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システム開発

ERP vs SaaS組み合わせ|統合型ERPと個別ツール連携どちらを選ぶべきか

2026年3月9日 約5分で読めます
この記事でわかること
  • 統合型ERPと個別SaaS連携(ベストオブブリード)の違い
  • それぞれのメリット・デメリット
  • 自社に合った方式の判断基準
  • SaaS連携を実現するiPaaS・API連携ツールの選び方
  • ハイブリッド型(ERP+SaaS)の現実的な構成例

2つのアプローチ — 統合型か、組み合わせ型か

企業のバックオフィス業務をシステム化する方法は、大きく2つに分かれます。

統合型ERP:会計・販売・在庫・人事をひとつのERPパッケージで統合管理する方式。SAP、Oracle、freee、マネーフォワードなどが代表的です。

ベストオブブリード(SaaS組み合わせ):各業務領域で最も優れた個別SaaSを選び、API連携で繋ぐ方式。会計はfreee、勤怠はジョブカン、請求はMakeLeaps、CRMはHubSpot——といった組み合わせです。

どちらが正解というわけではなく、企業の規模・業種・IT成熟度によって最適解が異なります。

統合型ERPのメリット・デメリット

メリット

  • データの一元管理 — 受注→出荷→請求→入金→会計が一気通貫。データの整合性が高い
  • リアルタイムの経営可視化 — 全業務のデータが統合されているため、経営ダッシュボードが作りやすい
  • 二重入力の排除 — システム間のデータ連携が不要。入力ミスと作業時間を削減
  • 監査対応の容易さ — データの流れが一本化されているため、内部統制・監査対応がシンプル

デメリット

  • 各機能が「そこそこ」 — 統合型は全体最適だが、個別機能では専門SaaSに劣る場合がある
  • 導入コストと期間が大きい — 全業務を一度に導入するため、中小企業でも数百万〜数千万円
  • 柔軟性の低さ — 一部の機能だけ入れ替えることが難しい。ベンダーロックイン
  • オーバースペック — 必要ない機能まで含まれ、ライセンス費用が無駄になることも

ベストオブブリード(SaaS組み合わせ)のメリット・デメリット

メリット

  • 各領域で最高のツールを使える — 会計はfreee、CRMはSalesforce、など各分野の専門ツールを選択
  • 段階的に導入できる — まず会計から、次にCRM、次に在庫管理——と順番に導入可能
  • 柔軟な入れ替え — 合わないツールだけを別のSaaSに切り替えられる
  • 初期コストが低い — 各SaaSの月額費用のみ。初期投資を抑えられる

デメリット

  • データ連携の複雑さ — 各SaaS間のデータ連携を自前で構築・維持する必要がある
  • データの不整合リスク — 連携の遅延やエラーで、システム間のデータにズレが生じる
  • 運用管理の煩雑さ — 5個、10個のSaaSを個別に管理。アカウント管理、契約更新、障害対応が分散
  • トータルコストの見えにくさ — 各SaaSの月額費用+連携ツール費用+保守工数を合計すると、ERPより高くなることも

判断基準 — 自社にはどちらが合うか

判断軸統合型ERPが向いているSaaS組み合わせが向いている
社員数50人以上50人未満
業務の複雑さ製造・物流など複雑な業務フローサービス業・IT企業など比較的シンプル
予算初期投資に500万円以上出せる月額費用で始めたい
IT体制情報システム部門があるIT専任者がいない
データ統合の重要性リアルタイムの一元管理が必須日次・週次のデータ連携で十分
成長フェーズ安定期。業務フローが確立している成長期。業務フローが頻繁に変わる
両方を経験した立場から
「中小企業で多いのは、最初はSaaSの組み合わせで始めて、事業が成長してデータ管理が追いつかなくなったタイミングでERPに移行するパターンです。逆に、最初からERPを入れると、業務フローが変わるたびにカスタマイズが必要になり、高コスト体質になりがちです。自社の今の規模と3年後の規模、両方を見て判断してください。」

SaaS連携を実現するツール

ベストオブブリード方式を選ぶ場合、SaaS間のデータ連携が重要です。

iPaaS(Integration Platform as a Service)

ノーコード・ローコードでSaaS間の連携を実現するクラウドサービスです。

ツール特徴費用目安(月額)
Zapier5,000以上のアプリ連携。直感的なUI無料〜$69〜
Make(旧Integromat)複雑なワークフローに対応。コスパが良い無料〜$9〜
Workatoエンタープライズ向け。日本語サポート要問合せ(年額100万円〜)
Anyflow日本製iPaaS。国産SaaSとの連携が豊富要問合せ

API連携(カスタム開発)

iPaaSでは対応できない複雑な連携や、リアルタイム性が求められる場合は、APIを使ったカスタム連携を開発します。

  • メリット — 要件に完全に合った連携が可能
  • デメリット — 開発・保守コストがかかる。SaaS側のAPI仕様変更への追従が必要
  • 費用目安 — 1連携あたり50〜200万円程度(複雑さによる)

ハイブリッド型の構成例

実務的には、ERPとSaaSを組み合わせた「ハイブリッド型」が増えています。

構成例:中小企業(社員30名、卸売業)

  • ERP — freee会計 + freee人事労務(コア業務)
  • CRM — HubSpot(営業管理・マーケティング)
  • 在庫管理 — ロジクラ(倉庫・在庫管理)
  • EC — Shopify(オンライン販売)
  • 連携 — Zapierでfreee ↔ HubSpot ↔ Shopifyを連携

この構成なら月額10〜15万円程度で全業務をカバーでき、統合型ERPの数百万円の初期投資を回避できます。

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まとめ

  • 統合型ERPはデータ一元管理と業務の一気通貫が強み。50人以上・複雑な業務フローに向く
  • SaaS組み合わせは柔軟性と低初期コストが強み。50人未満・成長期の企業に向く
  • 判断基準は「データ統合の重要性」と「業務の複雑さ」
  • SaaS連携にはiPaaS(Zapier、Make等)を活用。ノーコードで連携を構築
  • ハイブリッド型が現実的な解。コア業務はERP、周辺業務は専門SaaSの組み合わせ
  • 3年後を見据えて判断。成長に伴い、SaaS→ERPへの移行も選択肢

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よくある質問
ERP導入にかかる期間はどのくらいですか?
中小企業の場合、クラウドERPで3〜6ヶ月、オンプレミスERPで6〜12ヶ月が目安です。データ移行やカスタマイズの量によって変動します。
中小企業でもERP導入は必要ですか?
売上規模よりも、業務の複雑さやデータ連携の必要性で判断します。Excel管理の限界を感じている、部門間のデータ連携に手間がかかっている場合は、ERPやSaaS組み合わせの検討をおすすめします。
ERPとSaaSツールの組み合わせ、どちらが良いですか?
業務が標準的でカスタマイズが少ない場合はSaaS組み合わせが低コストです。業務間のデータ連携が複雑で一元管理が必要な場合はERPが適しています。まずは現状の課題を整理することが重要です。

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