なぜ会社は社員に日報を書かせるのか。SESでも日報が大切な理由

ファンブリューの金井です。

初めて会社員として働き始めた時、日報って面倒だなと思いながら毎日書いていたのを思い出します。

しかし、自分が人をまとめる立場になり、改めて日報の大切さを理解しました。

そんな日報ですが、提出する意味について書いてみたいと思います。

目次

業務内容の把握

SESの会社では、社員がお客様のプロジェクトで稼働するため、どうしても社員の動きが見えません。

自社内で作業しているならまだしも、現場の状況は上司には全く伝わらないのは想像ができるでしょう。

その中で自社の社員がどんな仕事を任され、どのように働いているのかを知るには、本人の報告以外にはないのです。

もちろん、現場の評価はプロジェクトのリーダーから営業さん経由で伝わってくることもあります。

しかし、それは毎日ではありませんし、こちらから尋ねないと基本的にはいただけない情報です。

会社側としては社員の動向をもっと詳しく把握したいですが、現場のメンバーに度々確認するのも大変ですし、相手方も面倒に感じるでしょう。

そうなると、やはり日報など、何かしら会社へ報告する手段が必要になってきます。

日報から社員の稼働状況を把握する

プロジェクトの中にはリリース前や繁忙期があり、どうしても残業が多くなる現場があります。

時には基本の契約時間を超える稼働も発生するので、その場合は別途で精算が必要になってきます。

加えて、月の稼働時間が多すぎると社員の体調にも影響します。

現場に入っている社員としては、プロジェクトに貢献したいという思いもあるでしょうし、特に真面目な人ほど稼動が増えていく可能性があります。

そのあたりをうまく調整するためにも、日々、日報を提出してもらい、自社の上司や営業さんに頼れる状況を作っておくことが大事です。

日報から課題を把握する

SESのエンジニアは新しい現場に移ることによってスキルアップを図ります。

新しいプロジェクトに参画するということは、色々と覚えることが多くて大変です。

その中でも一番避けたいのは、スキル不足で戦力外となっている状態です。

これは新人エンジニアだと誰しもが経験することであり、全く恥ずかしいことではありません。

ベテランエンジニアでも知らない技術を使ったプロジェクトに参画すると同様の状態に陥ります。

ただし、ベテランエンジニアは今までの経験があるので、業界経験の浅いエンジニアよりキャッチアップが早いというのがあります。

しかし、新人エンジニアだと経験が浅いうちはなかなか難しいでしょう。

日報を毎日出していると、メンバーの苦労している内容を把握できるので、会社からフォローアップがしやすくなります。

ですので、恥ずかしいなどとは思わずに、現在やっている作業や困っていることを正直に書いていただくと、会社の上司からアドバイスがもらえるでしょう。

スキルアップのタイミングが判断できる

エンジニアのキャリアはエンジニア自身が決めるものですが、業界経験が浅いと何を学べばいいか分かりません。

最初は会社に言われるがまま現場に行くことも多いでしょう。

そして、慣れてきた頃に次の現場に行かされるということもよくあります。

この時の会社の考え方としては2つあります。

1つは社員のスキルアップを図りたいという場合です。

同じ現場に長く居続けると、新しい技術を習得できなくなる可能性があります。

特に定例業務や反復作業が多いと、慣れれば仕事としては楽ですが、社員本人の能力アップにつながらないことがあります。

そんな時は、新しい現場へ移ることで、新たなスキルを習得するための機会を作ります。

これを何度も繰り返すことで、エンジニアとしてさまざまな能力を身につけることができるのです。

2つ目も1つ目と関連しています。

エンジニアのスキルが上がると単価も上がるため、会社の売り上げも増加します。

もちろん、それと比例してエンジニアの収入も上がりやすくなりますし、会社としては積極的にやっていきたい思惑があります。

ただ、時にはステップアップできる現場がないこともありますし、どのようなスキルを身につけていきたいかはエンジニア次第なので、実際には会社と相談しながら決めていくことになるでしょう。

そして話は戻りますが、日報からはエンジニアの負荷度合いを知ることができます。

毎日同じ作業の繰り返しているなら、「そろそろ次の現場でスキルアップできるかな」と上司の方から、次の現場が提案できるのです。

PDCAを回してエンジニアとしてのマインドを身につける

これはSESに限りませんが、日報を見ることで現在社員が抱えている課題を把握できます。

それがアドバイスができるものであればしますし、もしどうにもならない問題なら、最悪のケース、現場を変更するという措置も取れます。

とはいっても、遠隔で稼働している社員にできるアドバイスは限られています。

社内勤務のエンジニアとは違い、横に寄り添ってプログラミングを教えられるわけではありません。

しかし、エンジニアの仕事はどこまでいっても自学自習が基本になります。

誰かに教えてもらえばできるようになる、というものでもありません。

1つ例をあげてみましょう。

例えば、IT業界内でも新しい、最新の技術を採用したいとなったとします。

ネットで調べるだけでなく、自分自身が調査して理解していく能力が求められます。

ITの技術は無数にありますし、特に新しい技術は情報がまだまだ少ないでしょう。

そのように考えたときに、先輩エンジニアが後輩に伝えるべき内容は、エンジニアとして生き残るためのマインドです。

社員に日報を毎日出してもらうのは、会社がその内容に返信することで、自走できるエンジニアになっていただくためです。

一度そのマインドを身につければ、どのような現場でも活躍できる未来が見えてきます。

特に一度ITの業界に踏み入れて仕事をすると、なかなか他の業界に行くということがありません。

(IT業界に入って始めの方で、自身に合わなくて辞めてしまうということあるでしょう。)

ですから、長い目で見て活躍できるエンジニアになる技術を身につけなければなりません。

日報は地味ですが、エンジニアとしての能力を身につけるためのフィードバックができる仕組みと言えます。

日報をうまく書いてアピールする

SESは会社を離れて現場で稼働する形ですが、現在ではテレワークも一般的になり、リモートで働くのが当たり前になってきています。

そういった中なので、日報に限らず、SlackやTeamsなどのツールで作業報告を行うことも増えてきているでしょう。

日報は必ずしも進捗報告のためにするわけではありませんが、成果が見える形で報告する工夫は必要になるでしょう。

どうしても進捗がない時は仕方がありませんが、今何に取り組んでいて、どこで止まっているのかなど、見せ方次第では成果と見てもらうこともできます。

もちろん、内容を盛って後から困るような内容では駄目ですが、次の行動や改善が見えるような報告を心がけると、業務に真摯に取り組んでいる姿勢が読み取れるでしょう。

日報を単なる報告履歴と思わず、リモートワークで求められる能力を磨くと思って、積極的に取り組んでみて欲しいと思います。

最後に

たかが日報だと思われるかもしれません、しっかり活用することで、エンジニア・会社、双方にメリットがあると言えます。

テレワークも導入されることが多くなってきた昨今、テキストベースで報告することも増えてきていることでしょう。

日報という古典的なフレームワークに思われますが、今日でも理にかなったやり方だと私は思います。

未経験でエンジニアを目指すなら

ファンブリューではエンジニアになりたい人を支援しています。

現在こんなお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

  • プログラミングを学習したいが、何から始めたらいいかわからない。
  • IT業界に就職するために必要な知識が何かわからない。
  • 実務経験がなくて現場に入れない

金井 泰樹のアバター 金井 泰樹 FUNBREW代表

FUNBREWの代表。
新卒からIT系の企業に勤め、SES、スマホアプリ開発、自社開発の会社で経験を積んで独立。
新卒時代にエンジニアとしてのキャリアを積むのに失敗し、その後に苦労した経験から、現在教育事業の立ち上げを準備中。
強みはウェブシステム開発全般と迅速なレスポンスです。

目次