ファンブリューの金井です。
今では法人化を果たしましたが、私もフリーランスとして役6年ほど経験しました。
得意分野は開発の方で、担当範囲はプログラミングやシステムの設計、お客様との打ち合わせなど、小さい案件がほとんどだったので、1つの案件をお受けして完了するまでのあらゆることをやりました。
そうした中で、フリーランスとして足りない知識は何かと考える機会も多々ありましたが、それよりも、習慣や考え方のほうがもっと大事だと気づきました。
世の中にはフリーランスに必要な知識については多く触れられていますが、一方、その知識を得るための習慣や考え方について焦点を当てた情報がないように思います。
今回はフリーランスになってから気づいた大事な習慣について、書いてみたいと思います。
考え方の癖に気づくこと
エンジニアのフリーランスというと、現場常駐型の方がほとんどですが、私の場合は自分で営業して仕事を取ってきて、開発、納品まで行う、他業種で言われているフリーランスに近い形態で活動しておりました。
そして、このスタイルでの最初の難関はズバリ営業です。
営業のテクニック等はあるかと思いますが、そもそもエンジニア出身の人は営業に対する感覚が磨かれていません。
もちろん、人によって差異があることは重々承知です。
しかし、プログラミングを書いたり、ITの技術についてずっと向き合ってきた人がほとんどでしょう。
自分の話し方や現在の相手の表情、相手が一体何を考えているのかなど、そういった営業寄りの考え方にいきなり頭を切り替えるのは非常に難しいことに気づきます。
そもそも、営業を始めてしばらくは技術力さえあれば営業なんか不要だと考えているかもしれません。
エンジニアの仕事は専門職であるが故に、技術に特化した偏った考え方が醸成されがちです。
そのことにまずは気づいて、自身で自分の考え方を修正する必要があります。
文章で見ると当たり前のことを言っているように見えますが、当人は意外とこのことに気づきません。
それはやはり一日8時間、ひたすら技術に向き合うことを何年も繰り返していると、そういう発想が出づらくなるのだと実感しました。
フリーランスになって、お客様と直接相対するとなれば、まずは上記のような考え方の癖がないか、ぜひ一度見直してみてほしいと思います。
自分の働きが今後の仕事につながる
自分の働き方が今後の仕事につながる。
当たり前のような話なのですが、会社員時代はそうとも限らないことも多いでしょう。
例えば、システム開発のプロジェクトだと、プログラムを組む人とテストをする人が別だったりします。
また営業をする人とシステムの設計をする人が別なこともよくあります。
もし自分がプログラムを組む担当だったとして、設計に致命的な誤りに気付いたとしても、自分の職分を果たせば評価されるかもしれません。
ビジネスの政治的な理由で、問題を指摘することさえ憚られる、といった事情もあるかもしれません。
しかし、もし設計に誤りがあったなら、間違いなくお客さんにはマイナスの結果を生んでいるはずです。
プロジェクトが大きいとたくさんの人が参画するので、一人当たりの責任は薄まりがちです。
また自分の担当範囲ではなかったといった、十分な理由もあります。
一方、フリーランスで自分の責任範囲が大きくなると、そうもいかなくなります。
特に小さな仕事を受けていると、自分の仕事がお客様に与える影響はかなり大きくなります。
契約上は開発だけをやっていれば良くても、プロジェクト全体で成功してなければ、それ以上の仕事の依頼は来なくなります。
理由は簡単で、プロジェクト全体で失敗しているので、そのプロジェクト自体の予算がなくなり、以降の開発を取りやめるということもあり得るからです。
新規営業の大変さを知っていると、継続して案件をもらえることは非常に大事になってきます。
そのように考えると、自分の担当範囲でなくても、それに気付いたのであれば手伝ったり、場合によっては担当範囲を広げるという選択肢が出てきます。
もちろん、そうしたことによって作業量が増え、しかし今までと報酬が変わらないとなれば、大いに悩むところではあります。
報酬を上げる交渉をしたり、もしくは現在の作業量を減らす工夫したりと、色々と面倒ごとは増えるでしょう。
それでも一人のフリーランスとして今後も継続していくためには、面倒ごとを買って出るぐらいの意識を持っておかないと、仕事の獲得に苦労し続けることになります。
まとめますと、自分の作業がどれだけお客様に利するか。
また、結果を重視した働き方を常に考えること。
これらをおろそかにすると、どれだけ真面目に仕事をしていても、求めている成果に繋がらない可能性があります。
技術的こだわりを捨てる
私がフリーランスになって一番苦悩したのは、エンジニアとしての技術的なこだわりを捨てなければならない時でした。
これもエンジニアの思考の癖だと思っていますが、自分が使いたい技術と自分が一番良いと思う技術、それとプロジェクトで使われる技術が違うと、大きなストレスを感じることです。
実際には、既存のプロジェクトだとすでに使われている技術に合わせて追加の開発を行いますし、新規のプロジェクトでも新しすぎる便利な技術よりも、慣れてるエンジニアが多くて保守がしやすい、古くから有名なフレームワークを採用することだってあります。
プロジェクト全体やお客様の成功を重視するなら、どうしても技術的なこだわりを捨てる機会が訪れるでしょう。
システム開発は論理的な思考や、一文字でも違ったらエラーで動かなくなるような丁寧さが求められます。
一方、どんなデザインにして、どんな機能を作って、どんなロジックで書けばキレイに動くかといった、非常にクリエイティブな側面もあります。
このクリエイティブな側面に惹かれてエンジニアの職を選んだのであれば、お客様がいて今の仕事があることを再認識しなければ、現実と理想のギャップに苦しむことでしょう。
技術力を高めるだけが仕事ではない
私がプログラマーになりたいと思ったのは、プログラミングができるのはかっこいいという憧れからでした。
新卒でIT業界に入ってからは、それは結構な幻想で、エンジニアというのは想像以上に泥臭い仕事で、画面に齧り付きながら、時には陽が昇るまで残業して成果を出していく仕事だと気づきました。
それでも、「自分が1日かけて終わらせた仕事を、あの人なら5分で終える」みたいなことがままあるのがこの業界です。
それを見てまた情熱を燃やし、技術力を高めていくということを、もしかしたら皆さんもやっているのではないでしょうか。
ある一定の能力水準までは、圧倒的な技術力がエンジニアの能力の高さと比例すると今でも思っています。
しかしながら、フリーランスとして活動していると、それが全てでないことにふと気づきます。
例えば、Reactを扱えるよりも、Wordpressの開発ができるエンジニアの方が、世の中としては需要が多いかもしれません。
よくあるコーポレートサイトを作りたいというご依頼に対して、JAMStackを採用しなければならない理由はあまりないでしょう。
要はオーバースペックだったり、仕事のミスマッチが起こることが多々あります。
それなら、「お客様によって自分のレベルを下げるのか」といった気持ちになるかもしれませんが、そういう話ではありません。
そのお客さんに合った適切な提案をできることが大事です。
エンジニアとして最新の技術を学ぶだけでなく、昔からある技術にも手を出し、提案の引き出しを多くしておく必要があります。
また自身が扱えない技術など世の中には無数にあります。
不得意な分野は他のエンジニアと協業するなど、人に頼れる人脈やコミュニケーション能力など、技術力以外の総合的な能力を高めることが大事です。
身体のメンテナンスをしよう
エンジニアは新しい技術やパソコンなど、仕事に関わることには非常に敏感な人が多いです。
一方、「自分の身体を大事にして毎日メンテナンスしてます」という人は多くありません。
例外としては、趣味で筋トレしたり山登りしたりなどしている人は対象外かもしれません。
話を戻すと、エンジニアは専門職であるがゆえに意識が技術方面に向いています。
フリーランスは会社員ではないので、会社からの保障があるわけでもなく、怪我をした時の救済措置も自分で確保しておかなければなりません。
そもそも、エンジニアであっても自分の身体を大切にするという考え方をインプットしておきたいところです。
エンジニアの労働環境を考えると、首や肩、背中、腰、腕あらゆるものがPCを使った業務によって不調を訴える可能性があります。
筋肉の強張りからの頭痛で画面もろくに見られなくなっても、フリーランスは仕事を休むのにも一苦労です。
くどいですが、有給なんてものはありません。
ここで言いたいのは、身体がダメになった場合の救済手段ではなく、予防的な側面の話です。
身体が資本とはよく言ったもので、プロスポーツ選手だけでなく、プロとして仕事をしているすべての人の必修科目だと言えます。
現在世界中で揺り戻しがあるとはいえ、テレワークがある程度浸透してきた今なら、軽くストレッチをしたり、運動する時間ぐらいは捻出できるでしょう。
エンジニアという選手生命を長くするためにも、ぜひご自身の身体を労わる方法を考えてみてください。
最後に
他にもたくさんの観点があると思いますが、私が経験して思ったことを書いてみました。
フリーランスの話題ではお金にまつわる内容が多くなりますが、今回は少し違った視点で共有できたのではないかと思います。
拙い文章ではありますが、ここまでお読みいただきましてありがとうございました。
ファンブリューではフリーランスになりたいエンジニアさんを支援しています。
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