システムは放っておくと「腐る」?静かに進行するITの老化現象

ファンブリューの金井です。

「今のシステムで不便してないし、まだまだ使えるよ」
そんな風に感じている方も多いのではないでしょうか。
日々の業務を支えてくれているシステムに対して、大きなトラブルが起きていなければ、ついつい「このままで」と判断してしまうことは珍しくありません。

でも実は、目に見えないところで少しずつ、静かに”時代とのズレ”が広がっていくのがシステムという存在でもあるのです。

この記事では、「システムが腐る」と表現される状態について、わかりやすいたとえを交えながらご紹介し、なぜ保守やアップデートが重要なのか、どんな備えができるのかを一緒に考えていきたいと思います。

システムにも”寿命”がある?身近な例で考えてみる

皆さんが普段お使いのパソコン、スマートフォン、あるいは自家用車。
これらは、定期的な更新やメンテナンスをしないと、いつの間にか不具合が起きたり、安全性が損なわれたりしますよね。

たとえば、

  • Windowsアップデートを数年放置すると、セキュリティが脆弱になる
  • スマホのOSが古いと、アプリが動かなくなる
  • 車もオイル交換やタイヤの交換を怠ると、故障や事故のリスクが高まる

実は業務用のシステムも、これととてもよく似ています。
見た目には変わらなくても、中では少しずつ「時代遅れ」が積み重なっていくのです。

「保守」とは、”壊れてから直す”ことではありません

システム保守というと、「エラーが出たら対応する」「何か困ったときに連絡する」といったイメージがあるかもしれません。

ですが本来の保守とは、今後も安心して使い続けられるように”未来の不具合を予防する”ことでもあります。

たとえば、

  • サーバーやOSのサポート終了に備える
  • 新しいブラウザでも正常に動作するよう調整する
  • セキュリティ対策としてのライブラリ更新を行う

こうした作業は「まだ起きていない問題」に向けた備えなので、目に見えづらく、つい後回しになりがちです。
でも、あとで困らないためには欠かせない”予防接種”のようなものなんですね。

技術の進化は想像以上に早く、追いつくのが難しい時代に

ここ数年でITの進化は飛躍的に加速しています。

  • Windows Server 2012のサポート終了
  • Internet Explorerの廃止
  • PHPの旧バージョンが使えないクラウド環境の増加
  • 外部サービスのAPI仕様変更(Google、LINE、など)

これらの変化に対応するには、システム自体が”今の環境”で動くように保たれている必要があります。

また、技術の進化により「古い技術に対応できる人材が減っている」という背景もあります。

つまり、今動いているシステムをずっと維持することの方が、実はどんどん難しくなる時代なのです。

よくある”困った事例”とその背景

ここで、私たちが実際に見てきた例をご紹介します。

OSが変わったら動かなくなった

業務用アプリが古いWindowsに依存していたため、新しいパソコンに入れたら起動すらできず…。調べてみると、使っていたソフトが最新OSに非対応。

→ 結果:一部機能を急きょ手作業に切り替えることに。業務が一時ストップ。

外部サービスとの連携が止まった

以前から使っていたAPIが廃止されていたことに気づかず、ある日突然、カレンダー連携やチャット通知が動作しなくなった。

→ 結果:再構築が必要に。予算が確保されるまで数ヶ月かかった。

メンテナンス費を惜しんだら、思わぬ出費に

「問題が出てから考えよう」と保守契約をやめた企業様。半年後、マルウェアに感染し、大切な取引先にも影響が…

→ 結果:信頼を失い、契約見直しに。結局、修復と再開発に想定外のコストが。

「保守=投資」という考え方が未来を守る

どうしても「保守費用」と聞くと、”節約対象”にしたくなる気持ちもよくわかります。
ですが、保守とは将来のトラブルを未然に防ぐための”安心代”でもあるんです。

オイル交換を定期的にしていれば、エンジンは長持ちします。
同じように、システムも”今のうちに”メンテナンスしておけば、安心して使い続けられるのです。

特にここ数年、セキュリティや業務継続の観点で、保守の重要性はますます高まっています。

腐らせないための、やさしい3ステップ

1. まずは現状を知ることから(技術の棚卸し)

「どんな技術で動いているか」「いつ作られたか」「使っているサーバーのOSやライブラリは何か」
こうしたことを一度、一覧にしてみましょう。
把握しているだけでも、対策はぐっと立てやすくなります。

2. 年に1回の”健康診断”を

不具合が出てから慌てるのではなく、年1回でも構いませんので、エンジニアによる簡易診断を行うと安心です。思わぬリスクの早期発見にもつながります。

3. 必要に応じて”小さく作り直す”という選択も

すべてを大がかりに変える必要はありません。
たとえば古い部分だけをノーコードツールやローコードツールで再設計することもできます。今ある資産を活かしながら、未来に繋げるアプローチも可能です。

まとめ、”まだ使える”を”これからも安心して使える”に

日々の業務で忙しい中、「今困っていないから」という理由でシステムを放置してしまうことは、よくあることです。

ですが、「動いている=大丈夫」とは限りません。

  • 少しずつ、でも確実に古くなっていく技術
  • 対応できるエンジニアの減少
  • ある日突然の”動作不良”や”サービス終了”

こうしたリスクに備えるためにも、システムの “今”と”これから”を一緒に見直してみませんか?

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