者に漏洩しない・目的外で使用しないことを約束する契約です。
システム開発では、発注者のビジネスモデル・顧客データ・技術情報などの機密情報を開発会社と共有する必要があるため、開発の商談段階でNDAを締結するのが一般的です。
NDAが必要なタイミング
| タイミング | 理由 | 緊急度 |
|---|---|---|
| RFP(提案依頼書)送付前 | ビジネスの構想・要件を開示する | ★★★(必須) |
| 複数社への相見積もり時 | 各社に自社の情報を開示する | ★★★(必須) |
| 開発委託契約の前 | 詳細な業務情報を共有する | ★★★(必須) |
| PoC(概念実証)開始前 | テストデータに実データを使う場合 | ★★☆ |
| 保守運用の委託時 | 本番データへのアクセスが発生 | ★★★(必須) |
NDAの種類
片務型 vs 双務型
| 種類 | 開示側 | 受領側 | 使用場面 |
|---|---|---|---|
| 片務型(一方向) | 発注者のみ | 開発会社のみ | 一般的な開発委託 |
| 双務型(双方向) | 双方 | 双方 | 共同開発、技術パートナー |
選び方: 通常のシステム開発委託なら片務型(発注者→開発会社の一方向)で十分。共同開発や技術提携では双務型を使います。
NDAに盛り込むべき条項
必須条項
①秘密情報の定義
- 何が秘密情報に当たるかを明確に定義
- 書面の場合:「秘密」「Confidential」等のマーキング
- 口頭の場合:開示後○日以内に書面で秘密指定
- 除外事項:公知の情報、独自に開発した情報等
②秘密保持義務
- 第三者への開示禁止
- 目的外使用の禁止
- 善管注意義務での管理
③有効期間
- NDA自体の有効期間:通常1〜3年
- 秘密保持義務の存続期間:契約終了後も2〜5年
- システム開発では「契約終了後3年」が一般的
④返還・廃棄義務
- 契約終了時に秘密情報を返還 or 廃棄
- 廃棄の場合は廃棄証明書の発行
⑤損害賠償
- 違反時の損害賠償義務
- 損害賠償額の上限(設ける場合)
注意すべきポイント
①競業避止条項に注意 開発会社側のNDAに「同業他社の案件を受託しない」という競業避止条項が含まれている場合があります。これは開発会社にとって過度な制限なので、期間と範囲を限定するよう交渉してください。
②従業員・下請けへの波及 開発会社が下請けに再委託する場合、下請けにもNDAの義務を課す条項が必要です。「受領者は自己の役員・従業員・委託先にも同等の義務を課す」という条項を入れてください。
③法的強制力の限界 NDAは「漏洩しない約束」であり、漏洩を物理的に防ぐものではありません。NDAに加えて、アクセス制御・ログ管理・データの暗号化などの技術的対策も必要です。
NDA締結の実務フロー
Step 1: ドラフトの作成(1〜3日)
- テンプレートをベースに自社用にカスタマイズ
- 弁護士によるリーガルチェック(推奨)
Step 2: 相手方へ送付・交渉(3〜14日)
- 修正依頼があれば交渉
- 重要条項(秘密情報の定義、有効期間、損害賠償)は慎重に検討
Step 3: 締結(1〜3日)
- 電子契約(クラウドサイン、DocuSign等)で即日締結も可能
- 紙の場合は2通作成、双方が記名押印
費用
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| NDAテンプレート作成(弁護士) | 5〜15万円 |
| リーガルチェック | 3〜10万円 |
| 電子契約サービス | 月額1〜5万円(クラウドサイン等) |
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まとめ
- NDAはシステム開発の商談開始前に締結するのが原則
- 秘密情報の定義は「書面マーキング + 口頭は事後書面通知」のハイブリッド方式
- 有効期間は契約終了後3年が一般的
- 下請け・従業員への波及条項を必ず含める
- NDAの法的強制力には限界があるため、技術的対策と併用
NDA・契約書のご相談は、お問い合わせからお気軽にどうぞ。
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