- 業務フローの可視化とは何か、なぜ必要なのか
- 業務フロー図の書き方(3つの手法)
- 業務フロー可視化の進め方(4ステップ)
- 可視化で見つかる業務改善のポイント
- 可視化からシステム導入につなげる方法
業務フローの可視化はなぜ必要か
「うちの業務は複雑で、全体を把握している人がいない」——中小企業でよく聞く課題です。業務フローが可視化されていないと、以下のような問題が生じます。
- 属人化 — 特定の人しかやり方を知らない業務がある
- ムダの放置 — 不要な手順や二重作業が見過ごされている
- 改善の困難 — 現状が見えないので、どこを改善すべきかわからない
- システム導入の失敗 — 業務を理解しないままシステムを作ると「使えないシステム」になる
業務フローの可視化は、DX推進の最初の一歩であり、システム導入の前に必ず行うべき作業です。
業務フロー図の書き方
方法①:シンプルフロー図
最も簡単な方法です。業務の流れを上から下(または左から右)に矢印でつなぎます。
- 適したケース — 単純な業務、1人で完結する業務
- ツール — 紙とペン、PowerPoint、Googleスライド
- メリット — 誰でもすぐに書ける
方法②:スイムレーン図
関係者ごとにレーン(列)を分けて、業務の流れと担当者を同時に表現する方法です。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| レーン | 部門・役割ごとに列を分ける(営業部、経理部、顧客など) |
| フロー | 各レーン内でタスクを配置し、矢印で流れを示す |
| 適したケース | 複数の部門・担当者が関わる業務 |
| ツール | Lucidchart、draw.io、Miro |
スイムレーン図を使うと「この作業は営業部と経理部の間で何度もやり取りしている」といった部門間のムダが一目でわかります。
方法③:BPMN(ビジネスプロセスモデル表記法)
国際標準規格に基づいた業務フローの表記法です。イベント(開始・終了)、タスク、ゲートウェイ(分岐)などの記号を使って業務を厳密に表現します。
- 適したケース — 大規模な業務改革、複雑な条件分岐がある業務
- メリット — 厳密で曖昧さがない。そのまま要件定義のインプットにできる
- デメリット — 学習コストがかかる
業務フロー可視化の進め方(4ステップ)
Step 1:対象業務を選ぶ
すべての業務を一度に可視化するのは現実的ではありません。以下の基準で優先順位をつけましょう。
- 時間がかかっている業務(月に◯時間以上)
- ミスが多い業務
- 属人化している業務(担当者が休むと止まる)
- システム化を検討している業務
Step 2:現場にヒアリングする
実際に業務を行っている現場のスタッフにヒアリングします。
| 質問 | 目的 |
|---|---|
| この業務の開始のきっかけは? | フローの起点を特定 |
| 具体的にどんな手順で進めますか? | 各ステップの洗い出し |
| 他の部門・人に何を依頼しますか? | 部門間のやり取りを把握 |
| 例外的なケースはありますか? | 分岐条件の把握 |
| この業務で困っていることは? | 改善ポイントの発見 |
| 使っているツール・システムは? | 現状のIT活用度の把握 |
Step 3:フロー図に書き起こす
ヒアリング結果をもとにフロー図を作成します。作成後は現場スタッフに「これで合っていますか?」と確認してもらいましょう。意外と「このステップが抜けている」「実際にはこの順番ではない」という修正が出てきます。
Step 4:課題を洗い出す
完成したフロー図を見ながら、以下の観点で課題を洗い出します。
- ボトルネック — 特定のステップで滞留していないか
- 二重作業 — 同じデータを複数の場所に入力していないか
- 手戻り — 差し戻しが頻繁に発生する箇所はないか
- 属人化 — 特定の人しかできないステップはないか
- 紙・Excel依存 — システム化で効率化できる箇所はないか
可視化からシステム導入へつなげる
業務フローが可視化されると、「どの部分をシステム化すべきか」が明確になります。
システム化の優先度の判断基準
| 判断基準 | システム化の優先度 |
|---|---|
| 毎日発生し、時間がかかっている作業 | 高い |
| ミスが業績に直結する作業 | 高い |
| 複数部門にまたがるデータ共有 | 高い |
| 月に数回しか発生しない作業 | 低い |
| 判断や交渉が中心の作業 | 低い(AI活用の可能性は検討) |
業務フローの可視化結果は、そのまま要件定義のインプットになります。また、業務システムの種類と選び方を参考に、SaaSで対応できる部分とスクラッチ開発が必要な部分を切り分けましょう。
業務効率化ツールの導入から始めるのも有効なアプローチです。
まとめ
- 業務フローの可視化はDX推進と業務改善の第一歩
- 中小企業にはスイムレーン図がおすすめ(draw.ioで無料で作成可能)
- 現場へのヒアリングが最も重要な工程
- 可視化でボトルネック・二重作業・属人化を発見できる
- 可視化結果は要件定義のインプットとして直接活用できる
- すべてを一度にやろうとせず、課題が大きい業務から優先的に取り組む
「業務フローの整理から手伝ってほしい」「可視化した結果をもとにシステム化を検討したい」という方は、お問い合わせからお気軽にご相談ください。FUNBREWでは、業務のヒアリングからシステム開発まで一貫してサポートしています。
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