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システム開発

システム開発のNDA(秘密保持契約)|テンプレートと締結時の注意点

2026年3月8日 約4分で読めます
この記事でわかること
  • NDA(秘密保持契約)の基本と法的効力
  • システム開発でNDAが必要なタイミング
  • NDAに盛り込むべき条項と注意点
  • 片務型・双務型の違いと選び方
  • NDAのテンプレートと修正ポイント

NDAとは

NDA(Non-Disclosure Agreement/秘密保持契約)は、取引の過程で知り得た相手方の秘密情報を、第三者に漏洩しない・目的外で使用しないことを約束する契約です。

システム開発では、発注者のビジネスモデル・顧客データ・技術情報などの機密情報を開発会社と共有する必要があるため、開発の商談段階でNDAを締結するのが一般的です。

NDAが必要なタイミング

タイミング 理由 緊急度
RFP(提案依頼書)送付前 ビジネスの構想・要件を開示する ★★★(必須)
複数社への相見積もり時 各社に自社の情報を開示する ★★★(必須)
開発委託契約の前 詳細な業務情報を共有する ★★★(必須)
PoC(概念実証)開始前 テストデータに実データを使う場合 ★★☆
保守運用の委託時 本番データへのアクセスが発生 ★★★(必須)

NDAの種類

片務型 vs 双務型

種類 開示側 受領側 使用場面
片務型(一方向) 発注者のみ 開発会社のみ 一般的な開発委託
双務型(双方向) 双方 双方 共同開発、技術パートナー

選び方: 通常のシステム開発委託なら片務型(発注者→開発会社の一方向)で十分。共同開発や技術提携では双務型を使います。

NDAに盛り込むべき条項

必須条項

①秘密情報の定義

  • 何が秘密情報に当たるかを明確に定義
  • 書面の場合:「秘密」「Confidential」等のマーキング
  • 口頭の場合:開示後○日以内に書面で秘密指定
  • 除外事項:公知の情報、独自に開発した情報等

②秘密保持義務

  • 第三者への開示禁止
  • 目的外使用の禁止
  • 善管注意義務での管理

③有効期間

  • NDA自体の有効期間:通常1〜3年
  • 秘密保持義務の存続期間:契約終了後も2〜5年
  • システム開発では「契約終了後3年」が一般的

④返還・廃棄義務

  • 契約終了時に秘密情報を返還 or 廃棄
  • 廃棄の場合は廃棄証明書の発行

⑤損害賠償

  • 違反時の損害賠償義務
  • 損害賠償額の上限(設ける場合)
💬
NDAで最もトラブルになるのが「秘密情報の定義が曖昧」なケースです。「すべての情報」を秘密情報にすると範囲が広すぎて現実的に管理できません。かといって「書面でマーキングしたもののみ」にすると、口頭で共有した重要情報が保護されない。おすすめは「書面は秘密マーキング、口頭は開示後14日以内に書面通知」のハイブリッド方式です。

注意すべきポイント

①競業避止条項に注意 開発会社側のNDAに「同業他社の案件を受託しない」という競業避止条項が含まれている場合があります。これは開発会社にとって過度な制限なので、期間と範囲を限定するよう交渉してください。

②従業員・下請けへの波及 開発会社が下請けに再委託する場合、下請けにもNDAの義務を課す条項が必要です。「受領者は自己の役員・従業員・委託先にも同等の義務を課す」という条項を入れてください。

③法的強制力の限界 NDAは「漏洩しない約束」であり、漏洩を物理的に防ぐものではありません。NDAに加えて、アクセス制御・ログ管理・データの暗号化などの技術的対策も必要です。

NDA締結の実務フロー

Step 1: ドラフトの作成(1〜3日)

  • テンプレートをベースに自社用にカスタマイズ
  • 弁護士によるリーガルチェック(推奨)

Step 2: 相手方へ送付・交渉(3〜14日)

  • 修正依頼があれば交渉
  • 重要条項(秘密情報の定義、有効期間、損害賠償)は慎重に検討

Step 3: 締結(1〜3日)

  • 電子契約(クラウドサイン、DocuSign等)で即日締結も可能
  • 紙の場合は2通作成、双方が記名押印

費用

項目 費用
NDAテンプレート作成(弁護士) 5〜15万円
リーガルチェック 3〜10万円
電子契約サービス 月額1〜5万円(クラウドサイン等)
💬
NDAは「締結して終わり」ではありません。プロジェクト終了後に秘密情報の返還・廃棄が適切に行われたかを確認してください。特に開発会社がテスト環境に本番データのコピーを残していないか、退職者のアカウントからデータにアクセスできないか、を確認することが重要です。

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まとめ

  • NDAはシステム開発の商談開始前に締結するのが原則
  • 秘密情報の定義は「書面マーキング + 口頭は事後書面通知」のハイブリッド方式
  • 有効期間は契約終了後3年が一般的
  • 下請け・従業員への波及条項を必ず含める
  • NDAの法的強制力には限界があるため、技術的対策と併用

NDA・契約書のご相談は、お問い合わせからお気軽にどうぞ。

よくある質問
システム開発の契約で注意すべきポイントは?
成果物の定義、検収条件、瑕疵担保(契約不適合責任)の範囲と期間、知的財産権の帰属を明確にすることが重要です。口頭の合意ではなく、必ず書面で取り決めましょう。
請負契約と準委任契約、どちらを選ぶべき?
完成物が明確に定義できる場合は請負契約、要件が流動的な場合やアジャイル開発には準委任契約が適しています。工程ごとに契約形態を変える「多段階契約」も有効な選択肢です。
開発途中でトラブルが起きた場合の対処法は?
まずは契約書の紛争解決条項を確認しましょう。多くの場合、協議→調停→裁判の流れです。トラブルを防ぐためには、定期的な進捗報告と議事録の作成を契約時に取り決めておくことが重要です。

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