ファンブリューの金井です。
システム開発を依頼する側・受ける側の双方で悩ましいのが開発費用です。
まず、開発を依頼する側としては、各社ベンダーの出す見積もりがバラバラで戸惑ってしまうことがあるでしょう。
しかも、開発会社のホームページを見ても料金が載っていないことがほとんどです。
一方、開発会社側の事情としては、話を聞くまで値がつけられないというのがあります。
システムを作るといっても、何を・どうやって・いつまでにと言うのが大事になります。
また誰がやるかによっても大きく変わってきます。
この辺りの事情を把握しないまま見積書を見ると、依頼する側は「一番金額の低い会社にしよう」となってしまいます。
では依頼側はどのように開発会社を見ればいいのか、開発の仕事に明確な相場がない理由についてお話ししたいと思います。
開発費のほとんどが人件費
まずはシステム開発は家を建てたりするのと違い、材料費のようなものがないことを知っておく必要があります。
強いていうならば、開発に使うマシンや電気代、会社が借りているオフィスの賃貸料のようなものが、多少見積もりに反映されています。
あとは営業にかかる費用、いわゆる販管費と会社の取り分なども入っているでしょう。
つまり、各社見積もりに大きな差が出る理由は人件費の違いということになります。
それではなぜ、各社で人件費の違いが出るのか、その理由を見ていきましょう。
自社でエンジニアを抱えていないパターン
一般的に開発ベンダーは自社に所属するエンジニアに依頼してシステムを作ります。
しかし、他の開発にリソースが取られて、開発ができる人材がいないときは外部のパートナーに開発を依頼することもあります。
そうなると、外部に依頼する分だけ手数料が増え、結果的に見積もりが少し高くなります。
会社によってはシステム開発の請負を掲げながら、実際には外部のパートナーに開発部分を投げていることもあります。
どんなシステムを作るのかを決める要件定義だけは自社で行なって、開発実務はアウトソーシングしているというパターンです。
先に書いた通り、外部に投げる分だけ見積もりに手数料が乗っかっているという事情があったりします。
外国人エンジニアに開発を依頼しているパターン
オフショア開発と呼ばれる、外国人エンジニアにシステム開発を依頼しているパターンがあります。
要件定義は日本人が行い、プログラミングは外国人のエンジニアが担当します。
このパターンの開発は他社よりも見積もりが安くなっていることが多いでしょう。
日本との人件費の差を利用した開発方法ですが、全く問題がないわけではありません。
外国人に依頼するためコミュニケーションコストがかかり、開発以外の部分に工数が取られます。
もちろん、外国人エンジニアとの会話は間に入っている会社が行いますが、コミュニケーションコストは確実に見積もりに上乗せされています。
また日本人と外国人の大きな違いとして、良しなにやってくれないという問題があります。
しっかりと書類を作って合意を得たり、わかりやすい形で提示されていないものは、必要がないものと見て作業を行いません。
ですので、オフショア人員を利用した開発会社は、ガチガチに要件定義されたものでないと開発しないこともあります。
要件定義をしっかり固めるということは、もし依頼側が後からシステムの仕様を変更したいとなった時、全く融通が効かない可能性があります。
これは見積もり金額に反映されていないリスクと言えるでしょう。
要件定義をしっかり行うことは非常に大事で、その書類があることで、お客様と開発会社で作りたいシステムの合意が取れたと言えます。
また100%と言っていいほど、初めに想定していたシステムの一部変更や追加などはあるので、要件定義書はシステムのコンセプトがずれないようにするための開発指針となります。
開発会社としては当初想定したシステムの要件で設計・開発を行なっていくので、一部が少し変わるだけでも内部的には大きな変更になることもあります。
とはいえ、システム開発は「開発中に要件が変わる」ことが避けられないので、変更を踏まえた上で上手く開発をしていくことが一般的になってきています。
先にオフショア開発では外国人エンジニアとのコミュニケーションコストがかかると書きましたが、ラボ型開発という手法があり、一つのチームとして開発を進めていくと、段々と開発効率が良くなってきます。
その理由は簡単で、エンジニアの方は会社の方針が理解できるようになってきますし、逆に依頼する側はエンジニアへの指示の出し方などを工夫するようになります。
システム開発を外部に依頼するのは、自社で出来ないことをアウトソーシングするというイメージかと思います。
ただ、お願いしたのでやってもらうという単純な関係よりも、同じ目的を持ってプロジェクトを進めるチームメンバーとして捉えていただけると、よりシステム開発が上手くいくでしょう。
またそのようにしてシステム開発の依頼をすることで、今後、追加で開発したいというときもスムーズに開発に入ることができます。
少数で開発している会社もしくは個人
システム開発の仕事をフリーランスで請け負ってる人も多く、またエンジニア個々人の能力がプロジェクトの進捗に大きく影響するので、少数精鋭でやっているという会社もあります。
事業規模の小さなベンダーの方が見積額は低い傾向がありますが、少数精鋭で素早く開発・納品できることを売りにして、他社と遜色ないか、それ以上の見積もりを出す企業もあります。
規模感の捉え方の違いによる見積もりの差は大きい
お客様にシステム開発のご依頼をされて、「これぐらいの小さなシステムなんですが…」と前置きされることがあります。
「確かに小さめの開発だな」と思うこともあれば「そうは言ってもコアとなる機能は複雑だ」とか、お話を伺っている最中に思う時があります。
ここで難しいのは、システム開発会社もお客様の提示される内容を理解しないまま見積もりをしてしまうことがあります。
例えば「営業支援ツールが欲しいんです」という話があって、その先に「Sales Forceのような…」と続けば、これは相当大きなシステム開発についての話をしていると想像します。
しかし、文面だけで見るとただの「営業支援ツール」です。
ここで見積もりに大きな差が出てしまいます。
開発会社とテキストだけのやり取りは、正確な見積もりが出ないと思っていただいた方が良いでしょう。
Zoomなどでも良いので、まず一度は話をして、双方に規模感のズレがないかを確認することが絶対です。
まずは各社システムのサイズ感を合わせて見積もりを依頼しないと、正確な判断ができなくなります。
最後に
システム開発費用の相場は本当に各社それぞれです。
相見積をすればするほど、よくわからなくなるかもしれません。
私個人がお勧めする方法としては、知り合いの会社からおすすめの開発会社を紹介してもらうであったり、もし紹介を受けられない場合は、ベンダーが開発前にどれだけ時間をかけてくれるかをぜひ見てほしいと思います。
冒頭にも書いていますが、システム開発の費用はお客様の話の詳細を聞くまでは分かりません。
ただし、開発ベンダーは正式発注前にそこまでの時間が取れないので、ある程度ざっくりした見積りにならざるを得ないのが現状です。
そうなると、発注前のやり取りにどれだけ時間を割いて対応してくれるかで、各社ベンダーのお客様への本気度が分かります。
システム開発の仕事はものづくりですので、どこの会社も常により良いものをご提案したいと思っています。
ただし、親身になって一緒に考えたシステムが失注するというのはよくある話です。
会社としては損ですが、それを踏まえた上で真摯になって対応してくれる会社をぜひ見極めてほしいと思います。
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。
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