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情報セキュリティポリシーの作り方|中小企業向けテンプレートと記載項目

2026年3月10日 約5分で読めます
この記事でわかること
  • 情報セキュリティポリシーの目的と3層構造
  • 基本方針・対策基準・実施手順に記載すべき項目
  • 中小企業がポリシーを策定する具体的な手順
  • IPA・JIPDECの無料テンプレートの活用方法
  • 策定後の周知・教育・見直しサイクル

情報セキュリティポリシーとは

情報セキュリティポリシーとは、企業が情報資産を守るために定めるルールの体系です。「何を守るか」「どう守るか」「誰が責任を持つか」を文書化し、全社員が共通認識を持つための基盤となります。

ISMS(ISO 27001)やPマークの取得にはポリシーの策定が必須ですが、認証を取得しない場合でも、ポリシーを策定しておくことには大きなメリットがあります。

  • インシデント発生時の対応基準になる
  • 取引先からの信頼につながる(大手企業との取引で求められることが増加)
  • 社員の意識向上 — 明文化されたルールは行動の指針になる
  • 法的リスクの軽減 — 個人情報保護法の「安全管理措置」の一環として位置づけ

ポリシーの3層構造

情報セキュリティポリシーは一般的に3層構造で策定します。

名称内容対象読者
第1層基本方針経営者の宣言。セキュリティに対する企業の姿勢全社員・外部公開
第2層対策基準具体的なルール。「こうすべき」を定める全社員・管理者
第3層実施手順具体的な手順書・マニュアル担当者

第1層:基本方針の記載項目

基本方針は経営者名で発行する1〜2ページの文書です。Webサイトに公開する企業も多くあります。

  • 目的 — 情報セキュリティに取り組む理由
  • 適用範囲 — 対象となる組織・人・情報資産の範囲
  • 経営者のコミットメント — 「経営者として情報セキュリティの確保に努める」旨の宣言
  • 法令遵守 — 関連法規(個人情報保護法等)の遵守
  • 体制 — 情報セキュリティ管理責任者の設置
  • 教育 — 全従業員への教育・啓発の実施
  • 継続的改善 — 定期的な見直しと改善
  • 違反時の対応 — 就業規則に基づく処分
  • 制定日・改定日・経営者署名

第2層:対策基準の記載項目

対策基準は具体的な「〜すべき」ルールを定めます。中小企業で最低限必要な項目は以下のとおりです。

人的セキュリティ

  • 入社時のセキュリティ教育・機密保持契約の締結
  • 退職時の情報資産返却・アカウント削除手順
  • 年1回のセキュリティ研修の義務化

アクセス管理

  • パスワードポリシー(12文字以上、多要素認証の必須化)
  • 権限の最小化(必要な人にのみ必要な権限を付与)
  • 退職者・異動者のアカウント即時無効化
  • アクセス権限の四半期ごとの棚卸し

物理的セキュリティ

  • オフィスの入退室管理
  • サーバールーム・書庫の施錠管理
  • クリアデスク・クリアスクリーンポリシー

技術的セキュリティ

  • ウイルス対策ソフト(EDR)の導入義務
  • OS・ソフトウェアのアップデートポリシー
  • 暗号化(通信のHTTPS化、ディスク暗号化)
  • バックアップの実施基準(頻度、保管場所、テスト)

インシデント対応

  • インシデント報告の手順と連絡先
  • 深刻度の分類基準
  • 外部報告(個人情報保護委員会等)の判断基準

テレワーク

  • テレワーク時の端末管理ルール
  • 自宅Wi-Fi・公共Wi-Fiの利用ルール
  • BYOD(個人端末利用)の可否と条件

第3層:実施手順(マニュアル)

対策基準で定めたルールを「具体的にどう実行するか」の手順書です。

  • パスワード変更手順 — Google Workspace、Microsoft 365等のパスワード変更+MFA設定方法
  • インシデント報告手順 — 報告フォーム、連絡先一覧、エスカレーションフロー
  • バックアップ手順 — 具体的なツール操作とスケジュール
  • 退職時チェックリスト — アカウント無効化、端末回収、データ消去の手順
ポリシー策定のポイント
ポリシー策定で最も重要なのは「守れるルールを作る」ことです。理想的だが実行不可能なルールは、誰も守らず形骸化します。まず最低限のルール(MFA義務化、パスワード12文字以上、退職時アカウント削除)から始めて、運用が定着してから段階的に追加しましょう。IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」に付録されているひな形が参考になります。

策定から運用までの手順

  1. 現状把握(1〜2週間)— 現在のセキュリティ状況を確認。何ができていて何ができていないか
  2. リスクの洗い出し(1〜2週間)— 情報資産の一覧作成、リスクの特定
  3. ポリシー案の作成(2〜4週間)— IPAテンプレートをベースにカスタマイズ
  4. 経営者の承認(1週間)— 基本方針への署名
  5. 全社員への周知・教育(1〜2週間)— 説明会の実施、確認テスト
  6. 運用開始
  7. 年1回の見直し — 環境変化やインシデントを踏まえた改定

無料テンプレートの活用

  • IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」 — 付録にポリシーのひな形(Word形式)が付属。最も実用的
  • JIPDEC「プライバシーマーク制度」 — Pマーク取得用のテンプレート
  • 経済産業省「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」 — 経営者向けの指針

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まとめ

  • 情報セキュリティポリシーは3層構造(基本方針・対策基準・実施手順)で策定
  • 基本方針は経営者名で発行。外部公開してもよい
  • 対策基準は「守れるルール」から始める。MFA・パスワード・退職時対応が最優先
  • IPAの無料テンプレートを活用。ゼロから作る必要はない
  • 策定だけでなく周知・教育が重要。全社員に説明会を実施
  • 年1回の見直しで環境変化に対応

情報セキュリティポリシーの策定やISMS取得のご相談は、お問い合わせからお気軽にどうぞ。FUNBREWでは、中小企業のセキュリティ体制づくりをサポートしています。

よくある質問
中小企業でもセキュリティ対策は必要ですか?
はい、必要です。サイバー攻撃は企業規模を問わず発生しており、中小企業はセキュリティ対策が手薄なため、むしろ標的になりやすい傾向があります。IPAの調査でも中小企業の被害報告は増加しています。
セキュリティ対策の優先順位は?
まずはパスワード管理の強化、OSやソフトウェアのアップデート、ウイルス対策ソフトの導入など基本的な対策から始めましょう。その上で、データのバックアップ体制、従業員への教育と進めていくのが効果的です。
セキュリティ対策にかかる費用の目安は?
基本的な対策(ウイルス対策・ファイアウォール等)は月額数千円〜数万円程度から始められます。ISMS認証取得の場合は初期費用50〜200万円、維持費用が年間30〜100万円程度が目安です。

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