ファンブリューの金井です。
記事のタイトルにあるように、私はSESの会社が嫌いでした。
でもそんな私がSES事業をやっているのは、SESに対する考え方が変わったからです。
これからエンジニアを目指す方や、現在SESの会社にいる方は、ぜひ会社をうまく活用することで、ご自身の成長に役立ててほしいと思います。
今回はそんなテーマで、少し書いてみたいと思います。
そもそもSESが嫌いになったきっかけ
私が新卒で入社した会社は、現場常駐がメインの会社でした。
入社したその年は50人ほどの同期がおり、ほとんどが文系出身で、ITの知識は入社前に資格学習をすることで身につけるというやり方でした。
私は一刻も早くエンジニアとして活躍したかったので、入社半年以上前には目標で決められていた資格の取得を取り終えていました。
正社員になった暁には「バリバリ活躍するんだ」という気持ちで準備をしていたのを思い出します。
しかし、その勢いが思っていた方向とは違う方に評価されて、エンジニアではなく社内勤務での働きを求められるようになります。
実際には単発でいくつかの現場には行かせていただきましたが、それだとエンジニアの経験は積めないと思い、その会社は一年足らずで退職しました。
退職の後押しになったのは最後に行った現場で、テスト案件と言いながらもほとんどやることがなくて嫌になったからです。
とはいえ、新卒で経験がないから他の仕事を任せるわけにもいかず、という感じの時間を3ヶ月ほど過ごしました。
この時から「SESの会社はヤバイ」という評価が自分の中で生まれました。
SESは悪なのか
私の場合、新卒で入った会社が現場常駐、以降は自社開発の会社が2社ほどで、最後に個人事業主になっています。
2社目以降は運良く自社開発の会社に入社できましたが、今思えば、必ずしもキレイなキャリアを積めたというわけではありません。
私が経験したプロジェクトは一人でやることが多く、責任感が身につく一方、他のエンジニアと協業する機会がありませんでした。
色々と一人でやるので、できることは増えました。
ただ、そんな働き方を続けるとどうなるか。
端的に言って変な癖がつきます。
一人で自由に作業できる分、仕事は早いです。
しかし、ドキュメントを書かない、テストを書かない、レビューがない、といったことを続けていると、必ず仕事に歪みが出てきます。
効率の良いやり方も自分で探して見つけるという環境なので、日常業務も完全に車輪の再発明でした。
この状況は自社開発の会社に勤めているときも、フリーランスで請負を始めてからも変わりませんでした。
もし自社開発の会社で変な癖がつくとするなら、その会社独自の開発手法を使っていたり、1つの案件に固定されることが多いからです。
自社開発と言っても、たくさんのプロジェクトがあるわけではありません。
他社での取り組みを経験できないというのが、理由としては大きいのでしょう。
個人の請負で変な癖がついたのは、小さな案件ばかりをこなしていたので言わずもがなです。
(規模感的にあらゆる工数を削らないといけないので、ベストプラクティスなどを考える余裕もありません。)
話を戻しますが、SES会社のメリットは様々な案件を経験できることにあります。
自社開発のみの会社では、自分が携わる案件が次々と変わっていくことなんてありません。
これは一見目まぐるしくて大変そうですが、うまく活用できれば、エンジニアとして大きく成長する機会を得られます。
ただIT業界に入ったばかりだと、こういった細かい事情を実感するには時間が必要になるでしょう。
なぜSESの事業を始めるのか
私自身、右往左往しながらなんとかエンジニアの経験を積んだ人間なので、そんな経験をして欲しくないという思いがあり、将来はエンジニアを育てる事業をやりたいと考えていました。
育てるというのもおこがましくて、仕事柄、どうしてもエンジニアになる人は自ら学ぶ姿勢を身につける必要があります。
そのマインドを習得するための環境を、組織として作りたいと考えたからです。
話は変わりますが、エンジニアになれるタイプの人はいくつかあると思います。
1つ目はとにかく技術が好きな人。
プログラミングのやり方がわからなくて足踏みしている人がいる一方、技術が好きな人は勝手に触って覚えて学んで、気づいたらエンジニアとして働けるようになっているような人です。
私はこの人たちのようになりきれなかった感じではありますが、近しいマインドを持ってこの業界に入りました。
2つ目はITの仕事に興味があって体系的に学んだ人。
わかりやすいのは専門学校やプログラミングスクールに入った人たちです。
基礎ができているので、普通に仕事をしていればエンジニアとして少しずつ成長していきます。
3つ目はSESの会社に入社してがむしゃらに勉強した人。
正直に言うと、IT業界は未経験では活躍できませんが(一応専門職なので)、コミュニケーション能力も必須という、業界未経験だとわかりづらいところがあります。
実際にはITの知識だけが求められているわけではないので、入社してから頑張れる人には十分に道が開けたりします。
荒っぽくいうと、IT業界は雑務でも何でもやれる人が求められていて、ただし、活躍するには一定水準のIT知識が必要になります。
未経験の方はこの「一定水準のIT知識の取得」までに苦労するので、IT業界経験のない人は採用しないというSES会社も多いです。
未経験の方は難しいと言いながらも、私がSES事業を始めた理由は、この方法が一番早くエンジニアなれると確信したからです。
前述のスクールなどで学ぶのも良いのですが、どうしても時間がかかります。
それにスクールで学んだだけでは活躍できないのは、IT業界の人なら百も承知です。
(これはスクールが悪いのではなく、実務経験が圧倒的に足りないからです)
つまり、少しでも早く現場に入った方が、早くエンジニアになれます。
弊社はエンジニアの育成・排出を目指しており、様々なプロジェクトを経験できる、SESの形態が実は理にかなっていると考えています。
ただし、私が過去に経験したように、現場の状況によっては経験を積めないこともあります。
それはについてはやはり、会社側がしっかりと把握をして、エンジニアさんが成長できる機会を提供できるようにしておかなければならないと考えています。
メンターを見つけるにはSESが良い
どの業界でもそうだと思いますが、「すごい」と思える人に出会うことがあります。
IT業界でもそんな人がいて、そういったすごい人に出会えるかどうかで、今後のエンジニア人生が変わります。
SESで様々な現場に行ければ、尊敬できる人に出会える確率は高まります。
もちろん、自社内の先輩を目標にしても構いません。
ただし、見つけられなかったら、外部の勉強会やネットなどで探さないといけないでしょう。
前提としてメンターを見つけるということを書いていますが、目標となる人はいないよりもいた方が絶対に良く、憧れまではいかなくても、「この人のような働き方をしたい」とかでも十分です。
現場常駐のプロジェクトは案件規模が大きい上に、現場が変わることもよくあるので、間近でそういった人たちに出会える可能性は高いでしょう。
メンターになって欲しい人は、必ずしも教えを請えるとは限らないので、あくまでモデルとして、目標として定めるのが良いでしょう。
どちらにしても、漠然と「エンジニアになりたい」と考えてこの業界に入ったなら、様々なエンジニアに出会うのは良い経験になると思います。
最後に
SESという形態は案件ガチャと言われることもあり、一時期、悪い噂が流れたこともあります。
そういったことは実際にありますし、私も経験をしています。
しかし、環境さえコントロールできれば、SESはいろんな案件を経験できるチャンスになります。
その中でただ漫然と過ごすのではなく、目標を持って日々取り組んでいくことが非常に大事です。
そのための現場選びや目標設定には、ぜひ会社という組織をうまく利用して欲しいと思います。
ファンブリューではエンジニアになりたい人を支援しています。
現在こんなお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
- プログラミングを学習したいが、何から始めたらいいかわからない。
- IT業界に就職するために必要な知識が何かわからない。
- 実務経験がなくて現場に入れない