システム保守の内容は、扱うシステムによって大きく変わります。
ウェブ制作でも保守はありますが、金額に大きな差が出やすいのは、このシステムごとに違う保守内容によるものです。
今回はウェブ制作とシステム開発の保守の違いについて、会話を通してご紹介します。
藤沢真人、IT業界20年のベテランエンジニアで40歳。
請負開発の会社でプログラマー、システムエンジニア、プロジェクトマネージャーとしての経験を積む。
その後、中小企業のIT支援をするために小さな会社を設立。
現在はITを活用したい会社のためのアドバイザーとして、複数の会社のコンサルティング業務を行なっている。
モットーは「すべての会社にITを」。
小鳥遊みく(たかなし)は20人規模の食品会社に勤める27歳。
新卒で事務職の正社員として就職したが、その働きぶりが評価され総務担当に昇進。
現在は社内の何でも屋として奔走中。
彼女の会社のITアドバイザーとして真人が入り、IT関連で何かあるごとに真人に確認している。
最近の悩みは社内にシステムエンジニアがいないこと。
システム開発の保守とは何か?
システム開発の保守って、意外と高いのね。
みくさん、今日はどうしたの?
この前、ある開発会社に問い合わせてみたのだけれど、
保守を受けるなら月額で3万円からという回答だったの。
なるほど。
システムの種類や保守の内容にもよるけれど、相場から外れた金額ではないと思うよ。
でもホームページの保守だと1万円ぐらいで引き受けてくれるところもも多いわ。
確かにね。
ただシステムとサイトの保守は、似てるように見えるけどやっていることは結構違うんだ。
今回はその辺りの話をしてみようか。
ウェブサイトとウェブシステムの違い
保守の話をするには、サイト制作とシステム開発の違いを知らないとね。
ウェブサイトとウェブシステムの違いってわかるかな?
わからないわ。
言葉はよく似ていると思うけど。
厳密に分けるのは難しいんだけど、機能と言えるものがサイトに入ってるかどうかで考えてほしい。
機能と言えるもの…
すごく曖昧ね…。
近年のウェブサイトはいくつもの技術要素が組み合わさっていて、完全に分断するのが難しいんだ。
ウェブ制作によく使われるWordPressはウェブ制作の範疇におさまることが多いけれど、機能追加をしたいならウェブシステム、つまり開発業者の仕事になることがある。
制作会社さんはWordpressを扱えるイメージはあるわよね。
でもサイト制作がシステム開発に及ぶ場面もあるのね。
そうだね。
例えば一つの判断基準として、ログイン機能があればウェブシステムと考えてもいいかもね。
ログイン画面はよく見かけるわ。
でも他に見分ける方法はないの?
あるよんだけれど、少しずつ専門的な話になっていくかな。
それでもいいわ。
どんなことで見分けられるの?
一発でわかる方法としては、レンタルサーバーを使っているかどうか、だね。
レンタルサーバーを使うならウェブサイト、VPSやクラウドを利用するならウェブシステムと言ってもいい。
レンタルサーバーやVPSやクラウドの違いがよくわからないのだけれど。
大きな特徴は費用と自由度の違いかな。
VPSやクラウドになるほど自由度が高くなり、費用や構築難易度も上がっていく。
通常、システム開発で使われるのはVPSやクラウドの方なんだ。
そうなのね。
レンタルサーバーではウェブシステムは使えないの?
使えなくはないよ。
でも使える技術が限定されるし、共用サーバーと言って使用量に制限がかかることもある。
レンタルサーバーの制限に合わせて開発することになるから、開発難易度が上がることになる。
細かいところはまだ理解できてないけれど。
なんとなくわかったわ。
でも利用しているサーバーがレンタルサーバーがVPSやクラウドかなんてわからないわよね?
自社で契約しているサーバーならわかるけれど、契約も含めて業者に任せているならサイトを見ただけではわからないことが多いかな。
昔はサイト制作というと、HTMLとCSS、少しのJavascriptという技術が作成されていました。
ウェブが発達するにつれて、デザイン性やサイト更新の簡便性が重視されたりと、サイト制作と一口に言っても、目的が多様化されています。
それに合わせて従来のコーディング技術だけでなく、システムをうまく活用したウェブ制作も当たり前になってきています。
例として、WordPressやJAMStackと呼ばれるものがありますが、詳細はまた別の機会に譲りたいと思います。
ウェブシステムの保守がウェブサイトより高い理由
それで、ウェブシステムの保守がウェブサイトよりも高くなる理由はなぜなのかしら?
一つは先に話したとおり。
システム開発はVPSやクラウドを使うため、レンタルサーバーよりも原価がかかること。
もう1つは構築の難易度。
ウェブ制作はある程度作り方が決まっていて、定型業務にしやすいんだ。
一方、システム開発はお客さんに合わせてシステムを作るから、それぞれ違う技術を使うことも多く、管理するシステムごとによってやり方が大きく変わることもある。
それぞれの技術を扱える専門の人材が必要で、その分が保守費用として上乗せされているんだ。
つまり、人件費がかかるってことね?
そうだね。
それと加えて、サイト保守とシステム保守は保守項目が全然違うんだ。
どんな違いがあるのかしら?
サイト保守では、ひと月に何回まで修正できるといった、修正回数が項目に含まれていることが多い。
一方システム保守では、不具合の対応やサーバーがダウンした時の対応時間、復旧までの目安時間、連絡可能な時間であったり、セキュリティアップデートやバックアップ、サーバー代そのものであったり、など幅広いんだ。
項目がいろいろあって、何をしているのかよくわからないわ…。
そう。
だから必要なものをお客さんと相談して、保守の内容を検討するんだ。
全部入れ込むと高額になるから、本当に必要なものだけを見極めるのが大事だね。
システムの保守が高くなる理由がわかったわ。
システム保守が高くなりがちな理由のまとめ
ウェブシステムの保守がウェブサイトよりも高くなる理由をまとめてみよう。
- ウェブサイトとウェブシステムは似ているようで大きく異なる部分がある。
- ウェブシステムにはVPSやクラウドなどの専用サーバーが必要で、レンタルーサーバーよりも費用がかかる。
- システム開発は定型業務にしづらく、保守内容もオーダーメードになりがちである。
- 無数にある開発の技術から、それに対応できる専門人材が必要。
最後の、「無数にある開発の技術から、それに対応できる専門人材が必要」というのはどういうこと?
そうだね。
余談にはなるけれど。
プログラミングと一口に言うけど、その種類はどれぐらいあるか知ってる?
うーん、3つぐらいとか?
このサイトの記事によると8945種類もあるらしいよ。
そんなにあるの!
実際に使われる言語は数十種類だろうから。
ちょっとこの数字は誤解をまねくけどね。
システムを作るということは、この中から組み合わせて最適なものを提案するということ。これはプログラミング言語のみだけど、どのようなサーバーを使うのか、開発の質を上げるためのライブラリなどもあるから、作り方は無限大だと言ってもいい。
システム開発ってすごいのね。
そうだね。
面白さと複雑さのある仕事だと思うよ。
保守費用が高くなる理由、それは専門性の高さということなのね。
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