WordPressプラグインの日本語対応が進まない「残酷な理由」とは?

ファンブリューの金井です。

WordPressの魅力は、その圧倒的なプラグインエコシステムにあると言っても過言ではありません。世界中の開発者が日々新しい機能を追加し、誰でも簡単に拡張できる。その自由度の高さに惹かれて、WordPressを選ぶ企業も多いでしょう。

しかし、導入を進めていく中で、ある違和感にぶつかる方も少なくありません。それが――「なぜ、こんなに多くのプラグインが日本語に対応していないのか?」という疑問です。

UIが英語だけ、管理画面に見慣れないメッセージ、カスタマイズ方法も英語のフォーラムを読み解かなければわからない。これでは、日本の非エンジニアユーザーが使いこなすにはハードルが高すぎる。

「機能は素晴らしいのに、なぜローカライズしないのか?」
「需要があるのに、なぜ日本語対応が進まないのか?」

この問いに、私たちは長らく「リソース不足」「優先度の問題」などで片づけてきました。しかし、実際にはもっと根深い構造的な理由があるのです。

本記事では、WordPressプラグインの日本語対応が進まない真因を、技術・文化・産業構造の視点から紐解いていきます。

目次

海外には優れたプラグインが無数に存在する「完成された市場」

WordPressのプラグイン市場は、ほぼ英語圏主導で成立しています。というのも、WordPress自体がアメリカ発祥であり、初期から多くの優秀な開発者が参画していたため、英語がデフォルト言語であるのは当然といえば当然です。

現在、WordPress.orgの公式リポジトリには6万件を超えるプラグインが登録されていますが、その大半は英語のみ。とはいえ、その中には「これさえあれば解決」という神プラグインが多数あります。SEO対策、キャッシュ制御、フォーム生成、EC機能、アクセス解析……。用途に応じて豊富に揃っており、ほとんどが無料または低価格で提供されています。

結果として、「もう十分なものがある」という状態が、マーケットとして成立してしまっているのです。

ここに、日本語だけのニーズに向けた専用開発の余地はどれだけあるでしょうか?仮に作ったとしても、英語圏のプラグインと機能が競合することになり、勝つのは容易ではありません。

WordPressを主戦場とする日本人エンジニアは、実は少ない

加えて、もう一つの事実として、「日本でWordPress開発を専門にするエンジニアは、思ったより少ない」という実情があります。

ITエンジニアの中でも、いわゆるウェブ制作系のキャリアは、近年そのステータスが相対的に下がりつつあります。理由はシンプルで、工数あたりの単価が低く、かつテンプレートやノーコードの台頭で需要が減少傾向にあるからです。

WordPressは、カスタマイズ性が高いとはいえ、基本的にはCMS(コンテンツ管理システム)であり、どちらかといえば“ウェブ制作”の文脈で使われてきました。いわゆるフルスタック開発や業務系アプリとは棲み分けがあり、「技術的な格付け」としても軽視されがちなのが実情です。

そのため、実力あるエンジニアがWordPress専属で活動することは少なく、結果的にプラグイン開発に注力する日本人開発者も限られてしまうのです。

「かっこ悪い」「人気がない」…エンジニア心理の壁

さらに厄介なのは、エンジニアコミュニティ内に存在する見えない壁です。

WordPressは初心者でも触れるCMSであるがゆえに、逆に「本格的な開発者からは見下されがち」という側面があります。GitHubの人気OSSプロジェクトや、トレンドのフレームワーク(React、Next.js、Laravelなど)に比べると、「WordPressをいじっている=初級者向け」という偏見が根強く残っているのです。

これは、採用市場でも同様です。ポートフォリオとして「WordPressでサイトを作りました」と伝えたときの評価と、「React + FirebaseでSPAを作りました」と言ったときの評価には、明確な差が生まれます。つまり、エンジニアにとっての“キャリア価値”が低いという構造です。

そのため、「WordPressプラグインを作ろう!」という機運がコミュニティ内に広がりづらく、日本語対応のような“地味な改善”にリソースを割くインセンティブも生まれにくいのです。

単価が安く、割に合わないという現実的な問題

そして、これが最大のネックと言えるかもしれません。WordPressの開発案件は、単価が非常に安いのです。

クライアントからすると、「無料で使えるプラグインがたくさんある」「テンプレートも豊富」「簡単に作れるCMS」といった印象が強いため、わざわざカスタム開発に高い予算を出そうとは思いません。

一方、開発者側からすれば、実はプラグインの作り込みや、テーマの細かい調整にはそれなりの知識と工数が必要です。しかし、それを理解してくれる顧客は少なく、「安く作って、すぐ納品して」というプレッシャーが常にかかるのが現実です。

このようなコスト感覚のミスマッチがある限り、日本語対応やローカライズに工数を割く余裕は生まれません。優先されるのは、クライアントの要望に即座に応える短期開発。それ以上の価値提供(=言語対応、UI改善)は、後回しになるのです。

では、どうすればいいのか?

日本語非対応の壁を超える、もう一つの選択肢

ここまで見てきたように、WordPressプラグインの日本語非対応は単なる怠慢ではありません。構造的・文化的・経済的な事情が複雑に絡み合っているため、解決は一筋縄ではいきません。

ただし、それは使いこなせないということではありません。
正しい知見と技術を持ったパートナーと組めば、解決できる領域でもあります。

1. 海外製プラグインの選定と日本語対応を含むカスタマイズ

弊社では、海外製の有力プラグインの中から要件に合致するものを精査・選定し、必要に応じて日本語化やUI調整を含めたカスタマイズを行っています。
特に、翻訳ファイルの作成(.po/.mo)や多言語対応プラグインとの組み合わせによる自然な日本語UIの実現は、実務経験が不可欠な領域です。

2. 「あと少し足りない」を補うマイクロ開発

多くのプラグインは「ほぼ完璧だが、あと少しだけ何かが足りない」というケースが多いです。
例えば、日本特有の請求書レイアウトや、郵便番号から住所自動入力など、こうしたあと一歩を補うためのマイクロ開発(小規模な独自コード追加)を弊社では日常的に行っています。

3. 既存プラグインをベースにしたセミオーダー開発

完全オリジナルでプラグインをゼロから作ると、それなりにコストがかかってしまいます。
そこで、既存プラグインのアーキテクチャを活かしながら、不要な機能を削ぎ、必要な要素だけを追加していくセミオーダー型の開発も提案可能です。

4. 将来の保守・運用も視野に入れた設計支援

プラグインの選定やカスタマイズだけでなく、その先の「継続的な運用」や「バージョン更新への対応」も視野に入れた設計を行うことで、安心して長く使えるWordPress環境を整えることができます。
特に海外製プラグインは頻繁にアップデートされるため、構築時の一時的な対応だけでは不十分です。弊社ではその点を踏まえ、将来を見越した構成をご提案しています。

最後に:使いこなせないのではなく、「使いこなす環境を整える」

日本語に非対応なプラグインが多いからといって、「WordPressは日本で使いにくい」と判断してしまうのは早計です。
むしろ、その完成度の高さ・拡張性の豊富さを”使いこなせるチーム”と出会えるかどうかが、WordPress導入の成否を分けると言っていいでしょう。

ファンブリューでは、WordPressに精通したエンジニアが在籍し、プラグインの組み合わせからUI改善、独自カスタマイズまで柔軟に対応しています。
お客様が求める要件に「ピッタリとハマる」ソリューションをご提案できるよう、技術だけでなく運用目線も踏まえた支援を行っています。

気軽に相談できるシステム開発なら

ファンブリューでは神奈川県藤沢市を拠点に、全国各地のシステム開発を請け負っております。

システム担当者の方で、

現在こんなお悩みはありませんか?

開発会社にお願いをしているけれど、なんだか反応が良くない…

気軽に相談できない

開発後もしっかりサポートしてほしい

ファンブリューでは血の通ったシステム開発を行っています。

お客様との将来的な関係を見据えて、お仕事をお受けしています。

信頼関係を大切にした開発にご興味がある方は、今すぐ下のボタンからお問い合わせください。

確認次第、折り返しメールでご連絡を差し上げます。

金井 泰樹のアバター 金井 泰樹 FUNBREW代表

FUNBREWの代表。
新卒からIT系の企業に勤め、SES、スマホアプリ開発、自社開発の会社で経験を積んで独立。
新卒時代にエンジニアとしてのキャリアを積むのに失敗し、その後に苦労した経験から、現在教育事業の立ち上げを準備中。
強みはウェブシステム開発全般と迅速なレスポンスです。

目次